ノミとダニは投薬で解決! 予防を徹底して人間への感染を防ごう

犬、猫に多いトラブルの一つに寄生虫があります。ここでは、ノミやダニの予防法について、臨床歴30年以上の獣医師・Y先生にお話をお伺いしました。 2018年03月14日作成

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1. 犬・猫につくノミとダニの種類

出典元:https://www.shutterstock.com/

ノミやダニは、動物に寄生し、寄生した生き物の血液や皮脂を食べて生きています。一般的に、ダニにはヒゼンダニとマダニの二種類があります。ヒセンダニは犬に寄生し、犬の血液を食べて生きます。そして、皮膚の中で繁殖を繰り返し、犬に激しい痒みを与えます。それだけでなく、放置しておけば皮膚もボロボロになってしまい、最悪の場合、死に至ることもある恐ろしいダニです。このヒセンダニは人間にも移ります。

マダニは、肉眼で確認することができる大きなダニです。森や草むらに潜んでいることが多く、犬や猫の血を吸うとさらに巨大化します。

また、ノミもダニと同様に、犬や猫の血を吸って生きます。ノミに噛まれると、強い痒みを覚え、皮膚病になってしまうことも考えられます。ノミは人間には寄生しませんが、噛まれると強い痒みに襲われます。

2. ノミやダニを取る方法は?

すでに犬や猫がノミやダニに寄生されてしまったら、どうすれば良いのでしょうか。

ダニ、特にマダニには恐ろしいウイルスが潜んでいる可能性があります。それらウイルスは人間に感染し、最悪の場合、人間を死に至らしめることもあります。そのため、マダニは絶対に潰してはいけません。自力で取ろうとせずに、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

また、ノミの場合も、潰すのは厳禁です。メスのノミは、お腹に大量に卵を抱えていることがあり、潰すことでその卵が飛び散り、一気に増殖してしまいます。ノミを見つけた場合にも、動物病院に連れて行きましょう。

動物病院では、ノミやダニを駆除するための駆虫剤を処方してくれます。

「現在、『重症熱性血小板現象症候群(SFTS)』の感染が日本国内に広がりつつあります。これは主にウイルスを保有しているマダニに咬まれることで感染する感染症で、非常に致死率の高い病気です。犬や猫に付着しているマダニを取ろうとして感染する方も多いようです。マダニは予防することができます。獣医師の指導の元、徹底した予防を行いましょう」(Y先生)

※ 「重症熱性血小板現象症候群(SFTS)」とは…ダニ媒介感染症です。ウイルスに感染すると、6日〜2週間の潜伏期間ののち、発熱や嘔吐、下痢、頭痛、筋肉痛などが起きます。さらに、悪化した場合、意識障害やリンパ節腫張なども引き起こし、最悪の場合は死に至ります。致死率は6.3〜30%と報告されており、人畜共通伝染病の中でも、注意が必要な病気の一つです。

3. ノミやダニの予防法

ノミやダニは、犬にも人間にも大敵です。寄生させないように予防することが大事です。

ノミやダニを確実に予防するためには、動物病院で予防薬を出してもらうのがベスト。予防薬には、内服タイプ、スポットオンタイプがあります。

内服タイプは、駆除薬を飲み、予防するもので、1錠でおよそ1ヵ月間の効果が得られます。

スポットオンタイプは、首の後ろに液状の薬を垂らすもので、内服タイプ同様に、1ヵ月間の効果があります。猫の場合、毛づくろいで舐めてしまう危険があるため、口が届かない部分に垂らしましょう。

「ノミやダニは予防することで防げる病気です。予防のために、どの薬を使い、どういう計画で進めていくかなど、獣医師が指導をします。予防は飼い主の義務です。獣医師と相談し、計画的に進めていきましょう」(Y先生)

4. その他の予防法

獣医師から薬を処方してもらったり、他にもノミを駆除する方法には、以下のものが挙げられます。

・ノミ取り用首輪
薬浴し、ノミやシラミを全て取り除いた後、首輪をつけることでノミを予防できます。使い方を間違えると、首輪をつけていても予防効果はないので、かならず、説明を読み、指示に従ってつけましょう。

・ノミ取りシャンプー
殺虫成分の入ったシャンプーも販売されています。ただし、こういったシャンプーで、ノミを駆除することはできません。シャンプーを使うことでノミを失神させ、その後、駆除薬などを使って取り除く必要があります。

・ブラッシング
こまめにブラッシングすることでノミを取り除くことができます。また、飼い主が犬猫の体に触れることで、ノミやダニに刺されていないかや皮膚病がないかなどをチェックする機会にもなります。

5. ノミやダニに寄生されない環境づくりをしよう

ノミやダニは、正しい知識を持って、きちんと予防することが最も大切なことですが、さらに、湿度や温度を調整し、換気をしたり、こまめに掃除機をかけるなどして清潔な環境を作ることも大事です。ノミやダニは熱に弱いため、犬や猫の寝床や布団などはお湯で洗ったり、乾燥機にかけるのも有効です。

犬猫のためにも、飼っている私たち人間のためにも、しっかりと予防しましょう。

著者情報

UCHINOCO編集部

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