台風のとき愛犬が怖がる素振りをみせたら、飼い主はどのような反応をするのがよいでしょうか?台風シーズンが来るまでに予習として覚えておきましょう。
犬が台風を怖がる理由
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犬をはじめとする動物たちが台風を怖がるのは、本能として命の危険を感じ取るためだといわれています。
台風は大雨や暴風により甚大な被害を発生させる災害ですから、“恐怖心”という感情で自身の命を守るよう動物としての本能が訴えているのでしょう。
また、台風時は落雷などによる大きな音が頻繁に聞こえてきます。犬はとても聴覚に優れた動物ですので、普段あまり聞きなれない雷の音に対して恐怖心を抱くようです。
もちろん、すべての犬が台風を怖がるわけではなく個体や性格による違いがあるため、愛犬の様子を観察し、怖がっているようであれば飼い主がフォローしてあげるようにしましょう。
犬が台風を怖がっているときにみせる行動
犬が台風を怖がっているときにみせる行動をご紹介します。
愛犬がこのような行動を取っていたら、すぐに対処してあげましょう。
キョロキョロと周りを見渡す
人間もそうですが犬も不安の気持ちが強くなると、意味もなく周りをキョロキョロと見渡すような行動を取ります。
心が落ち着いていない状態なので、愛犬が安心できる環境を整えてあげましょう。
飼い主の後ろをついてくる
飼い主の後ろをついてくるのも、台風時に犬が恐怖心を抱いている証拠です。
いつも後ろをついてくるなど、分離不安症が疑われる症状でなければ一時的なものなので心配はありません。
足先を舐める
犬は不安やストレスが強くなると足先を舐めて心を落ち着かせようとします。
台風時だけでなく普段の生活においてもよくみられる行動です。足先にケガをしている場合も傷口を舐めるようなしぐさをみせるため、舐めている部分を確認するようにしましょう。
尻尾を足に巻き込む
犬は恐怖を感じていると、尻尾を足の間に巻き込むように下げるしぐさをみせます。
台風のとき以外にも、犬同士のケンカや飼い主に怒られたあとなどにみられます。断尾されている犬だと尻尾の状態がわかりにくいですが、恐怖心を抱いている犬は耳も同時に伏せているケースが多いので、そちらを確認してみましょう。
下痢や嘔吐などの体調不良
台風による強いストレスによって、下痢や嘔吐などの体調不良に陥る犬もいます。
台風が収まれば回復する傾向にありますが、下痢や嘔吐は脱水を引き起こす原因となるため、愛犬の様子を細かく観察するようにしましょう。
愛犬が台風を怖がっているときに飼い主ができること
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台風時、飼い主が愛犬にしてあげられることを解説します。
これからの台風シーズンに向けて事前に準備しておきましょう。
犬を室内に入れる(外飼いの場合)
犬を外で飼っている場合には必ず室内へ避難させます。
台風がきているのに犬を出したままにすると、猛烈な強風によって犬がケガをする、雨風にさらされて風邪を引くなど、犬の健康を脅かす可能性が極めて高いです。
飛来物によっては愛犬の命を脅かす恐れもあります。台風時にできる最低限の対策として忘れず実行しましょう。
リラックスできる場所を室内に作る
室内にリラックスして休める場所を作ってあげることで、愛犬の恐怖心を和らげることができます。
飼い主や家族の姿がすぐに確認できる場所がおすすめです。最適な場所がみつかったら、そこにタオルなどを敷いた簡易的な寝床を作ってあげます。
台風の到来予想は天気予報で確認できるため、天候が荒れる前に準備しておきましょう。
音楽を流す
犬が外の音を気にしている様子であれば、リラックスできる音楽を流してみましょう。
犬はとても聴覚に優れているため、外からの音を紛らわすという意味でも効果的です。どんな音楽を流したらいいのかわからないという方は、テレビやラジオなどでも問題ありません。
お気に入りのおもちゃを用意する
台風で恐怖心を抱いている犬はちょっとしたことでパニックを引き起こす場合があります。
いつも遊んでいるお気に入りのおもちゃをすぐ取り出せるよう準備しておけば、犬の注意をそちらに向けられます。
おもちゃだけでなく、大好きなおやつなどを用いてもよいでしょう。
台風時の散歩はどうしたらいいの?
「台風時に愛犬を散歩に連れて行ってもよいのか?」多くの飼い主さんが悩むところだと思います。
台風時の散歩はいつもと環境が異なります。同じ散歩コースだとしても、暴風により木々が散乱しているかもしれませんし、あなたや愛犬を目掛けて飛来物がぶつかってくるかもしれません。
「少し晴れてきたから散歩に行ってもいいか」と甘く考えてしまうと、飼い主と犬の双方にケガのリスクがあることを認識しておきましょう。
とはいえ、散歩中などの室外でないとトイレをしない犬もいると思います。
その場合は、自宅に犬を放し飼いできるほどの庭があればそこで排せつさせ、マンションなど広い庭がないのであれば、雨風が弱まったタイミングで少しだけ外に連れ出すようにしてください。
可能であれば、室内でトイレができるよう事前にしつけておくのがおすすめです。
台風時は愛犬の気持ちを考えた行動を!
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多くの犬は動物としての本能から台風を怖がる傾向にあります。
「ちょっと怖そうにしているな」と感じたら、できるだけ速やかに愛犬の気持ちに寄り添った対応を取りましょう。
愛犬がリラックスして台風が去るまでの時間を過ごせるよう、飼い主としてできることをしてあげましょうね!
著者情報
U.SHOHEI
父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。
現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。
得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。