犬の学名とは?
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まずは本題である、犬の学名について解説します。
犬と生活をする上で知らなくても問題はないことですが、さらに犬のことを深く知るきっかけになるかもしれません。
犬の学名はCanis lupus familiaris
犬の学名は、Canis lupus familiarisです。
読み方を解説すると「カニス・ルプス・ファミリーアス」ですが、犬の大きさによって変わるものではありません。
また、原産地によっても変わることはないため、チワワであってもゴールデンレトリバーであっても、Canis lupus familiarisとなります。
ちなみに、日本国内では学名の代わりとして標準和名である「イエイヌ」と呼ばれています。
オオカミの学名はCanis lupus
犬の祖先といわれているオオカミの学名は、Canis lupusです。
犬の学名がCanis lupus familiarisなので、やはり犬とオオカミはまったく同じとはいえませんが、科学的に見てもかなり近い種類だということがわかります。
犬の学名の意味
Canis lupus familiarisという学名は、どのような意味なのでしょうか?
ラテン語で、Canisはイヌを、lupusはオオカミを意味して、familiarisは「家族」を指します。
この名前からもわかるように、犬はオオカミから分岐して、人間との共生を選んだ特別な動物だということがわかるでしょう。
学名はどのような時に使われる?
学名は、動植物の正式な名前として国際的に使用されます。
学術論文や研究ではこの学名が使われるため、国や言語に関わらず共通の認識が可能になります。
また、familiarisが示すように、犬は長い歴史を通じて人間と深い関わりを持つ存在となりました。
今日のペットとしての犬の姿も、この学名に込められた意味を反映しているといえるでしょう。
犬の起源
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次に、犬の起源についてご説明します。
人間のパートナーとして歴史の長い犬は、どのような進化を遂げていったのでしょうか。
ミアキス
犬の進化の最初の段階として知られているのが、動物の母の意味を持つミアキスです。
ミアキスは約3,800~約5,600万年前に生息していたイタチに似た短い脚、細長い胴体、長い尻尾を持つ約30cmの小型肉食動物で、森の中で木登りを得意とし、爬虫類に加えて、鳥の卵やヒナなどを捕食していました。
キノディクティス
ミアキスから進化したのが、キノディクティスです。
キノディクティスは約3,300万年前に生息していたといわれていて、外見がコヨーテに類似していたそうです。
なお、四肢の構造からは、走ることが不得意であったと判断されています。
トマークトゥス
次に登場するのが、約2,300年前に生息していたといわれる肉食動物のトマークトゥスです。
トマークトゥスの外見は、オオカミや犬に類似していました。
タイリクオオカミ
タイリクオオカミは、ハイイロオオカミとも呼ばれ、17種類があります。
その中のひとつである「ニホンオオカミ」は日本に生息していたといわれています。
なお、体高は60cm~90cm、体長が100~160cmとサイズにばらつきがあります。
犬にまつわる雑学
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最後に、犬にまつわる雑学をご紹介します。
もしかしたら、愛犬家であっても知らないことがあるかもしれません。
犬の嗅覚は驚異的
犬の嗅覚は人間の100~1億倍敏感であると言われています。
この幅は種類により、犬にとって感じやすいにおいとそうではないにおいの差が
生じているためです。
そのため、犬は警察や救助活動、さらには医療分野でも活躍しているのです。
特に嗅覚に優れている犬は、人間のガンのにおいを嗅ぎ分けることができる犬もいます。
訓練を受けた犬であれば、患者の尿から病気の兆候を見つけることができるのです。
犬の味覚は未発達
犬は嗅覚が優れていますが、味覚は未発達です。
人間と比べると、5分の1しか味を感じることができないといわれています。
また、塩分をあまり感じ取ることができませんが、甘い・しょっぱい・すっぱい・苦いの4種類は感じられます。
一方で、犬は水の味に対しての味蕾を持ち、水の中のイオン濃度の高さを味として、犬の舌先より感じます。
犬の種類は約340種
国際畜犬連盟(FCI)が認定する犬種は、約360種あります。
これらの犬種は生存目的や形態・用途によって10分類されます。
例えば牧羊犬として活躍するボーダーコリーは、知能の高さで知られています。
一方で、家庭犬として人気のあるトイプードルは、その愛らしい外見と温厚な性格で多くの人に愛されています。
このように、犬種によって人間のために働くために作られたのか、可愛がられるために作られたのかの目的によっても、見た目や性格が変わってくるのです。
1日に何度も寝る
犬は、人間とは異なる睡眠パターンを持っています。
通常、犬は1日のうちに何度も短い眠りをとる「多相睡眠」をします。
犬を飼っている人であれば犬が日中に頻繁にうたた寝をしているのを見かけることが多いでしょう。
また、犬の睡眠中に足を動かすのは浅い眠りのレム睡眠からの影響や、夢を見ている証拠です。
犬がどのような夢を見ているのかは謎ですが、おそらく飼い主と一緒に遊んだり、お気に入りのおやつを食べたりしているのでしょう。
犬の学名は人間に寄り添った結果生まれたもの
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犬は、Canis lupus familiarisという学名が示す通り、人間と特別な関係を築いてきた動物です。
犬の起源は古いですが、徐々に人間と共存することにより、犬になっていったと考えられています。
今回は犬の学名や起源について解説しましたが、犬に関する知識を深めることで、より良い飼い主となり犬との絆を深めることができるはずです。
著者情報

けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。