室内犬にとって快適な部屋・環境とは?
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犬は人間とは違う習性・特徴を持っているからこそ、飼い主は室内飼育をする場合、快適に犬が過ごせる環境を整えることが大切です。
一般的に「室内犬にとって快適な部屋」とは主に、適度に体を動かせられて、外からの刺激を受けにくい工夫が施されている環境を指します。
特に、犬は散歩などの運動を通してストレスを解消することが一般的なので、部屋が狭すぎるとストレスが溜まってしまうこともあります。
万一、集合住宅などで広いスペースを確保できない場合には、部屋全体を回遊できる動線を作れるように家具・インテリアの配置を考えることがおすすめです。
また、犬は光や人の気配、気温・室温の変化といったさまざまな刺激を受けやすい動物でもあります。
そのため、照明や空調の調整に加えて、周囲の音の環境などにもしっかり配慮してあげることが大切です。
【床材選び編】室内犬にやさしい部屋の作り方
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床は室内犬が長時間過ごす場所であるため、床材は快適性を大きく左右する重要なポイントといえます。
一般的に、犬は滑らないように、滑りやすい面でも肉球をグッと掴むグリップのようにして歩いています。
また、緩急のある動きをすることも多いことから、一般的なフローリングでは犬の体への負担が大きく、移動の際に滑ったり転倒したりすることもあります。
また、しっかりとしつけをしていても、犬がイタズラ・粗相などをしてしまい、床が傷ついたり汚れたりすることはよくあります。
そのため、室内犬にやさしい部屋づくりにおいては「滑りにくさ」「犬への負担が少ないか」「お手入れしやすいか」の3つの点に注目して床材を選ぶことが大切です。
ここからは、室内犬にやさしい床材選びにおいて、おすすめの床材とそれぞれの特徴について紹介します。
滑りにくさ・防音性を重視するなら「カーペット」
一般的なフローリングにありがちな、犬が移動中に滑りやすいといった点を手軽にカバーするなら「カーペット」がおすすめです。
厚みのある布・生地などで作られているカーペットを敷いておけば、犬もしっかり床を掴みながら歩けるので、移動中に滑りにくくなります。
また、生地の柔らかさと厚みによって防音性が高い傾向にあるのも特徴です。
集合住宅などで、ペットの足音が響くのが心配というときにも便利ですよ。
なかには「タイルカーペット」と呼ばれる、小さいカーペットをパズルのように敷き詰めて使うタイプもあります。
タイルカーペットであれば、汚れたり破れたりしたときにも一部分だけ張り替えられるので、犬がイタズラ・粗相をしたときにも安心ですね。
しかし、他の床材に比べると初期費用が高くなる傾向にあるのはデメリットと言えるでしょう。
また、布製のものが一般的であることから、汚れたり破れたりしやすく、こまめなお手入れ・交換が必要になるでしょう。
手入れのしやすさで選ぶなら「フロテックス」
お手入れのしやすさを重視して硬質の床材を選ぶなら「フロテックス」もおすすめです。
フロテックスとは、ペット可のホテルなどでも使われている床材で、カーペットとフローリングのそれぞれが持つメリットを兼ね備えているのが特徴です。
一般的なカーペットに比べて繊維の長さが短いうえ、密集しているため、汚れが床材の奥まで入りにくく、土砂や塵などの汚れが取れやすい傾向にあります。
また、防水性も高いことから、室内犬が万が一粗相をした際にもフローリングのようにサッと拭き取れます。
床材のデザインも豊富で、木目・タイル調といったように本物のような空間に見せることもできます。
扱いやすさだけでなく、空間や他の家具・インテリアの雰囲気に合わせて選びやすいのもメリットです。
その反面、機能性の高さから費用が高くなる傾向にあります。
加えて、シートタイプのフロテックスの場合、ペットが傷つけたときなどに一部分だけの交換・張り替えが困難という点もデメリットといえるでしょう。
犬の足腰への負担を考えるなら「クッションフロア」
犬の足腰への負担を考えるなら「クッションフロア」と呼ばれる床材がおすすめです。
塩化ビニール素材で作られたシート状の床材で、名前の通り高いクッション性を有しています。
そのため、走り回ったり飛び跳ねたりしたときの犬の体にかかる衝撃を和らげるとともに、転倒によるケガのリスクも軽減できるのがメリットです。
また、塩化ビニールは耐水性が高くて水をはじく素材であるため、犬が粗相をしても汚れをサッと拭き取るだけでお手入れが完了します。
しかし、クッションフロアは柔らかい素材でできているため、犬の爪で傷が付きやすい点はデメリットです。
【レイアウト編】室内犬にやさしい部屋の作り方
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室内犬にやさしい部屋づくりでは床材や家具の選び方だけでなく、部屋のレイアウトにも注意することが大切です。
レイアウトの仕方によっては、犬のケガ・健康トラブルにつながる可能性もあります。
ここからは、室内犬にやさしい部屋のレイアウトのポイントを紹介します。
