【猫の愛情表現】猫が飼い主にみせる愛情行動を解説します

「猫は自由気ままな性格だから犬のように人には懐かない」と聞いたことはありませんか?しかし、普段から愛猫と生活している飼い主さんはこの話に疑問を持つはずです。そこで今回は、猫が大好きな飼い主にみせる愛情行動について解説します。 2022年04月12日作成

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猫が飼い主にみせる愛情行動にはどういったものがあるでしょうか?愛猫が日々みせてくれる行動の意味をこの機会に理解しましょう。

そもそも猫は人に懐く動物なのか? 

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「猫は犬のように飼い主に忠実な性格ではないから人に懐きにくい」といわれることがあります。

しかし、2019年にアメリカの学術誌に掲載された実験結果によって、この説に異論が唱えられました。

【実験内容】
① 飼い主とともに猫を普段とは異なる部屋で2分間待機させる。
  床にはテープで円が描かれており、そのなかに猫が入ってきたときだけ飼い主は触れることができる。
② 2分間同室で待機させたあと、飼い主のみ部屋から2分間退出。
③ 飼い主が部屋に戻り、円のなかに再度座ったときの猫の行動を観察する

この実験では猫の持つ「愛着行動」にスポットがあてられており、愛着行動には以下2つのパターンがあると定義されています。
【愛着行動の種類】
◇安全の愛着
普段と異なる状況下であっても、飼い主と一緒であれば周辺の探索行動を取る
◇不安の愛着
飼い主にまとわりつく、飼い主からあえて遠ざかろうとする、などのストレス行動

実験の結果、約65%の猫が安全の愛着行動を、残りの約35%が不安の愛着行動を示しました。

この数値は犬に対して実施された同様の実験と比較すると、わずかながら安全の愛着に関しての数値が高くなっています。このことから、猫は犬以上に飼い主へ対する絆や安心を感じやすい動物なのではないかと考えられています。

猫が飼い主にみせる愛情行動とは? 

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猫が飼い主にみせる愛情行動にはどういったものがあるでしょうか?愛猫がみせる普段の行動を思い返してみましょう。

体をすり寄せる 

猫が体をすり寄せるのは、自身のニオイを残すためだと考えられます。つまり、マーキングの一種です。

猫はナワバリ意識が強い動物ですから、飼い主に対ニオイをつけることで、「この人(飼い主)はボクのものだ!」と主張しています。

「飼い主さんを取られたくない!」という気持ちのあらわれともいえるでしょう。

おなかをみせる 

動物にとっておなかは急所にあたる部分です。そのため、野生下で生活する動物たちは、親しい関係にある群れの仲間など、限られた相手にしかおなかをみせません。

このことから、家庭で飼育されている猫がおなかをみせる行動は、飼い主に対する愛情や信頼の証だと考えられます。

おなかをみせる、触られるのを警戒する猫もいるため、個体による性格の違いに注意しましょう。

ふみふみする 

ふみふみとは、猫が前脚を使って飼い主の体や床などを押す行動を指します。この行動は、母猫から母乳をもらう際にしていたもので、成猫になってからもその名残が残っている猫も多いです。

ふみふみには、猫が自身を落ち着かせるリラックス効果があるといわれています。そのため、飼い主に対してふみふみするようであれば、母猫と一緒にいるような安心感を持っていると考えてもよいでしょう。

また、ふみふみは甘えているときにもみられる行動ですから、愛猫がふみふみしてきたら遊んであげるとよいでしょう。

一緒に寝ようとする 

猫が飼い主と一緒に寝ようとする理由はいくつかありますが、そのなかのひとつが飼い主に対する愛情や信頼からきているとする説です。

一説には猫の寝る位置が飼い主の頭に近いほど信頼度が高いといわれています。しかし、寒がりな猫は暖かいおなかの部分、独立心の強い猫は足元など、個体の性格や特性によって異なるため一概にはいえません。

贈り物を持ってくる 

猫は昆虫や小動物を捕まえて飼い主のもとに持ってくることがあります。この行動の理由にもいくつかの説があり、そのひとつが「安心できる場所に獲物を置いておこう」という心理が働いているとする説です。

猫にとって飼い主は信頼できる存在です。そのため、仕留めた獲物を飼い主のいる安全な場所に置いておこうと考えています。

猫が持つ狩りの本能を抑えることはできません。愛猫が狩り以外でストレスを発散できるよう、動き回るオモチャや運動量を増やすためにキャットタワーを設置するなどの工夫をしましょう。

サイレントニャー

サイレントニャーとは、猫が声を出さずにニャーと鳴き声をあげる行動を指します。人間には聞き取れない周波数で鳴いているため、はじめてその姿をみる飼い主はビックリすることもあるようです。

この行動は、子猫のとき母猫に対して甘える際に用いられていたものであり、成長してからもよくみられます。

飼い主に対してサイレントニャーをするのは、母猫と同じように信頼している気持ちをあらわしています。

もしかして嫌われている?猫が嫌いな相手にする行動 

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猫が好きな相手にする行動はわかりました。では、嫌いな相手にはどういった行動を取るのでしょうか?いくかの行動パターンをみていきましょう。

逃げる 

猫に限らず動物の多くは、嫌いな相手が近づこうとすると逃げる素振りをみせます。とくに猫は警戒心の強い動物であるため過敏な反応を取ります。

無視する 

猫は飼い主など好きな相手から名前を呼ばれると喜んで近づいていきますが、嫌いな相手に対してはそっぽを向いて無視することも珍しくありません。

単に聞こえていないだけかもしれませんが、猫に呼びかけても反応がないときは無理に近づこうとするのはやめましょう。

威嚇する 

猫が姿勢を低くして全身の毛を逆立てているときは、相手を敵視し威嚇している証拠です。初対面や嫌いな相手を威嚇する猫は多く、この際「シャー」と声をあげているようであれば、攻撃性が増しているため刺激しないようにしましょう。

しっぽをブンブン早く動かす 

猫がしっぽをブンブンと早く動かす理由にはさまざまな説があり、そのひとつが「イライラ」をあらわしているというものです。

犬は好意のある相手にしっぽを振って感情を表現するため、猫もそうだと思っている方がいます。しかし、猫がしっぽを素早く振っている場合は、興奮状態にあるか機嫌が悪いときなので犬との違いとして覚えておきましょう。

猫はたくさんの愛情をあたえてくれる 

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猫は人間のように言葉を話せないため、行動によって飼い主への愛情を伝えてきます。

愛猫がみせる何気ない行動のなかに愛情がたくさん詰まっていることをしっかりと理解し、これからもたくさんの愛を受け止めていきましょう。

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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