【犬の正しい怒り方】犬を叱る際の適切な方法&してはいけない怒り方

愛犬がいたずらをしたときなど、叱る場面がときどきあると思います。しかし、叱り方を間違えると愛犬にマイナスな影響を与える恐れがあるのを知っていますか?そこで今回は、犬の正しい怒り方に焦点を当て、適切な怒り方と飼い主がしてはいけない行動について解説します。 2022年05月29日作成

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愛犬を叱る際、正しい怒り方ができているでしょうか?悪い叱り方は犬に悪影響を及ぼす恐れがあることを理解したうえで、正しい方法や認識を身につけましょう。

【愛犬を叱る前に知っておいて】犬と人間に主従関係はない

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まず理解しておかなければならないのが、愛犬を叱るという行為は同じ問題行動を起こさないよう注意する、いわゆる“しつけ”の一種です。

これまでしつけというと、飼い主と犬との間に主従関係を形成し、そのパワーバランスによって行動を制限させる方法が主流となっていました。

しかし、これまで通説となっていた主従関係の構図は、犬の祖先にあたるオオカミを例としたものです。また、この際に参考とされたオオカミは動物園や保護施設で管理された個体であり、生活環境も野生下と異なっています。

その影響からか、管理されたオオカミの群れでは個体同士に主従関係が構築されるようになりました。その姿から、「オオカミは犬の祖先にあたる。そのオオカミが主従関係を形成するのであれば犬も同じだろう」という認識が広まっていったのです。

しかし昨今の研究により、野生のオオカミや野犬の群れにおいて、個体間の絶対的な主従関係は存在せず明確な序列は決まっていないとする説が有力です。

そのことから、人間と犬の間に主従関係は不要であり、人間が犬を保護者のような立場で見守り育てるべきだとする、“母子関係”の形成が重要との考えが現在の通説となっています。

犬を叱るときのポイントとは?

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犬を叱る際の正しい方法をいくつかご紹介します。
愛犬がいたずらしたときなどに活用してみてください!

いたずらをしたらすぐに叱る 

犬を叱る際は、問題行動を起こした直後でなければいけません。

犬は人間のように優れた記憶力を持っていません。そのことから、数時間前にした問題行動を注意されても、どうして叱られているのか理解できないのです。

そのため、愛犬がいたずらなどの問題行動をした場合は、できるだけすぐに叱るよう心がけましょう。

犬が理解できる単語で叱る 

怒りに任せた説教を長々としていても、そのすべてを犬が理解するのは難しいです。

犬を叱る際は「コラ!」「ダメ!」など、短くて犬が理解しやすい単語を用いるようにします。

短い単語で叱ることで、「いま怒られているんだ」と犬が認識するようになります。愛犬をしつける際に活用してみてください。

声をかけず無視する 

犬がいたずらなどの問題行動を起こす原因には、飼い主に構ってほしい・遊んでほしいという気持ちがあります。

そのため、愛犬の行動に対して過度に反応すると「飼い主さんが構ってくれた」と間違った認識を犬に与えます。

いたずらによって部屋が散らかされた場合は、行動直後であれば短い単語で叱る、時間がたっているときは黙々と片づけるようにしましょう。

何度でも叱る覚悟を持つ 

一度叱っただけでは何がいけなかったのか犬は理解できません。そのため、飼い主には何度でも愛犬を叱る覚悟が必要です。

タイミングや愛犬が問題行動を起こす原因を考えたうえで、感情に任せず叱るようにしましょう。

叱ったあとは褒めてあげる 

叱られたあとは犬も気持ちが沈んでいます。そのため、遊んであげるときなどはいつも以上に愛犬を褒めてあげるようにしましょう。

犬を褒めるときは少し高い声でいつもより大げさなぐらいにし、お気に入りのおもちゃやおやつを与えるなど、愛犬が思わず嬉しくなるような工夫を飼い主がしてあげましょう。

犬を叱るときにしてはいけないこと

犬を叱るときに飼い主がしてはいけないことを解説します。
これらの点に気をつけたうえで愛犬を叱りましょう。

名前を呼びながら叱らない 

犬は自身の体験したことを、その際に聞こえた音声を記憶したうえで理解しています。
そのため、名前を呼びながら叱ると「名前を呼ばれる=怒られる」と認識してしまい、犬が委縮する原因となります。

叱るときは名前を呼ばずに声掛けのみで行うようにして、褒めるときにたくさん名前を呼んであげるようにしましょう。

マズル(口吻)を掴まない 

マズルを掴む方法で犬を叱ると、飼い主が愛犬の口元に手を持っていくだけで恐怖を感じるようになります。

これまでの古い叱り方ではマズルを掴むという行為が推奨されていましたが、犬に恐怖心やストレスを与えてしまう方法であるため、現在では良くないとされています。

あまりの恐怖心から咄嗟に飼い主の手を噛んでしまう犬もいるため、飼い主と犬の双方を守るためにも、マズルは掴まないようにしましょう。

犬の体を叩く 

言うまでもないことですが、しつけをするうえで犬の体を叩く必要はありません。

先述したように、犬と人間との間には主従関係ではなく母子関係の構築が必要です。

そのことから、体罰による恐怖を用いた方法ではなく、犬と飼い主が信頼関係をうまく作り、時間をかけて愛犬に物事の良し悪しを理解させなくてはいけません。

長々と叱らない 

長々と説教をしても犬はそのすべてを理解できません。逆になぜ怒られているのかを理解できず、ストレスから恐怖心や不安を抱くきっかけとなります。

過度なストレスは犬の体調不良を引き起こす原因にもなるため、愛犬を叱るときは短時間でスパッと終わらせるようにしてください。

犬を叱るときは正しい方法で行うことが大切

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犬が問題行動を起こすのには必ず原因があります。しつけのために叱るのもよいですが、まずはなぜ愛犬がそのような行動を取ったのか考えるようにしてください。

そうすることで、これまで見えていなかった愛犬の気持ちが理解でき、より適切な怒り方ができるようになるはずです。

良し悪しの区別ができるようになるまで時間はかかりますが、正しい叱り方で気長に付き合ってあげてくださいね。

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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