パグとフレンチブルドッグの違いとは?性格・外見・飼いやすさを徹底比較

くしゃくしゃ顔がとても可愛いパグとフレンチブルドッグですが、見た目が良く似ていることから「どんな違いがあるの?」と疑問に思う人も多いでしょう。
本記事では、パグとフレンチブルドッグの違いについて、見た目だけでなく性格や飼いやすさなどの観点からも比較していきます! 2025年10月02日作成

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【ルーツ編】パグとフレンチブルドッグの違い

出典:https://www.shutterstock.com

パグとフレンチブルドッグはよく間違えられやすい犬種ではありますが、その起源は大きく異なります。
まずは、パグとフレンチブルドッグのルーツにおける違いを解説しましょう。

パグは中国を起源とし、魔除けの犬としても親しまれた犬種

パグのルーツは諸説あるものの、中国のチベットを起源に持つ犬種である説が一般的です。
かつてチベット仏教における僧侶のペットとして愛されており、その後に仏教の拡大を通して中国の皇室に献上されたといわれています。
当時のパグは魔除けの犬として親しまれており、紀元前600年頃には中国の文献などにも今とほぼ同じ見た目で記載されていたそうです。

ちなみに、パグは世界史においてもさまざまな活躍をしていますよ。
あの有名なフランス皇帝のナポレオンの妻であるジョゼフィーヌもパグの飼い主。
投獄中のジョゼフィーヌとナポレオンが連絡を取る際の中継役として、手紙を運んでいたというエピソードがあります。
また、スペインからの独立を目指していたオランダにおいて、当時の皇帝であるウィレム1世を暗殺者から守った犬もパグなのだそうです。

フレンチブルドッグは戦闘犬をルーツとしたフランス起源の犬種

フレンチブルドッグはフランス発の犬種であり、名前にも付いている通りブルドッグをルーツとしている犬種です。
ブルドッグ自体はイギリスで生まれた犬種。
元々18世紀のイギリスにおける見世物の一つ「ブルベイティング(=凶暴な牛と犬を戦わせる娯楽)」にて牛と戦わせるための戦闘犬として生まれました。

しかし、イギリスに動物虐待防止に関する法律が施行されたことでブルベイティングは廃止。
その後はブリーダーによる多彩な犬種との交配によって、本来のブルドッグに比べて攻撃性のない穏やかな性格のイングリッシュブルドッグが誕生。

18世紀にフランスにてイギリスからやってきた労働者の間で飼われていたイングリッシュブルドッグが、現地のテリア犬などとの交配を経て、フレンチブルドッグが誕生したとされています。
フレンチブルドッグは見た目の可愛らしさに加えて、当時はネズミ捕りをしてくれていたことから、フランスの上流階級の人々を中心にブームとなりました。

【見た目・体格編】パグとフレンチブルドッグの違い

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見た目こそよく似ているパグとフレンチブルドッグですが、実は体格などを細かくチェックしてみると様々な点に違いがあるんですよ。
ここからは、パグとフレンチブルドッグの見た目・体格の違いについて解説します。

パグは「小型犬」フレンチブルドッグは「中型犬」

パグとフレンチブルドッグは見た目や体格などがそっくりですが、見た目や体格に少しずつ違いがあります。
サイズについては個体差こそありますが、一般的にパグは「小型犬」で、フレンチブルドッグは「中型犬」に分類されています。
成犬の体格で比較すると、パグの体高は大きくても約33cmで、体重は約6~約8kg程度が一般的です。
対してフレンチブルドッグの体高は約23~約35cm、体重は約8~約14kgが一般的であり、パグに比べて体格が大きい傾向にあります。

