猫の上下関係はどう決まる?飼い主との関係・猫同士の関係について

人間と同じように、猫の世界にも上下関係があるような気がする、という人は多いのではないでしょうか。猫同士の関係はもちろんですが、飼い主との関係も知りたいところ。ここでは、猫の上下関係について、どう決まるのかなどもあわせてご紹介します。 2022年03月14日作成

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猫は上下関係がはっきりとしない動物

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野良猫の社会ではボス猫が、多頭飼育の家庭ではケンカの強い猫が他の猫との上下関係を際立たせているように思えることがありますよね。しかし実際のところ、猫の社会では上下関係がぼんやりと曖昧で、あまりはっきりとしていないという意見が多いです。

もともと、猫は単独で行動する動物ですから、他の猫との上下関係がなかったり、曖昧だったりするのは自然なことかもしれません。ただ、複数の猫が同じ場所にいると上下関係があるように見えるのも事実。

飼い猫など、ともに暮らす猫の場合は、ぼんやりとでも上下関係ができることもあるようで、どちらかと言えば、猫同士がお互いに快適に暮らすためのものであるという意味合いが大きいようです。

猫の上下関係は人間の上下関係とは全く違う

猫社会での上下関係は、人間が築く上下関係とは全く違うものであると認識した方が良さそうです。なんとなく、上下関係があるように見えても、弱い立場だと思っていた猫が他の猫に無邪気にちょっかいを出したりすることはよくあります。

猫の関係性を表す言葉とその意味

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猫の関係性は、上下関係以外にも、言い表せる言葉があります。自分が普段から接している猫達が、どの関係性に近いのか確認してみましょう。

親和関係

とても仲が良く、一緒に過ごす時間が長い猫同士であれば、親和関係と呼べるでしょう。親和関係にあると、一緒にくっついて眠る、お互いにグルーミングをする、体を擦り付けあう、じゃれあうなどの行動が見られます。

敵対関係

親和関係とは真反対にある関係性です。よく威嚇し合い、一触即発の状態になったり、本気でケンカをしたりするような、注意が必要な状態にあります。じゃれあいとは言えないほど強い力で噛んだり引っ掻いたりするため、ケガにつながることもあるでしょう。

上下関係

特別に仲が良かったり悪かったりすることのない、なんとなく距離感がありつつも穏やかな状態を保っている関係性の場合、上下関係が発生していることもあるようです。激しいケンカまでには発展しない、追いかけや軽めの攻撃、威嚇などが見られることもあります。

飼い主との関係性は上下関係とは違う?

もしかすると、猫の飼い主さんの中には、自分と猫の上下関係を気にしている方がいるかもしれませんね。特に、あまり懐いていないと感じる場合や、言うことを聞かない、攻撃されることがあるなどの経験をしている方はそのように感じるのではないでしょうか。

猫は人間に対しては好き嫌いで判断することが多い

猫と飼い主の関係性の場合、上下関係というよりは好き嫌いによって接し方が変わるという考えが一般的です。主従関係や上下関係がはっきりとしているというよりは、猫が飼い主に対してどう思っているか、という問題に近いと言えます。

お世話をよくしてくれる飼い主に対しては、母猫に子猫が甘えるような感覚で、一緒にくつろいだり何らかの要求をしてきます。一方、普段接する機会の少ない家族にはそっけなく振る舞ったりして、優先順位をつけているような感じです。

また、あまり触ってほしくないのにしつこく触ってくるなど、嫌な印象のある飼い主には近付こうとしないかもしれません。結局のところ、ご飯を用意してくれる、トイレの掃除をしてくれる、遊んで欲しい時に構ってくれるなど、猫にとってメリットの大きい家族の優先順位が上がるのは、仕方のないことかもしれませんね。

猫同士が敵対関係にありケンカをしてしまう場合は

猫の上下関係が気になる、という飼い主さんの中には、多頭飼育で猫同士の関係性に不安を感じている方もいるかもしれません。猫同士の仲が悪くて、出くわせばケンカをしてしまう、ケンカの程度がひどくてケガが心配、などの悩みもあるのではないでしょうか。

もし、猫が同じ空間にいることでお互いの存在がストレスになるようであれば、生活をする部屋を分けるなどの対処が必要です。ケガをして取り返しのつかない状態になってしまう前に、トラブルを回避できる方法をとりましょう。

これから多頭飼育をする場合は以下のポイントを守って

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猫の多頭飼育をしようと考えている方は、以下のポイントを守ってお迎えされることをおすすめします。

先住猫へのお世話の順番を意識する

先住猫がいて、後からさらに猫をお迎えするときは、お世話の順番を意識して対応しましょう。猫は、縄張りを守る動物です。きっと、新しい猫が家族に迎えられたことで、先住猫にとっては大きなストレスを感じるはずです。

先住猫がその存在に慣れるまでは、後にお迎えした猫をケージに入れた状態で少しずつ慣らしていくなどの配慮が必要です。もちろん、これはどちらか一方をないがしろにする、という意味ではありません。あくまでもお世話の順番の話です。猫同士の関係性が良くなったら、中立的な立場で接しましょう。

また、食事をあげたり遊んであげたりする際は、先住猫から行うことを意識して接しましょう。こうすることで、後からきた猫は何となく先住猫の存在を尊重し、お互いに良い距離感が保ちやすくなります。

猫同士の関係性をよく観察して

派手なケンカに発展しなくても、どちらか一方が威圧的になるなどで猫がストレスを感じている場合、ストレスへの対処が必要です。タイミングによってはこれから仲良くなることも考えられるため見極めが難しいかもしれませんが、食欲がなかったりトイレの頻度に明らかな変化が見られたりするようであれば要注意です。

普段過ごす部屋を分けることや、接する時間を少しずつ増やすなどの対処をしながら、その後の関係性を注意深く把握していきましょう。

猫の上下関係が気になるときはストレスがないか見極めて

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多頭飼育をしている家庭では、どちらが強い・弱いといった力関係が多少は見られることが多いです。ただ、猫同士がストレスなく普段は仲良く過ごしているのであれば問題にしなくても大丈夫です。しかし、弱い立場にある猫が常にオドオドしたり一方的に攻撃されたりするようであれば、対処が必要になってきます。

猫は、犬のようにはっきりしとした主従関係や上下関係は必要ありません。飼い主さんは、きちんとお世話をしてあげることが仲良くなる一番のポイントです。

著者情報

こば

小さな頃から保護された犬や猫を迎えて生活。現在は黒猫の「ジジ」に翻弄されながら、発見と感動の毎日を送っています。
実体験を振り返りつつ、飼い主さんの役に立つような情報を分かりやすく記事にすることを目標にしています。

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