猫が飼い主のトイレについてくる理由
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まずは、猫が飼い主のトイレについてくる理由についてご説明します。
理由がわかれば、正しい対処もできるようになるはずです。
飼い主のことが大好きだから
トイレにまでついてくる猫は、飼い主のことが大好きなのでしょう。
大好きな人とずっといっしょにいたいというのは当然の考えで、猫は飼い主の行く先々でもいっしょに過ごしたいと考えているはずです。
しかし、トイレまでついてこられてもトイレの中に入れてあげることはできないため、飼い主としては困ってしまいます。
飼い主が視界にいるのが当然だから
完全室内飼いの猫にとって、飼い主は生活の中心です。
食事はもちろん、飼い主といっしょに寝る猫も多いでしょう。
そのため、飼い主がどこにいても、室内であれば視界に入れておきたいのです。
リビングはもちろん、寝室や書斎、トイレにまで猫がついてくる猫は、飼い主を視界に入れて安心したいという心理が読み取れます。
何かを期待しているから
猫は、過去に飼い主についていったときに良い経験をしたことがあるのかもしれません。
そのため、「飼い主についていったら、おやつがもらえるかも!」と期待していることが考えられます。
何かを要求しているから
猫は言葉を話すことができないため、飼い主についていくことで何かを要求している可能性があります。
「お腹がすいたから、早く食事がほしい」や、「トイレが汚いから、早く掃除してほしい」など、猫によって要求はさまざまです。
また、飼い主に構ってほしいときにも、猫は飼い主の行く先々をついて回ります。
子猫のような気持ちになっているから
猫にとって、飼い主は母親のような存在です。
当然ながら、猫が子猫のうちは母親のそばを離れることがありません。
猫は、頼りがいのある飼い主のことを母親のように考えて、子猫のような気持ちになっているのでしょう。
飼い主と離れることが不安だから
猫が過剰に飼い主の行く先々をついて回るときは、分離不安症を発症している可能性があります。
分離不安症については後述しますが、簡単に説明すると飼い主と離れることでパニックを起こし、問題行動をしてしまう精神的な病気です。
また、日頃から飼い主とのコミュニケーションが少なくて、ストレスを溜めていることも考えられるでしょう。
猫の分離不安症とは?
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あまりにも猫が飼い主の行く先々についてくるのは、分離不安症を疑う必要があるでしょう。
ここでは、猫の分離不安症について解説します。
猫の分離不安症の症状
分離不安症とは、飼い主と離れることでパニック状態になってしまう精神的な病気です。
飼い主のトイレについてくるのは問題ないですが、飼い主がトイレのドアを閉めると過剰に鳴いたりドアを引っかいたりするのは、分離不安症の疑いがあります。
分離不安症の症状としては、飼い主と離れることで家具やインテリアなどを破壊したり、粗相をしたりすることが挙げられます。
さまざまな問題行動を引き起こしてしまい、猫の大きなストレスにもなってしまうため、分離不安症は早めに対処しなければなりません。
猫を分離不安症にさせないためには?
猫を分離不安症にさせないためには、生活をする上で過剰に猫を構わないことが大切です。
外出時や帰宅時に、大袈裟に猫に構うことをやめましょう。
猫に構わずにあっさりと外出して、帰宅時にも手洗いやうがい、部屋着に着替えるなどをしてから猫を構うと良さそうです。
極端に言ってしまえば、猫に対する優先順位を低くすることです。
もちろん猫は大切な家族ですが、箱入り娘のように溺愛するのは猫のためにも避けなければなりません。
また、猫が留守番をするときに退屈をしないための工夫も必要です。
一度猫が分離不安症を発症すると改善することが難しいため、日頃から猫を分離不安症にさせないように気を付けましょう。
猫が飼い主のトイレについてくるときの対処方法
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最後に、猫が飼い主のトイレについてくるときの対処方法をご紹介します。
対処の仕方によっては、猫の分離不安症を進行させてしまう可能性もあるため、しっかりとチェックしておきましょう。
気にしない
猫がトイレまでついてきたとしても、いちいち気にしなくて良いでしょう。
愛猫に気にしてもらうことは飼い主としては内心嬉しいかもしれませんが、トイレに入るたびに「ちょっと待っててね」と声をかけて、トイレから出たら「お待たせ!」などと声をかけてしまうと、猫は分離不安症を発症してしまう可能性があります。
しかし、猫が怪我をしそうな場所にまでついてこようとすることがあるため、猫に入ってほしくない場所には柵などを設置することがおすすめです。
日頃から猫を構う
猫が飼い主とのコミュニケーションが少なくてストレスを溜めているのであれば、日頃から猫を構うことが大切です。
猫の気持ちが満たされれば、飼い主にトイレまでついていくことはしなくなるでしょう。
また、日頃から猫を構うことで、分離不安症の改善も期待できます。
猫のストーカー行為は気にしないようにしよう
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猫が飼い主のトイレにまでついてくるのは、さまざまな理由があります。
多くは「飼い主のことが大好きだから」という理由ですが、もしかしたら分離不安症を発症しており、飼い主と離れることに不安を感じている可能性もあるでしょう。
猫の分離不安症は、飼い主と離れることで大きなストレスを感じて、問題行動を起こしてしまう精神的な病気です。
分離不安症を放置するのは、ストレスによりほかの病気の原因にもなるためやめましょう。
大切なのは、日頃から猫をしっかりと構うことです。
猫の「飼い主といっしょに過ごしたい」という欲求を満たしてあげることで、猫は飼い主の行く先々をついて回ることはしなくなるでしょう。
著者情報
けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。