どちらも筋肉質だが、フレンチブルドッグの方が骨格がしっかりしている

パグとフレンチブルドッグはどちらも筋肉質な体型の犬種です。
しかし戦闘犬のブルドッグをルーツとしているためか、フレンチブルドッグの方が比較的骨格が太くてしっかりしているうえパグに比べて胸板に厚みがあり、胸周りに幅があります。
パグについてはフレンチブルドッグに比べると小柄ではあるものの、小型犬の中ではがっしりとした体つきをしています。胴が短く、四角いフォルムも特徴です。

耳はパグが「たれ耳」フレンチブルドッグが「コウモリ耳」が特徴

パグとフレンチブルドッグの大きな違いが「耳」です。
パグの耳は薄くて小さい「たれ耳」。
顔の後方にねじれているローズイヤーと、耳の穴をふさぐように顔の前方へ折れて垂れ下がっているボタンイヤーの2種類があります。
ベルベット生地のように柔らかくてなめらかな質感が魅力ですよ。

対してフレンチブルドッグについては顔に比べて大きく、立った耳がチャームポイント。
コウモリの羽のような見た目から「コウモリ耳」と呼ばれています。
ちなみに現在のように犬種として一般的になる前のフレンチブルドッグについては、コウモリ耳の子だけでなく、パグと同じくローズイヤーの犬もいました。
しかしアメリカの繁殖家が異議を唱えたことにより、現在ではフレンチブルドッグの耳はコウモリ耳が一般的になったとされています。

尻尾の位置はパグが高め、フレンチブルドッグが低め

尻尾の位置についてもパグとフレンチブルドッグでは違いがあります。
パグは尻尾の付け根がお尻の高い位置にあり、硬く巻いているのが可愛いですね。
尻尾の巻き方には個体差があり、ゆるくカールしているものから二重巻きなどもあります。

対してフレンチブルドッグは非常に短い尻尾が特徴の犬種です。
尻尾の付け根は太く、個体によってはこぶ状になったりねじれたりしていますが、先端にかけて細くなっていますよ。
ちなみに尻尾が短いのは、元々ブルドッグが戦闘中のケガ防止のために遺伝的に尻尾が短くなるように交配されてきたからとされています。
そのため尻尾が短いのは生まれつきであり、尻尾を切られているわけではないので安心してくださいね。

【被毛・お手入れ編】パグとフレンチブルドッグの違い

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パグとフレンチブルドッグの「被毛」は共通点が多く、よく間違えられる理由の一つでもあります。
ここからはパグとフレンチブルドッグの被毛の違いついてチェックしていきましょう。

被毛はどちらも短毛でダブルコート

被毛の長さについてはパグとフレンチブルドッグのどちらも短毛であり、ダブルコートと呼ばれる特徴があります。
ダブルコートとはオーバーコートとアンダーコートと呼ばれる二層の毛から構成されている被毛のことです。
寒さには強い反面暑さには弱く、春や秋になると被毛の一部が生え変わる「換毛期」を迎えるのが特徴です。
どちらも抜け毛が多いため、ラバーブラシなどの柔らかいブラシでこまめにブラッシングしてあげることが大切です。

被毛の色はよく似ている

パグとフレンチブルドッグの被毛の色についてはよく似ています。
特に子鹿の色を意味するやや明るめの「フォーン」はどちらの犬種にも存在しており、パグとフレンチブルドッグを見間違える人も多い被毛の色です。
ほかには次のようにそれぞれ異なる被毛の色があるため、ぜひチェックしてみてください。

≪パグの被毛の色≫
・アプリコット
・シルバー
・フォーン
・ブラック

≪フレンチブルドッグの被毛の色≫
・クリーム
・パイド(白または黒をベースに逆の色が模様として入っているもの)
・フォーン
・ブリンドル(虎のような縞模様が入っているもの)

どちらも独特のニオイがあるためこまめなお手入れが必須

パグとフレンチブルドッグはどちらも顔のシワに汚れや皮脂が溜まりやすく、一般的に「パグ臭」や「ブルドッグ臭」と呼ばれる独特のニオイがあります。

そのため、ブラッシングやシャンプーによるお手入れに加えて、ニオイ対策のために顔のシワに付着した汚れを拭き取ってあげることも大切です。

特にフレンチブルドッグは皮膚が弱いとされており、シャンプー後の洗い残しがあると皮膚トラブルにつながる可能性があるため注意してあげてくださいね。

【性格編】パグとフレンチブルドッグの違い

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パグやフレンチブルドッグは見た目だけでなく性格も個性的!
ここからは、パグとフレンチブルドッグの性格や生活スタイルについて解説します。

どちらも人懐っこくて遊ぶことが大好き!

