保護猫の里親になるための条件とはどのようなものでしょうか?保護猫の里親になる方法と、事前の心構えについて解説します。
里親制度の内容はどんなもの?
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保護猫の里親制度とは、飼い主のいない猫(野良猫や飼い主の都合で飼えなくなった猫など)を引き取り、あたらしい飼い主として飼育することです。
近年では、動物の殺処分反対の声も大きくなり、猫の保護をはかる団体や個人が増えてきました。それに伴って、保護猫を家族として迎え入れたいと考える里親希望者も年々多くなっています。
里親制度は、エサ不足や不衛生な環境で生活する不幸な猫を減らす、ゴミ漁りや糞尿による被害など、野生化した猫による問題を抑えるという2つの観点から注目されています。
保護猫の里親にはどこでなれるの?
保護猫の里親になるためには、猫を保護・飼育している施設や個人から譲り受ける必要があり、以下の施設などが例としてあげられます。
① 保健所
捕獲や飼い主の都合で飼育できなくなった猫が収容されている施設です。
保健所によって対応は異なりますが、一定の期間がくると殺処分されるケースが多く、悲しいことに2018年には30,757頭の猫が殺処分されています。
② 動物病院
あまりみかけませんが、動物病院でも猫の里親を募集している場合があります。
ケガをした猫を動物病院に連れてきたはいいものの自分では飼えない、などが理由として多く、動物保護団体などと連携して里親を募集しています。
ポスターの掲載やチラシの配布が行われていることがあるため、動物病院へ行った際は確認してみてください。
③ 猫カフェ
猫カフェのなかにも保護猫の里親を探しているお店があります。
もちろん、すべての猫カフェが猫の譲渡を実施しているわけではありません。
お店のホームページやSNSなどを事前にチェックし、譲渡の有無を確認するようにしてください。
④ 動物保護団体
動物保護団体とは、保健所などで殺処分になる予定だった、または飼い主からの引き取り願いなどを受け、里親がみつかるまで猫の保護を行う団体です。
動物保護団体についてはインターネットで情報を集められますし、動物病院と連携して里親を募っている団体もあります。
動物保護団体のホームページには、現在里親を募集している猫や犬の一覧が掲載されていますので、目を通してみてください。
⑤ 個人から譲り受ける
個人で猫を保護した方から猫を譲り受けるケースです。
近年ではSNSで里親を募集していることも多いため、確認してみるとよいでしょう。
しかし、個人間の譲渡は猫の健康状態や相手の身元が不透明であるなどの問題が挙げられるため、やり取りをする際は注意が必要です。
保護猫を家族として迎えたい!里親になる条件とは?
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保護猫の里親になる条件は譲り受ける施設などによって異なります。
※紹介する条件はあくまで一例です。詳しい条件は各施設や個人へお問い合わせください。
① 保健所から譲り受ける
保健所から猫を譲り受ける場合の条件例は以下の通りです。
1. 飼養できる住宅や経済力がある
2. 健康管理や不妊・去勢手術を施せる
3. 家族全員の同意を取っている
4. 誓約書の提出をする
このほかにも、譲渡された猫の様子を確認するため、保健所の職員が自宅に訪問することもあるようです。
② 動物病院から譲り受ける
動物病院から譲り受ける場合は、事前の面談と病院側が定めた条件をクリアしていなければなりません。
条件は病院ごとに異なるため一概にはいえませんが、飼育環境が整っているか、終生飼育ができるか、などを見ているようです。
③ 猫カフェから譲り受ける
猫カフェから保護猫を譲り受ける際の条件例はこちらです。
1. 猫カフェスタッフによる猫の特徴や譲渡条件の説明を受ける
2. アンケートの記入(回答内容によってはここで譲渡不可と判断される)
3. トライアルとして1~2週間程度、試し飼いをしてもらう
4. トライアルで問題がなければ誓約書の提出を行う
お店によりますが、本譲渡の際、去勢手術やワクチン代などの一部負担があります。
猫の健康を守るためにも、必要な費用と考えてください。
④ 動物保護団体から譲り受ける
動物保護団体から猫を譲り受ける際の条件例はこちらです。
1. 完全室内での飼育ができる
2. 家族全員の同意がある
3. 終生飼育を約束する
4. 団体の許可なしに再譲渡しない
5. 飼育可能な住宅や経済力がある
このほかにも団体によって譲渡条件が細かく定められています。
各団体のホームページで詳細を確認し問い合わせてみてください。
⑤ 個人から譲り受ける
個人から猫を譲り受ける場合、明確な条件が定められていないことが多いです。
そのため、飼育環境をきちんと整える・病気の際に対応する・終生飼育をする、といった心構えが里親側に必要です。
本当に大丈夫?里親になる心構え
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保護猫の里親になる前の心構えとして、最低限これらを理解しておいてください。
・飼育にはお金がかかる
・飼育には手間がかかる
・鳴き声による騒音の発生
・先住ペットとの相性が悪い
・猫の毛によるアレルギー
・終生飼育が前提の譲渡となる
保護猫はペットショップやブリーダーから譲り受けるときと違い、心に傷を負っている場合があります。
そのため、通常より飼育が難しい可能性も否定できません。
「絶対この子と家族になるんだ!」という強い気持ちで向き合う必要があるでしょう。
里親としてあたらしい家族と出逢ってみませんか?
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保護猫の里親になる条件はさまざまです。
しかし、一番重要なのは猫に対する愛情であることは間違いありません。
「絶対に幸せにするんだ」という気持ちと、家族として終生飼育する覚悟を持たなくてはなりません。
幸せになる猫を一匹でも増やすためにも、保護猫の里親を検討してみるのはいかがでしょうか?
著者情報
U.SHOHEI
父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。
現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。
得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。