1. 熱中症は死に至る怖いトラブル
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夏場のトラブルといえば、熱中症。
熱中症は、暑い場所にいることで脱水状態になり、呼吸が苦しくなったり、高熱や嘔吐、下痢を引きおこす症状です。さらに悪化すると、ショック症状が起こり、やがて死に至ります。
年々、ペットも熱中症にかかることが周知され、死に至るほどの症状を引き起こしてしまう頭数は減ってきていますが、それでもゼロではありません。
例え、日陰であっても車中にペットを放置しない、暑い日は閉め切った室内に閉じ込めない、日中の暑い時間帯に運動をしないなど、熱中症にならないように飼い主が気をつけましょう。
万が一、熱中症にかかってしまったら、15〜20度くらいの水で体を冷やしながら、動物病院に連れて行きましょう。
2. まだある夏場のトラブル
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熱中症以外にも、気をつけておきたい夏場のトラブルはたくさんあります。ここでは、よくあるトラブルの一部を紹介します。
・フィラリア症
フィラリア症とは、蚊を介して感染する糸状の寄生虫による病気です。寄生虫が心臓や肺動脈に寄生することで、血液の流れが悪くなり、さまざまな障害を引き起こします。
このフィラリア症は、治療が非常に難しい病気で、最悪の場合、死に至ります。しかし、定期的な投薬で予防することができます。
予防法は、非常に簡単。蚊の活動が活発となる時期の1カ月前から、蚊がいなくなってから1カ月後まで予防薬を飲むだけです。薬は動物病院で処方してもらえます。
「今は、ほとんどの飼い主さんが行っていると思いますが、フィラリア対策も忘れてはいけません。夏場には忘れてはいけない健康管理の一つです」(森先生)
・肉球の火傷
「夏場は、強い日差しを受けてアスファルトやコンクリートが高温になります。そこを歩けば、肉球が火傷してしまうこともあります。また、照り返しによって、アスファルトやコンクリートの近くは、温度も上がります。あまりにも暑い日は、日中のお散歩は避け、日が陰り、気温が下がってから行きましょう」(森先生)
・皮膚トラブル
「気温が上がると、皮膚トラブルが増えてくるだけでなく、悪化しやすくなります。虫も増えるので、皮膚トラブルで来院する患者も増えます。
暑さ対策として、サマーカットを施す飼い主さんも多いと思いますが、毛を短く切りすぎないように注意してください。毛は、皮膚を守るものです。あまりにも短くしすぎると、外からの刺激や熱でトラブルを起こしやすくなってしまいます。日光などが直接皮膚に当たり、日やけしてしまうことも考えられるので、毛の長さにも注意を払うといいでしょう」(森先生)
・食中毒
「夏場は、暑い場所に長時間フードを置いておくと傷んでしまいます。特にウエットフードを使っていると、傷みは早まります。
猫の中には、ちょこちょこと長時間かけて食事を摂る子もいますが、夏場はその食べ方のせいで食中毒になったり、お腹を壊すこともあります。
食べなかったらすぐに食事を片付けるようにしましょう。また、一度開封した缶詰は冷蔵庫で保存するなど、保存方法にも気を使ってくださいね」(森先生)
3. 夏のお出かけで気をつけたいポイント
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夏休みなど、夏場はお出かけの機会も増えます。
「夏のお出かけで、まず気をつけたいことは、車中での暑さ対策です。エアコンの効いていない車中に犬猫を放置するのは絶対にダメなのは当然ですが、エアコンをつけている車中でも熱中症になることがあるので気をつけましょう。
犬猫を入れているケージは、熱がこもりやすく、車のエアコンをつけていてもケージの中だけ高温になっていることがあります。ケージの中の温度にも注意を払いましょう。お水も常時とれるようにしておいてくださいね」(森先生)
また、犬猫は慣れない環境では体調を崩しやすいもの。旅行などの場合には、疲れが出やすいことを念頭に入れ、無理なスケジュールを立てず、体調に変化がないかも気にしてあげましょう。旅行先で何かあった時のために、あらかじめ動物病院を探しておくことも大切です。
「乗り物酔いをしやすい子の場合、酔い止めのお薬もあります。獣医に相談してみてくださいね」(森先生)
森 美幸 獣医師
子供の頃から動物好きで、獣医師を目指し岐阜大学に進学。
念願の獣医師免許取得後、岐阜県・大阪府・兵庫県の動物病院に勤務。
診断業務に従事する中で、人とのコミュニケーションの共感を覚え、メディカルアロマアドバイザー、リンパリファインセラピストの資格を取得。
「やすらぎの森 ルーエ」を2014年に設立、ペットと飼い主さまのセラピーを提供。
現在、フリーランス獣医師として、東京都の動物病院にて診療。
また、しつけ教室、パピーパーティなども開催。
著者情報
UCHINOCO編集部
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