健康なメスの犬であれば必ずやってくるのが「生理」
「ヒート」と呼ぶこともあります。
生後何か月頃から生理がはじまるのか、生理中はどう過ごしたらいいのか。
犬の生理とうまく付き合っていくためにも、生理についての知識を深めましょう。
生理はいつから始まるの?生理周期と期間
犬種や大きさによって個体差はあるものの、大体生後6ヵ月ほどで初めての生理を迎えます。小型犬であれば、早くて4~5か月で生理を迎えることもありますし、大型犬であれば1年を過ぎてからという事もあるので、心の準備をしておきましょう。
初めての生理を迎えた後は、大体1年に2回(半年に1回)のペースで生理がきます。犬には閉経がないと言われていますので、避妊をするまで一生続きます。
避妊をしていないのに生理が来ない、周期が不安定という事があれば、子宮や卵巣の病気の可能性もあるので、動物病院への受診をお勧めします。
1回の生理期間は2~3週間ほどです。
犬は人間と違って、生理中に交配をし妊娠します。
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生理になるとこんな兆候がみられる
犬も人間と同じように、生理になるとホルモンバランスが崩れ、身体的にも精神的にも不安定になります。
では、それぞれどのような兆候がみられるのでしょうか?
1.身体的な変化
生理が始まる少し前から陰部が腫れあがり、やがて出血が始まります。
また乳腺が刺激され、乳房が腫れることもあります。
おしっこの回数が増えることもありますので、おトイレのタイミングには注意が必要です。
2.精神的な変化
食欲が落ちることがあります。生理が終われば自然に回復してきますので、さほど心配することもありませんが、あまりにも絶食状態であったり体重が落ちてしまうようであれば動物病院へ相談するのが良いと思います。
また、ソワソワして落ち着きがなかったり、怒りっぽくなったりすることもあります。
生理による変化なのか、体調不良なのかの見極めが必要な期間になります。生理だと思っていたといって、体調不良を放置するような事がないように、十分注意しましょう。
過ごし方と気を付けること
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小型犬であれば、出血量も少なく自分で舐めてしまうというケースも珍しくありません。ですが、ほとんどの場合快適に過ごすために、おむつやパンツが必要になります。
ペットショップやホームセンターに、様々なサイズのおむつやパンツが販売されていますので、胴回りなどを測ってから買いに行くと良いでしょう。
おむつやパンツも、長時間つけっぱなしでは陰部がかぶれてしまったり皮膚病の原因ともなるので、こまめに取り換え清潔な状態を保つようにします。
精神的にも身体的にも不安定な時期ですので、いつもはしない運動やお出かけなどは避けたほうがよさそうです。あくまで、いつもと同じように、そして穏やかに過ごすことを心がけてあげましょう。
生理と避妊手術
生理のたびに不安定な期間がやってくるので、妊娠をする予定がないのであれば避妊手術をすることも選択肢の一つです。
また、高齢犬になれば子宮蓄膿症や卵巣腫瘍のリスクが高くなります。この病気は避妊していれば防げる病気なので、獣医さんに相談し、若く体力があるうちに避妊をするかを検討すると良いでしょう。
この記事は獣医師が監修しています
本間 克巳
・本間獣医科医院長
・北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
・小動物臨床専門
・その他、海外協力事業とNPO法人の活動、アジア諸国への病院設立、人医師との腎臓移植・腹膜透析・細胞再生医療などの共同開発事業など幅広く活動中
著者情報
UCHINOCO編集部
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