犬のパーソナルスペースを作る
犬は縄張り意識が強い動物であるため、犬にやさしい部屋づくりでは「犬用のパーソナルスペース」を作ることが大切です。
室内犬がリラックスできるように、ケージやサークルで専用のハウスを作り、犬用ベッドなどを置いてあげるとよいでしょう。
また、犬専用のハウスを作る場所は、外からの刺激を受けにくい静かなエリアを選ぶことが大切です。
人の出入りが多い場所や光・音が届きやすい窓際に置くと、犬が興奮してしまい落ち着いて休めなくなります。
そのため、犬専用のハウスは窓から離すとともに、人通りの少ない場所に設置してあげましょう。
ソファ・ベッドにはステップを用意してあげよう
室内犬が過ごす部屋にソファや飼い主さん用のベッドを置く場合は、ステップを用意してあげることが大切です。
一般的なソファやベッドは人間に合わせた高さで作られているため、室内犬にとっては高すぎる傾向にあります。
犬は少々の高さであれば飛び乗り・飛び降りができるものの、移動の際の衝撃で足腰に負担がかかってしまいます。
特に小型犬は、他の犬種に比べて骨が細く弱い傾向にあるため、飛び乗り・飛び降りによって骨折してしまう危険性も!
そのため、ソファ・ベッドを設置する際には、犬の飛び乗り・飛び降りを防ぐためにステップやスロープなどを近くに置いておくと安全です。
家具の角は安全対策をしておく
タンスや棚などといった角が尖っている家具を置く場合は、犬のケガ防止のためにしっかり安全対策をしておきましょう。
犬はアクティブに動くことも多いため、遊んだり走ったりしている間に家具の角にぶつかってケガをしてしまう可能性もあります。
具体的には、家具の角にクッションシートを貼り付けたり、コーナーガードなどを取り付けるといった対策方法が挙げられます。
角にぶつかった際の衝撃を和らげることで、やんちゃな犬・視力が弱い犬のケガ防止にも役立ちますよ。
観葉植物は種類・設置場所に注意する
インテリアの一つとして、部屋に観葉植物を置く場合は種類や設置場所に注意しましょう。
観葉植物のなかには、部分的に毒性があり犬の健康リスクにつながるものも少なくありません。
毒性がなくても、大量に食べると嘔吐・下痢などの原因になる可能性があります。
そのため、部屋に観葉植物を置く場合は毒性のない種類を選ぶとともに、犬が誤食しないように、犬が近づけない場所に設置するようにしましょう。
入ってほしくない場所には「ゲート」を設置する
自宅の部屋のうち、犬に入ってほしくないエリアには「ゲート」を設置することも大切です。
特にキッチンや浴室などは、誤って犬が侵入すると誤飲や誤食をしたり、溺れたりといった危険性があります。
また、犬の性格や癖によっては玄関から脱走してしまうことも。
ゲートを設置しておけば、犬が自由に移動できるエリアを制限できるため、犬の侵入・脱走によるさまざまなトラブルや事故を未然に防げますよ。
危険なものは遠ざける・隠すのが基本
犬は室内にあるさまざまな物に興味を持ちます。
そのため、自宅にある危険なものは基本的に、犬の視界に入らないように遠ざけるか隠すことが大切です。
例えば、家電製品のコード類は犬が誤ってかじってしまう危険性があるため、コードカバーやボックスなどを使って隠すことをおすすめします。
他にもストーブなどの暖房器具は火傷の原因になりますし、ゴミ箱は誤飲・誤食につながる可能性があります。
そのため、ドア付きゲートやフェンスなどを使って、犬の手が届かないように遠ざけておきましょう。
【季節ごとの工夫編】室内犬にやさしい部屋の作り方
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犬は部屋の温度変化に敏感な動物です。
より快適に過ごせる部屋を作る際には、季節ごとに工夫を凝らすことが大切です。
ここからは、室内犬にやさしい部屋を作るための対応について、それぞれ解説します。
夏はエアコンをこまめに調節して熱中症リスクを下げよう
夏はエアコンの温度をこまめに調節するといった、熱中症リスクを下げられる工夫が必要です。
一般的に犬が快適に過ごせる室温は21~25℃とされています。
しかし、近年は猛暑・酷暑の日が多いため、エアコンで設定した室温と実際の部屋の温度が異なることもあります。
そのため、温湿度計をチェックし、適宜室温を調節することが大切です。
冬は電気を使わないグッズで寒さ対策
気温が低くなる冬シーズンには、電気を使わないグッズで寒さ対策をしましょう。
被毛が少ない種類をはじめ、犬のなかには寒さに弱い子もいます。
しかし、ストーブや電気毛布などを使っていると、犬が誤って加熱部に直接触れたり、コードをかじってしまったりする危険性があります。
また、飼い主さんの留守中や睡眠中などにつけっぱなしにしていると、火事のリスクも伴います。
そのため、保温素材の毛布や厚みのある犬用ベッドといった火や電気を使わない防寒グッズを使って、安全に愛犬の寒さ対策をしてあげましょう。
また、犬は人間のように体温調節ができないため、暑く感じたときにすぐ移動できるように、あえて涼しい場所も用意しておくことも大切です。
室内犬にやさしい部屋づくりにおすすめのアイテムを紹介!
