神経が集中する猫の尻尾
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猫の尻尾には、いろいろな役目があります。
運動中に体のバランスを取ったり、感情を表したりします。しかし、中には尻尾がなかったり、短い猫もいるので、運動能力との関連性はないようです。
猫の尻尾は先端までしなやかに動きます。尻尾には尾椎(びつい)という骨があり、尾骨神経(びこつしんけい)と呼ばれる神経が走っています。この尾骨神経は骨盤神経、下腹神経、陰部神経といった神経とも繋がっているため、とても敏感です。
そのため、この尻尾に外部から力が加わると、他の神経にも影響を及ぼします。猫の尻尾を踏んでしまったり、強く引っ張ってはいけないと言われているのは、このことからです。神経を傷めてしまうと歩行障害や排尿・排便障害、下半身の障害などが起こります。これを「仙尾部外傷」、または「しっぽ引っ張り外傷」と呼びます。
このことからもわかるように猫にとって尻尾はとても大切なもの。ですから、絶対に軽い気持ちで引っ張ったり、踏んでしまったりしてはいけない部位なのです。
もちろん、触る程度なら問題はありません。
尻尾の付け根は「気持ちがいい!」
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尻尾の付け根を撫でてあげると、いかにも気持ち良さそうにお尻を上げるのは、猫が「気持ちがいい」と感じているからです。
尻尾は神経の集中する部位ですから、それだけ敏感にできています。そこを触られると気持ちよくなって思わず腰を上げてしまうのでしょう。それに、尻尾の付け根は自分ではなかなか舐めることも難しいし、触れることもできない部分です。
普段刺激を受けることが少ないので、触られると思わず気持ちがよくてうっとりとしてしまうのでしょう。
中にはまるで「触って」とでも言うように、お尻を向けて寄ってくる猫や、腰を上げて尻尾の付け根を撫でるように催促する猫もいます。これは甘えてくるポーズ。
また、出産経験のあるメス猫は尻尾の付け根に刺激を受けたり、トントンされる事により生殖行為の刺激と似ているため、喜んでいるのでは? とも考えられます。
尻尾付け根を触る時に注意すること
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まず、尻尾の付け根を触られると喜ぶ猫と嫌がる猫がいます。
どんな猫でも喜ぶわけではありません。避妊や去勢手術をした猫は尻尾の付け根を撫でてもさほど喜ばない猫もいます。もし、尻尾の付け根を触って嫌がったら、無理に触らないようにしましょう。
また、「尻尾の付け根を撫でて」と寄ってくる猫もいれば、「頭を触って~」「顔をナデナデして~」という猫もいます。撫でて欲しい場所は猫によって違ってくるので見極めるようにします。
もちろん、しつこく触るのもいけません。しつこいのは猫が嫌います。
いくら撫でられるのが好きな猫でも、あまりにもしつこく撫でられ続ければ、嫌になってしまいます。これは猫にとってストレスになるので、しつこくしないことも大切です。
それに猫は気分屋です。気持ち良く遊んでいたと思ったら、いきなりガブッと噛みつかれたこともあるかと思います。尻尾の付け根も同じです。撫でていたら、いきなり噛まれてしまう可能性もあるので、ほどほどに行いましょう。
尻尾の付け根を触るときは、顔周り、首回りから触り始め、ゆっくりと背中から次第に尻尾へと動かしていきます。猫が気持ちがいいと感じる部分を撫でてあげることです。
尻尾の付け根を触られて喜ぶ猫とそうでない猫がいます。嫌がるようなら、触らないことも大事なこと。また、しつこくいつまでも触るのも猫にとってはストレスになります。猫が気持ちいいと感じる部分を触ってあげるようにしましょう。
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UCHINOCO編集部
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