猫の特性・環境の変化を嫌う理由は?
出典元:http://gahag.net/
猫は野生のころから、団体行動ではなく、1人で行動する生き物でした。狩る獲物がネズミや小鳥などの小動物であったため、1人で行動するほうが狩りをしやすかったことにあります。
そのため、もともと行動範囲が狭く、新しい環境へとびこむことが少ない動物だということがわかっています。猫は住空間へ何かが突然入ってきたり、すみか自体が変化してしまうことをとても嫌います。飼い主ではなく、環境になつくので、自分が暮らしている環境をとても大切にしており、環境の変化を極端に嫌います。
家に来客などがあると、猫は不安な気持ちになります。
「テリトリーに勝手に入られた!」と考えるのです。
コミュニケーションを取る上で、猫にとってニオイが非常に重要な役割を果たしています。そのため、知らないニオイに囲まれる引っ越しなどは、猫に大きな不安を与えます。新しい環境へ行くと尿をスプレーしたり、フェロモンを擦り付けたりするのは、自分のニオイで満たして、精神的に落ち着こうとしているのです。
猫にとっての不安材料
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猫にとって本当につらいのは「飼い主が不在になる状況」より「環境が変わってしまう状況」です。慣れた環境さえあれば、少々飼い主が不在でも、寂しがらずに生活できます。
環境が変わることで、トイレや食事をする場所、寝る場所などもう一度把握しなければならず、猫はびっくりしてしまいます。
引っ越しだけではなく、模様替えや家具の新調も、猫にとっては環境の変化です。
家周辺の工事などで、大きな音がする場合も、ストレスを感じます。猫には、人間の約10倍の音量で聞こえると言われています。「うるさい!」と感じてしまっても仕方ありません。
猫のストレス、症状・行動
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猫がストレスを感じはじめると、「食事」「排せつ」「毛づくろい」に変化が現れることが多いです。
「食欲がなくなる」「食べ物ではないものを食べる」
「トイレの回数が増える」「便秘や下痢をする」「トイレ以外の場所で粗相をする」
「毛なみを長時間しつこくなめる」「毛づくろいをしなくなり、浮き毛が目立つ」
などです。
周囲の環境が変わると、ひどい場合は家出してしまうこともあります。前にも書きましたが猫には「環境の変化を嫌う」という習性がありますので、飼い主としては充分な配慮が必要です。慣れてくれれば問題はありませんが、それまではストレスを感じていると思って気を付けてください。
「食事を取らない」「便秘や下痢をする」などの症状が続くときは、猫の衰弱が激しくなっている可能性が高いです。ストレスは様々な病気の元となるので、動物病院を受診し獣医師の指示を仰いでください。
猫のストレス解消法
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猫のストレスを取り除くためには、猫の嫌いな刺激を少なくして、繰り返さないようにしてあげましょう。猫は音やニオイなどの刺激に恐怖心や嫌悪感を抱き、ストレスを抱えてしまいます。
猫にかかるストレスを考えるとできれば引っ越しは避けたいところです。でも止むを得ない場合は、ストレスが最小限ですむように工夫しましょう。
猫をキャリーバッグに入れて静かな場所に移動させてから、引っ越し作業を始める。風呂場は音が伝わりにくく、粗相をした時も掃除しやすいのでおすすめです。
キャリーバッグに入れての移動は、猫にとって大きなストレスとなります。移動の間ずっと鳴いていたり、キャリー内で漏らしてしまう猫も少なくありません。
キャリーバッグの窓は風呂敷などでふさいで、外の情報が見えないようにしてあげましょう。キャリーバッグの下に、いつも使用している座布団やタオルを入れてあげると良いでしょう。自分のニオイがあると、落ち着きます。
引っ越しや猫が家に来たばかりの場合は、自分と別のニオイがするため、なかなか落ち着きません。なるべく猫のニオイがするものを近くに置いて、様子をみましょう。
数日で落ち着いてきますが、自分のニオイがして落ち着いて隠れたり、休めたりする場所を作ってあげるとよりいいでしょう。
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UCHINOCO編集部
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