【犬を飼う全ての人へ】愛犬からの願いをまとめた「犬の十戒」とは

犬を飼っている人なら一度は聞いたことのある「犬の十戒」。飼育において当たり前だと思うことも、日々の生活のなかでつい忘れてしまうものです。そこで今回は、犬から飼い主へ向けた10個のお願いである「犬の十戒」について解説します。この機会に動物を飼う責任を再度考えてみましょう。 2022年07月30日作成

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犬の十戒には犬から飼い主へのお願いが込められています。愛犬のことを思い浮かべながら、ぜひこの機会に十戒の内容を理解しましょう。

犬の十戒とは? 

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犬の十戒とは、ペットとなる犬から飼い主へ向けた10個の付き合い方(お願い)をまとめた詩のことです。

ペットである犬から飼い主である人間へ向けられたその言葉には、たくさんの愛と優しさが込められており、日本だけでなく世界中で伝えられています。

作者不詳とされている犬の十戒ですが、実際には原典が存在し、ノルウェーのブリーダーが犬の買い手に贈っている「犬からご主人への11のお願い」からきています。

もちろん、犬がみずから言葉を選んで十戒を完成させたわけではありません。しかしその内容は犬からみた飼い主(人間)との関係をうまくとらえていることから、動物との接し方を学ぶ際の教材として子供向けの映画や絵本が制作されるほどです。

「犬の十戒」の内容 

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犬の十戒をひとつずつご紹介します。
愛犬との関係をより豊かにするために、また、これから出会うであろう犬のために、ぜひすべての内容をご覧ください。

犬の十戒① 

≪原文≫
My life is likely to last ten to fifteen years.
Any separation from you will be painful for me.
Remember that before you get along with me.

≪和訳≫
わたしの一生はだいたい10年から15年です
あなたと離れることが一番つらいのです
どうか、わたしと暮らす前にそのことを覚えておいてください

≪解説≫
犬の寿命は犬種や個体によって違うものの10年から15年ほどです。この一文では、犬のことを理解する必要性と世話には多くの時間が割かれることを理解したうえで飼育してほしいという想いが込められています。

犬の十戒② 

≪原文≫
Give me time to understand what you want of me.

≪和訳≫
あなたの求めていることや言っていることをわたしが理解できるまで
時間はかかるかもしれないけど待っていてください

≪解説≫
犬に物事を認識させるには時間がかかります。何度も繰り返しトライすることで、ようやくトイレなどのトレーニングが成功するのです。この一文では、犬が物事を習得するには時間がかかること、それを踏まえたうえで気長に付き合う必要があることを伝えています。

犬の十戒③

≪原文≫
Place your trust in me- it’s crucial to my Well-being.

≪和訳≫
あなたがわたしを信じてくれれば、それだけでわたしは幸せです
どうか信頼してください

≪解説≫
犬は飼い主に対して嘘や打算で臨むことはありません。純粋無垢であるからこそ飼い主に信じてほしいのです。この一文では、愛犬を信じる気持ちを持ってほしいと伝えています。

犬の十戒④ 

≪原文≫
Don’t be angry at me for long and don’t lock me up as punishment.
You have your work, your entertainment and your friends. I have only you.

≪和訳≫
わたしを長時間怒ったり閉じ込めたりしないでください
とても悲しくなります
あなたには友達もいるし仕事や楽しいこともたくさんあるけど
わたしにはあなたしかいません

≪解説≫
犬にとって心から信頼できるのは飼い主だけです。そんな飼い主に長時間怒られたり、罰として閉じ込められたりすると大きなショックを感じてしまいます。この一文では、叱る際は短時間で終わらせること、優しく接する必要があることを伝えています。

犬の十戒⑤

≪原文≫
Talk to me. Even if I don’t understand your words,
I understand your voice when it’s speaking to me.

≪和訳≫
わたしに話かけてください
あなたが話す言葉の意味はわからなくても
わたしに話しかけていることはわかります

≪解説≫
犬にとって話しかけてくれるのは飼い主だけです。刺激の少ない生活のなかで、飼い主とのふれあいは数少ない大切なコミュニケーションの時間です。この一文では、言葉で愛犬へ気持ちを伝える大切さを示しています。

犬の十戒⑥

≪原文≫
Be aware that however you treat me, I’ll never forget it.

≪和訳≫
いつもわたしにどう接しているか考えてみてください
わたしはあなたの接し方を忘れません

≪解説≫
犬は飼い主が自分にどう接してきたかしっかりと覚えています。この一文では、犬に対する接し方を見つめなおす大切さを伝えています。

犬の十戒⑦

≪原文≫
Remember before you hit me that l have teeth that could easily crush the bones of your hand but that I choose not to bite you.

≪和訳≫
わたしがあなたの手を簡単にかみ砕ける歯を持っていることを
わたしを叩きそうになったら思い出してください
それなのにわたしはあなたを噛んだりしないのです

≪解説≫
犬の噛む力は小型犬でも約100㎏におよび、人間の約70㎏とくらべても強いことがわかります。そのため、犬が本気で噛みついたら人間などひとたまりもありません。この一文では、犬は飼い主を本気で噛んだりしないので、飼い主も叩くなどの暴力を振らないでほしいという想いが込められています。

犬の十戒⑧

≪原文≫
Before you scold me for being uncooperative, obstinate, or lazy, ask yourself if something might be bothering me.
Perhaps I’m not getting the right food or I’ve been out in the sun too long or my heart is getting old and weak.

≪和訳≫
わたしが言うことを聞かず頑固になったときは
まずその理由を考えてみてください
ご飯をきちんともらえなかったのか、炎天下のなか長いあいだ置き去りにされていなかったか、加齢によって心臓の動きが弱くなっていないか

≪解説≫
動物を飼っているとどうしても人間の目線で考えてしまい、うまくいかないとイライラするものです。この一文では、犬の立場で考え、十分に配慮してあげる必要性を伝えています。

犬の十戒⑨

≪原文≫
Take care of me when I get old ; you, too, will grow old.

≪和訳≫
わたしが年を取っても一緒にいてください
わたしと同じようにあなたも年を重ねてゆくのです

≪解説≫
犬の老化スピードは人間の比ではありません。ほんの数年で被毛が白髪になってしまいます。この一文では、犬の方が先に年を取るけれど、飼い主もいずれ同じように年を重ねるので、老化しても大切にしてほしいということが書かれています。

犬の十戒⑩

≪原文≫
Go with me on difficult journeys. Never say, “I can’t bear to watch it .
” or ” Let it happen in my absence.” Everything is easier for me if you are there.
Remember I love you.

≪和訳≫
わたしが旅立つときは側で見守っていてください
「つらくて見ていられない」とか「わたしのいないところで旅立たせて」なんて決して言わないで
あなたが側にいてくれたら、わたしはどんなことでもできるのです
あなたを愛していることをどうか忘れないでください

≪解説≫
翻訳の多くは犬との死別をあらわす「最期の旅」と表現されていますが、本来の意味は死別ではなく、生きていくうえで訪れる困難を“旅“と言い換えているようです。この一文では、愛犬に試練が訪れたときは、側で見守ってあげてほしいという想いを伝えています。

【絶対に忘れないで!】愛犬が頼れるのは飼い主だけ 

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犬の十戒では犬と生活するうえで大切な教訓がたくさん込められています。

愛犬との接し方を見直す、気持ちを理解するひとつのきっかけとして、決して忘れないようにしましょう。

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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