猫が「魔除け」として重宝されてきた理由とは?

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日本でも「招き猫」をはじめとした縁起物のモチーフとしても採用されている「猫」。
世界各国で魔除けとして重宝されてきたのには、猫が夜目のきく動物であることと、人間にとってありがたい存在であったことが主な理由とされています。
そもそも猫は薄明薄暮性の動物であり、薄暗い夜間でもスムーズに狩りができるように、猫の目は光をキャッチしやすい構造になっています。
昔は現代のように街灯などもなかったため、夜は「妖怪や魔物が活発になる時間」ともいわれるほど人々が恐怖を感じる時間でした。
そんな夜間でも問題なく活動できる猫だからこそ、魔除けのパワーがあるとして人々から信じられていたようです。
また、猫は鼠を獲物とすることから、収穫した穀物を狙う鼠を追い払うために、古くから人々は猫と一緒に暮らしていました。
毎日の生活に必要な食糧を守ってくれるありがたい存在であったことから、猫は災いから人々を守り、幸福を運ぶ存在として親しまれていたようです。
猫の魔除けに関する言い伝え・エピソード集

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猫は古くから魔除けの象徴として愛されており、世界各国にさまざまな言い伝え・エピソードが残っています。
ここからは、そんな猫の魔除けに関する有名な言い伝えについて紹介しましょう。
下界を見守る猫の女神「バステト」
魔除けとして有名な猫といえば、エジプトの女神「バステト」です。
猫の顔を持つ古代エジプトの神様であり、手に持ったナイフを使って、敵をナイフで倒し、人々を守っているといわれています。
ときには太陽神であるラーの目として人々の行動を見守り、悪いことをしていれば罰する役割もになっていたそうです。
また、猫が一度にたくさんの子どもを産むことから「家を守る女神」としても知られており、子孫繁栄や人々を病気から守るご利益があるとして、現代でもお守りのモチーフになっています。
江戸の人々の生活を守る「鼠よけの猫の絵」
穀物の栽培が盛んな日本では、猫が古くから人々の生活を守る存在として重宝されてきました。
特に江戸時代初期では京都の人口増加に伴い、鼠によって貯蔵していた穀物が食い荒らされるといった被害も深刻化していました。
平安時代にはすでに愛玩動物として親しまれていたとはいえ、当時はまだ猫の数が少なく、鼠の駆除が行き届かない状態。
そんなときに人々から大切にされていたのが「鼠よけの猫の絵」です。
自宅に貼っておくだけで、猫の絵を怖がって鼠が出てこなくなるパワーがあったとのこと。
庶民の間でも一般的に猫が飼われるようになるまで、猫の絵はお守りとして江戸の人々の生活を守っていたとされています。
人々を幸せへ導く「黒猫」
「黒猫」と聞くと不吉なイメージを持たれがちですが、実は日本では人々を幸せへ導くラッキーキャットとして重宝されています。
特に有名なのが、関東地方にて活躍した戦国武将であり、江戸城を築いたことでも知られる人物・太田道灌を導いた黒猫のエピソードです。
1477年頃、当時は太田道灌と豊島泰経による一大決戦「江古田が原・沼袋の戦い」の真っ最中。
初戦の激しい戦いの後、太田道灌は途中で夜道に迷ってしまいました。
その時、一匹の黒猫が彼の目の前に現れ、一生懸命手招きをするのです。
黒猫の後を付いていくと、自性院というお寺にたどり着いたため、太田道灌はそこで一夜を明かしました。
戦いの疲れを癒した太田道灌は、その翌日体制を立て直して反撃を開始。
敵を石神井城へ追い詰め、無事に勝利を掴むことができたんだそうです!
戦いの後、太田道灌はその黒猫を江戸城へ連れて帰って溺愛し、猫の死後にはその石造を自性院へ寄贈しました。
ちなみに新宿の三角ビル前の広場には、太田道灌を守った黒猫にちなんだ像があります。
黒猫には名前がありませんでしたが、像の説明書きによると「玉ちゃん」という愛称で親しまれているようです。
お殿様を災いから守った「白猫」
現在の滋賀県彦根市では「招き猫発祥伝説」の一つとして白猫とお殿様に関するエピソードが有名です。
彦根藩の2代藩主・井伊直孝が鷹狩りをした帰り道のこと。
突然のにわか雨にあった井伊直孝は、世田谷区にある豪徳寺の前にある木の下で雨宿りをしていました。
そんな時、自分に向かって手招きをしてくる白猫の姿を見た井伊直孝は、猫に誘われるように寺へ立ち寄ると、先ほどまで雨宿りしていた木へ雷が直撃!
危ういところを白猫に助けられた井伊直孝は、豪徳寺を自身の家の菩提寺とし、猫を大切に供養していたといわれています。
なお豪徳寺では、この災いから守ってくれた白猫にちなんだ人形「招福猫児(まねぎねこ)」を祀ったところ、そのご利益を求めて人がたくさん訪れるようになったとのことです。
ちなみに、彦根市のゆるキャラである「ひこにゃん」の姿も、この井伊直孝を災いから守った白猫をモチーフとしているんですよ。
猫をモチーフとした魔除け&お守りグッズを紹介!

