犬のジャンプが危険だとされる理由はさまざまです。かわいいだけでは片付けられない問題点をしっかりと理解し、愛犬のしつけに役立ててください!
犬がジャンプする理由
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犬がジャンプする理由として以下のものが考えられます。
① 興奮状態のとき
犬は興奮状態にあるとジャンプする傾向があります。
人間も興奮状態にあると体がウズウズしてきますよね?
犬は気持ちを言葉で伝えられないため、ジャンプなどの行動によって表現しているようです。
② 飼い主に何かを要求しているとき
飼い主さんに対して「かまってほしい」「ご飯が食べたい」などを要求する際にジャンプしています。
犬にエサをあたえるため準備をしていると、嬉しさのあまりジャンプしている光景を見たことはありませんか?
この場合は、「はやくご飯ちょうだい!」と飼い主さんに要求していると考えられます。
③ 注目してほしいとき
飼い主がほかのことに集中していると、自分のことを見てほしいという気持ちからジャンプすることがあります。
習慣化すると、「ジャンプしたら飼い主さんが振り向いてくれる」と誤った認識を犬が持ってしまうため、かまってあげる場合でも反応を薄くする、または無視するようにしたほうがよいでしょう。
④ 嬉しいとき
飼い主さんやほかの犬と遊んでいるときなど、犬は嬉しいと感じたときにジャンプします。
飼い主さんが帰宅した際にジャンプして出迎える犬がいますが、あれは「やっと帰ってきた!嬉しい!」という感情から行っていると考えられます。
⑤ 挨拶
飼い主やほかの犬に対する挨拶の一環としてジャンプします。
人間に対し行うことが多く、目線を人間と同じ高さにあわせるためジャンプしているのではないかといわれています。
⑥ 威嚇
犬は攻撃性が高まっているときもジャンプします。
歯をむき出しにしながら「ウー」とうなり声をあげているときは特に注意が必要です。
犬がそれ以上興奮しないよう、落ち着きを取り戻すまでそっとしておきましょう。
犬がジャンプしやすい場面は?
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犬が思わずジャンプしてしまうのはどんなときでしょうか?
さきほど紹介したジャンプする理由にも通じるところがあるので、愛犬の行動と照らし合わせてみてください。
① 散歩のとき
散歩の途中でおもしろい物をみつけたときなどに犬はジャンプします。
散歩は犬がストレスを発散できる楽しい時間です。加えて飼い主さんと一緒にお出かけできる嬉しさもありジャンプしてしまうようです。
② 物を取ろうとしているとき
テーブルや棚などの高いところにある物を取ろうとしているときも犬はジャンプします。
ジャンプのはずみでケガをする恐れがありますから、お気に入りのおもちゃやおやつをしまう場所にはくれぐれも注意しましょう。
また、日頃から人間の食べ物をあたえていたりすると、テーブルの上にあるものを自分のご飯だと勘違いします。人間用の食品は塩分や糖分が多いので、愛犬の健康を守る観点からもあたえないように心がけましょう。
③ ケージから逃げようとしているとき
屋根がついていないケージだと、外に出るためにジャンプする犬がとても多いです。
著者の経験談として、「今まで問題がなかったのに、いきなりケージを飛び越えてきた」なんてことはよくあります。
犬の脱走防止は飼い主の義務となっていますから、「急にケージを飛び越えて逃げてしまった」ということがないように注意しましょう。
犬のジャンプは危険?どんな問題があるの?
犬のジャンプには危険がつきものです。
具体的にどのような問題があるのか見ていきましょう。
① ケガ
ジャンプしたはずみで足を滑らせてしまい、捻挫や脱臼、骨折といったケガを負う可能性があります。
フローリングなどのツルツルとした場所はケガが発生しやすいので、滑り止めのマットを敷くなど対策を講じましょう。
② 椎間板ヘルニアなどの病気
日頃からジャンプを続けていると、椎間板ヘルニアや関節炎などの病気を発症する恐れがあります。
椎間板ヘルニアはダックスフントやプードル、ペキニーズなどの犬種に多い病気です。
背中の激痛や後ろ脚の麻痺が症状としてあらわれ、術後の経過によっては車いすを使用した生活が必要となります。
③ 人にケガをさせてしまう
飼い主はもちろんですが、それほかの人にもケガをさせてしまう危険性があります。
中型犬や大型犬がジャンプのはずみで飛びつくと、子供や女性は倒されてしまうかもしれません。
訴訟などのトラブルに発展する恐れがあるため、事前のしつけが大切となります。
犬のジャンプをやめさせる方法は?
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犬のジャンプをやめさせる方法には、しつけと飼育環境の2つがあります。
【しつけ】
・飛びついてきても無視する(体をひねって背中をみせる)
・興奮状態になったら「お座り」や「伏せ」などのコマンドで落ち着かせる
・つかまり立ちをさせない
・エサやおかしは低い位置であたえる
・不要なジャンプをしたときはすぐに注意する(あとから注意しても犬は理解できない)
【飼育環境】
・屋根のついたケージに入れる
・犬の手が届く棚の上などにエサやおかしを置かない
・人間用の食品をあたえない(テーブルなどへのつかまり立ち予防)
このほかにも、愛犬の行動をよく観察したうえで、ソファやテーブルなどの配置換えを検討するのも効果的です。
愛犬がジャンプできる環境は飼い主が整えてあげましょう
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犬のジャンプにはケガや病気、人間への危害などの問題点があります。
ですから、事前のしつけや飼育環境の整備によって、ジャンプの習慣を極力減らす努力が飼い主には求められます。
しかし、愛犬に絶対ジャンプをさせないというのは難しいことです。
そのため、できる限りのケガや病気の予防、他者への配慮を飼い主として忘れないようしてください。
愛犬に過度なストレスがかかるようなしつけにならないよう気を付けながら、時間をかけてジャンプのクセを克服していきましょう!
著者情報
U.SHOHEI
父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。
現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。
得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。