猫はなぜマーキングをするの？スプレーの意味や対処法紹介

体を壁や物、人に擦り付けたり、爪とぎをしたりする猫のマーキングには、どのような意味があるのでしょう。また、強い臭いのする尿を飛ばす行為であるスプレー行動は、どういった場合にするのでしょうか。この記事では、猫がマーキングをする理由やスプレーの原因と止めさせる方法、スプレー行為をさせないようにするための予防法などを紹介します。

猫は単独で行動する生き物ですので、自分の縄張りに臭いを付け、「ここは自分の場所だ」とアピールをする習性があります。この習性を「マーキング」行動と言います。マーキングには、縄張り主張のほかにも、自分のお気に入りの物や安心できる場所として臭い付けを行います。
猫は顎と肉球に臭い（フェロモン）を出す分泌腺を持っています。そこを擦り付けたり爪とぎをしたりするなどして、マーキングを行います。このフェロモンは、人間には分からない臭いだと言われています。

スプレーとは、主に去勢をしていないオス猫が尿をスプレーのように飛ばす行為です。去勢をすることで改善される場合が多いようですが、中には去勢済みのオスやメスであってもスプレー行為をする場合があります。スプレーは、通常の尿よりも臭いが強く、マーキング行動の中でも一番やっかいだと言えるでしょう。スプレー行動は主に不安を感じた際やストレスを感じた際に行われることが多いと言われています。猫は臆病な性格で、基本的にストレスに敏感な生き物ですので、私たちにとっては些細なことでも猫にとっては大きな負担になっていることがあります。
・引っ越しをした
・新しい家族（ペット含む）が増えた
・家具やお気に入りの場所の配置を変えた
・トイレが不衛生である
・エサが合っていない
・飼い主さんとスキンシップが取れていない
・生活環境に不満がある
これらは、猫にとってストレスや不安の原因になりやすい項目です。当てはまる項目があれば、早めに対処するように心がける必要があります。

物や飼い主さんに体を擦り付けたり、爪とぎをしたりするマーキングは、猫ならではの習性であるため、対策は難しいでしょう。しかし、スプレーは臭いも強く掃除も大変なため、極力防止したいものです。多くは未去勢のオス猫に見られるため、去勢手術を行うことでマーキングを防止することが可能です。全くしなくならないとしても、回数を減らすことは可能でしょう。
そのほかに、猫にとって不安やストレスになる環境を作らないことも重要です。マーキングは本能ですので、叱っても意味がありません。叱ることは、かえってストレスになりスプレー行為を悪化させてしまうこともあります。
新しい子をお迎えした際には、何をするにも先住猫を優先することや、トイレは常に衛生的に保つ、飼い主さんの見える位置にケージやペットベッドを配置して不安を解消するなど、猫にとって不安やストレスになっている原因を突き止め、改善することが一番のスプレー防止対策と言えるでしょう。

猫のスプレー行為を再発させないためには、後処理も大切です。スプレーをした場所はすぐに拭き取り、ペット用の消臭剤やアルコールなどで臭いを取り除きます。臭いが残っていると、その場所にスプレーをする回数が増えてしまいます。また、同じ場所にスプレーを繰り返す場合には、その場所に猫が嫌う臭いのするものを置いたり、物を置いて場所を遮断したりして、スプレーをさせないようにしましょう。

猫は縄張り主張や自分のものだというアピールとしてマーキングを行います。しかし、ストレスや不安を感じた際にするスプレー行為は、強い臭いのする尿を飛ばすため、飼い主さんとしてはやっかいな行動でしょう。スプレー行為は、猫がストレスや不安を感じているサインでもあります。防止対策を行うことも必要ですが、猫の発するSOSのサインを見逃さず、原因を突き止め解消してあげることが重要だと言えるでしょう。