犬のしゃっくりから考えられる病気と止め方は?

犬も人間と同じようにしゃっくりをすることがあります。たかがしゃっくり、と放置しておくと、病気の始まりのサインを見逃してしまうかもしれません。
しゃっくりによって考えられる病気と、止める方法も一緒に紹介します。 2018年07月14日作成

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しゃっくりとはそもそも、「横隔膜の痙攣」のことを言います。
横隔膜に何らかの刺激が加わることで、勝手に収縮が始まってしまい、意識的に収縮を止めることが出来なくなってしまう状態です。
犬のしゃっくりも人間と同じメカニズムで起きているそうです。
人間にとっては「なんだしゃっくりか。」で終わることかもしれませんが、犬にとっては病気のサインかもしれません!
それでは、しゃっくりから考えられる病気や、止め方を紹介します。

しゃっくりは病気のサインかも?

出典元:https://www.shutterstock.com/

犬がしゃっくりをする事は、そう多いことではありません。しゃっくりをしていても、病気が原因でしゃっくりをしていることは稀です。
しかし、本当はしゃっくりではないのに飼い主がしゃっくりと勘違いしていることもあるかも知れません。もしかしたら、そのしゃっくりのような行動がきっかけで病気に気付けるかもしれません。

脳神経の病気

てんかん発作などの脳の病気で引き起こされる症状をしゃっくりと勘違いしている可能性があります。
てんかん発作などの脳疾患は、ある日突然発症します。少しでもいつもと違うなと感じれば、動物病院への受診をお勧めします。

胃拡張・胃捻転

胃が異常に拡張してしまう胃拡張、さらに胃がねじれてしまう胃捻転という病気があります。胃が横隔膜を圧迫し、刺激を与えることでしゃっくりが出ることもあるかも知れません。また、げっぷがしゃっくりのように思われている可能性もあるかも知れません。
胃拡張・胃捻転は、特に大型犬に多い病気です。主な症状はしゃっくりではなく、元気消失、ぐったりしている、嘔吐または嘔吐物を伴わない吐き気、腹囲膨満や腹痛などで、急激に悪化してショック状態・意識混濁になるため注意が必要です。このような症状がみられる場合は、動物病院へ受診するようにしてください。
この病気は、時間がたつと死亡するケースもありますので、少しでも異変を感じたらすぐに対処するようにしましょう。

寝言

寝ている時に、ビク!ビク!と痙攣している様子を見たことはありませんか?
またヒッヒッ!と何か喋ったりしていることもあります。
しゃっくりと似ていますが、これらは「寝言」である場合が多いです。
犬も夢をみているのでしょうか、何かしゃべったり、走るような動作をしたり、手足をピクピクさせたりします。
しゃっくりではないので、睡眠の邪魔をしないように見守ってあげましょう。

吐き気

犬が吐き気を催すと、ウッ!ウッ!と吐き出したそうな動作をすることがあります。
嘔吐や吐出は様々な病気の一分症ですので、そのまま放置しないようにしましょう。
症状が続くようでしたら、動物病院で診てもらうことをお勧めします。

心臓の病気や、肺の病気などにより咳をすることがあります。
よく、くしゃみやしゃっくりに間違われる症状ですので、注意して観察しましょう。
咳をするようであれば、場合によっては投薬が必要になってきます。自己判断せずに獣医さんに相談してみましょう。

しゃっくりを止めるには?

体に異常がなく、ただしゃっくりをしているだけでも、なんだかつらそうな気がしてきますよね。
自然にしていればいずれ止まるのですが、早く止めてあげたいという方のために止め方を紹介します。

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人間と同じように、驚かせることによって止まる場合があります。
しかし、びっくりしすぎて思わぬ事故やケガにつながる恐れがあるので、やりすぎは要注意です。
しゃっくりが止まらないからといって、何度も繰り返し驚かしていると犬にストレスを与えてしまったり、飼い主が嫌われたりしてしまうので、1~2回で効果がなければ止めておきましょう。

水を飲ませる

人間も水を飲むと止まることってありますよね。犬も同じで、水を飲むことで止まる場合があります。
しかし無理やり水を飲ませたりすると、むせたり誤嚥の原因になるので、犬が自ら飲むように誘導してあげるようにするか、スポイトなどで少量ずつ口に含ませるようにしてあげましょう。

犬の体の小さな異変から、大きな病気が発見できる事は多々あります。
これくらい、と思わずに気になったら獣医さんに相談してみるなどして、愛犬の健康管理をしてあげましょうね。

この記事は獣医師が監修しています

本間 克巳

・本間獣医科医院長
・北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
・小動物臨床専門
・その他、海外協力事業とNPO法人の活動、アジア諸国への病院設立、人医師との腎臓移植・腹膜透析・細胞再生医療などの共同開発事業など幅広く活動中

著者情報

UCHINOCO編集部

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