1. どんな治療が多いの?
漢方薬は慢性疾患にこそ、効果を発揮するとお伝えしてきましたが、実際に、林先生のもとへ通っているペットたちは、どんな症状の子が多いのでしょうか?
「一番、多いのは悪性腫瘍ですね。犬の場合には、免疫疾患も多く、脂肪織炎やリウマチ、多発性筋炎といった、大学病院に通院しなければならないような重い病気の子がやはり多いですね。
猫の場合は、腎臓病が多い。猫は犬よりも免疫力が高く、悪性腫瘍にはかかりにくいんですが、腎臓は弱いんです。人間の場合には透析ができますが、猫は無理。そのため、腎臓病は死に繋がります。西洋医学では、点滴で水分を入れて、たくさん尿を出すことで毒素を出すという治療法しかありませんが、漢方薬では腎臓をよい状態に持っていくことも可能なため、腎臓病の治療で通っている子もたくさんいます。
あとは、皮膚病の子もいます。アトピーや慢性の皮膚病の子には、漢方は効果的です。漢方では、痒みを止めるのではなく体質改善を行うことで、皮膚の病気を治すので、長期的に見て、いい治療ができると思います」(林先生)
2. 薬を飲めないペットは?
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漢方薬というと、どうしても苦い、まずいというイメージがあります。犬猫たちに問題なく、飲ませることができるのでしょうか?
「僕の病院では、錠剤か粉末で処方しています。やはり、ペットの中には飲むのが苦手な子もいるので、工夫は必要です。
例えば、錠剤ならばパンに包むとか、チュールを使うなど、様々な方法を試してみてください」(林先生)
錠剤は飲めないけれど粉末なら飲める、など、担当の医師に相談してみてもいいでしょう!
3. インターネットでの販売は?
昨今では、なんでもインターネットで購入することができるようになりました。漢方薬もしかり。漢方薬をインターネットで購入して、治療することはできるのでしょうか?
「オススメはしません。漢方薬は、証(しょう)に合ったものを与えることが大事なので、証を見ずに購入した漢方薬は逆に体にダメージを与えてしまう場合もあります。
例えば、弱った子に下痢をさせたら、体力がさらになくなって、死んでしまいますよね。なんでも好転反応を出せばいいというわけではないし、どの子にも同じ効果が出るというものでもない。ですから、インターネットを見て、選んで購入するというのは危険だと思います。
それと、僕自身の考えとしては、ネット通販では良い漢方は買えないと思っています。サプリのようなものはたくさん販売されていると思いますが、そういったものが漢方として効果を発揮するのかは疑問です」(林先生)
4. 困ったときに漢方薬を
前述したように、西洋医学では治せない病気も、漢方薬を使うことで状態が変わることもあります。
漢方薬で全ての病気が治るわけではありません。しかし、愛犬、愛猫が生死をさまようような大きな病気を患ってしまった場合、一度、漢方薬という治療法も視野に入れてもいいのではないでしょうか? 獣医師に相談することで、新たな治療の道が見えてくるかもしれません。
とはいえ、漢方薬はあくまでも獣医師の診断のもとに服用するものです。飼い主の自己判断で飲むことは、ペットにとってダメージとなることもあります。必ず、獣医師の指導を仰ぐことが大事です。まずは、漢方を扱っている動物病院の門を叩いてみてくださいね。
ペットのための漢方薬【前編】
漢方治療専門どうぶつ病院 ハルペッツクリニック東京
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Wisdom from Nature
自然の生薬により、動物本来の生命力を呼び覚ます。
ハルペッツクリニック東京は、漢方薬を用いた内科治療を専門、得意とする動物病院です。
漢方を使い、動物の本来のもつ生命力を高め、病気を全体的、根本的に治療する獣医医療を目標とします。
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※漢方薬の処方には必ず対面での診察が必要です。
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著者情報
UCHINOCO編集部
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