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室内犬との暮らしではレイアウトに取り入れるアイテムにもこだわることで、より快適に過ごせる部屋づくりができるようになりますよ。
ここからは、室内犬にやさしい部屋づくりにおすすめのアイテムをいくつか紹介します。
室内犬にやさしい部屋づくりにおすすめのアイテム(1)PEPPY 拡張できるスチールゲート
室内犬の侵入・脱走を防げるペット用ゲートです。
頑丈なスチール素材を採用しており、イタズラ好きな犬が噛んでも壊れにくくなっています。
本体に別売りの拡張フレームを取り付けることで、玄関や廊下などの狭い場所から、キッチンやリビングなどの広い場所にも対応できます。
ゲート扉は片手でワンタッチ開閉が可能。
扉には90度で止まるストップ機能も搭載されているため、飼い主さんの移動もスムーズです。
90度未満の開閉時は自動で扉が閉まってロックがかかるので、扉を閉め忘れた際に犬がゲートから出てしまうのも防げます。
シンプルなカラーリングなので、さまざまな雰囲気の部屋にも調和しますよ。

室内犬にやさしい部屋づくりにおすすめのアイテム(2)ピタぺトモ タイルカーペット
足腰にやさしいふかふかな触り心地で、犬にとってストレスフリーな使用感にこだわったタイルカーペットです。
カーペットの裏側が吸着タイプになっており、設置時に床へぴったりくっつくので、室内犬が活発に動き回ったり、掃除機をかけたりした際にもズレません。
厚みがありクッション性も高い素材なので、シニア犬の足腰にもやさしい作りになっています。
汚れが付着した際にも部分的に洗濯できるので、犬が過ごす部屋を常にきれいにキープできるでしょう。

室内犬にやさしい部屋づくりにおすすめのアイテム(3)サンコー おくだけ吸着壁面汚れ防止シート
ペットのおしっこの飛び散りを防ぐ、壁用の汚れ防止シートです。
シートにはアンモニア消臭加工が施されているため、犬がトイレをした際の臭いが部屋に広がるのを防ぎます。
自由にカットができるので、犬用トイレスペースの広さや壁の形に合わせて柔軟に対応できます。
汚れたシートは手洗いができ、汚れても洗って繰り返し使えますよ!

部屋の環境を整えて、可愛い犬との生活を楽しみましょう!
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人間にとって過ごしやすい空間が、必ずしも犬にとっても快適という訳ではありません。
部屋に取り入れる床材やレイアウトなどにこだわることで、飼い主さんも犬も過ごしやすい空間をつくれるようになりますよ。
本記事で紹介した作り方やおすすめアイテムも参考にしながら、犬と快適に過ごせる部屋をつくりましょう。
・PEPPY 楽天市場(参照日:2025/7/18)
https://item.rakuten.co.jp/peppyshop/ra03515/
・Mat&Rug Factory 楽天市場(参照日:2025/7/18)
https://item.rakuten.co.jp/mat-rug/10003286/
・エイレネ 楽天市場(参照日:2025/7/18)
https://item.rakuten.co.jp/atelier-eirene/kabeseat1/
著者情報

西野由樹
生粋の犬好きなフリーランスWebライター。執筆のお供はコーヒーと愛犬のマルチーズ「こたろう」。
やんちゃな愛犬にちょっかいを出されつつ、今日も実体験・調査に基づいた執筆で、読んで楽しい記事づくりに勤しむ。