パグもフレンチブルドッグも明るく人懐っこい性格の犬種です。
飼い主さんへの愛情が深く、人懐っこい子が多い傾向があります。
家族と一緒に過ごしたり遊んだりすることも大好きで、無駄吠えも少ないことからペットOKのマンションなどの集合住宅でも飼いやすいでしょう。

パグは「頑固で嫉妬しやすい」フレンチブルドッグは「興奮しやすい」

人に対してフレンドリーではあるものの、パグとフレンチブルドッグでは性格にちょっとした違いがあります。

パグは素直で穏やかな性格です。愛嬌があり、飼い主と共に過ごす時間をとても喜びます。
一方で、マイペースで頑固な側面も併せもっているため、しつけに根気が必要になります。

対してフレンチブルドッグは、とても陽気で甘えん坊です。そして、興奮しやすい子が多くいます。
遊びやスキンシップに夢中になりすぎて暴走してしまうこともあるため、興奮をコントロールできるようにしつけをしたり、興奮した際には落ち着くまで抱っこしたりなどの対策が必要です。

パグもフレンチブルドッグも飼育では室温管理・散歩が大切

パグもフレンチブルドッグも「短頭種」と呼ばれる鼻が短い犬種であるため、呼吸で体温調節するのが苦手な傾向にあります。
そのため、飼育では室温管理が何より大切です。
パグであれば夏場は室温が25度以下、冬は20度以上になるようにしましょう。
フレンチブルドッグの場合は、夏場は25~26度程度、冬場はパグと同様に20度以上になるようにキープしてくださいね。
なお、フレンチブルドッグの皮膚は乾燥に弱いため、暖房を使う場合は加湿器やブランケットなどを併用するとよいでしょう。

また、パグもフレンチブルドッグも食欲旺盛な犬種であるため、太りやすい傾向にあります。
そのため、飼育の際には適度な散歩が大切です。
しかし短頭種の犬に激しい運動をさせると呼吸困難につながる可能性もあるため、散歩の時間は注意しましょうね。
散歩の回数は1日2回程度で、1回あたり20~30分程度を目安にするとよいでしょう。

どっちが飼いやすい?パグとフレンチブルドッグの選び方のヒント

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パグとフレンチブルドッグのどちらも賢くて無駄吠えが少ない犬種であり、しつけもしやすく様々な環境でも飼いやすいでしょう。
しかし、フレンチブルドッグはあくまで中型犬であるため、個体によっては体重が20kg近くまで大きくなる子もいます。
そのため、大きな犬と生活するスペースを確保するのが難しい場合はパグ、愛犬と一緒に思い切り遊びたい人にはフレンチブルドッグの方が飼いやすいでしょう。

パグとフレンチブルドッグの両方の魅力を比較してみよう!

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パグとフレンチブルドッグは一見よく似ている犬種ですが、それぞれ違った魅力や可愛らしさを持っています。
本記事で紹介した違いも踏まえて、パグとフレンチブルドッグそれぞれの魅力を堪能してみてくださいね!

著者情報

西野由樹

生粋の犬好きなフリーランスWebライター。執筆のお供はコーヒーと愛犬のマルチーズ「こたろう」。
やんちゃな愛犬にちょっかいを出されつつ、今日も実体験・調査に基づいた執筆で、読んで楽しい記事づくりに勤しむ。

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