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世界各国で魔除けや守り神として大切にされてきた猫だからこそ、現代でも猫をモチーフとした可愛いお守りグッズがたくさん販売されていますよ。
ここからは、猫をモチーフとした魔除け・お守りグッズを紹介します。
猫好きにはたまらない可愛いグッズをまとめましたので、気になるものがあればぜひチェックしてみてくださいね!
猫をモチーフとした魔除け&お守りグッズ(1)のあぷらす にゃんこお守り 招き猫
幸福を招く縁起物として知られる「招き猫」をモチーフとしたお守りです。
お守り本体の中には「願い事紙」が入っているので、叶えたい願い事を書き込んで入れておけば成就するかも?
普段使っている財布やバッグなどに付けていつでも持ち歩けますよ。

猫をモチーフとした魔除け&お守りグッズ(2)MORITA&仏像工房 仏屋さかい 猫buddha 干支守護本尊
魔除けや守り神として愛される猫をモチーフとした、可愛い干支守護本尊オブジェです。
干支守護本尊とはそれぞれの生まれ年の干支に該当する仏様のことで、生涯にわたって守ってくれる仏様とされています。
そんな干支守護本尊を酒井仏師が手掛ける原型をベースに、可愛い猫の姿へデザインしているのがこのグッズの魅力。
千手観音や阿弥陀如来など、それぞれのご本尊の特徴がゆるく表現されており、特に手足に施された小さな肉球は、猫好きにはたまらないチャームポイントですよ。
木製のボディはあたたかみがあり、さまざまな雰囲気のお部屋に調和します。
棚や机の上などに飾っておけば、飼い主さんや愛猫を守ってくれるでしょう。

猫をモチーフとした魔除け&お守りグッズ(3)神宮館緑堂 招き猫水琴鈴
持っている人に幸福を招くとされる、招き猫デザインの鈴ストラップです。
幅2cm程度の小さな鈴なので自宅の鍵やバッグなどをはじめ、場所を選ばず身に付けられますよ。
鈴の音には古くから魔除けの効果があるとされているうえ、招き猫モチーフの鈴を持っていれば幸福が舞い込んでくるかも。
鈴部分には「水琴鈴」が使われているのも注目ポイント。
「水琴鈴」とは、一般的な鈴のような穴が無く、運が逃げないようにという意味もあり、優しい音色を奏でます。
その音は日本庭園の装飾である水琴窟の音に似ているとされているため、魔除けグッズとして使うだけでなく、音色を通して心をリラックスしたいときにもぴったりです。

猫をモチーフとした魔除け&お守りグッズ(4)ネクストア 猫のひげケース
古くから金運・恋愛運アップのお守りとして大切にされてきた「猫のひげ」を大切に保管できる、木製のひげケースです。
ひげを束ねるための和紙・リボンも付いているから、愛猫のひげを一本ずつきれいに保管できますよ。
ケースには古くから神聖なものとして重宝されてきた松の木を使用。
松は耐久性が高く、経年変化とともに独特の色ツヤが出てくるので、長く使うほど愛着がわいてくる一品です。
ケースの蓋には愛猫の写真も入れられるから、持っているとまるで愛猫に守られているような感覚になりますね。

猫をモチーフとした魔除け&お守りグッズ(5)YANAKADO 運気上向き招き猫
型作りから仕上げまでオリジナルデザインで作り上げた、焼き物の招き猫です。
右手上げデザインと左手上げデザインの2種類があり、右手は金運アップ、左手は人の縁・幸福を招くとされています。
特に注目すべきポイントが、一般的な招き猫とは少し違う「上向きデザインのお顔」。
デスクや低めの棚などに飾れば招き猫と視線が合うので、まるでこちらを見て笑っているような表情に癒されるでしょう。
各種類には三毛猫やキジトラ、アメショなどといった5つの柄のバリエーションがあるので、愛猫と同じ柄の子を選ぶのもおすすめです。
手のひらサイズの小さな招き猫なので、猫好きの人へのプレゼントにもぴったり!
仕上げデザインは手描きなので、一体ずつ表情が少しずつ違うところも個性を感じられるお守りグッズです。

世界各国の言い伝えを通して、猫の魅力に触れてみよう!

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猫はペットとしてだけでなく、魔除けや守り神としても人々の生活に古くから寄り添ってくれている動物。
猫に関する言い伝えは他にも世界各国に存在しているため、さまざまなエピソードを通して猫の魅力に触れてみてくださいね!
・美-健康ゴルフ(参照日:2025/10/20)
https://item.rakuten.co.jp/b-kenkougolf/ab-2249075/
・URUZA(ウルザ)(参照日:2025/10/20)
https://item.rakuten.co.jp/uruza/mo424/
・神宮館縁堂 楽天市場店"(参照日:2025/10/20)
https://item.rakuten.co.jp/enishido/30000167/
・名入れ プレゼント 専門店 Nextore(参照日:2025/10/20)
https://item.rakuten.co.jp/nextore/cat-hige001/
・YANAKADO(参照日:2025/10/20)
https://item.rakuten.co.jp/yanakado/yanakado-0487/
著者情報
西野由樹
生粋の犬好きなフリーランスWebライター。執筆のお供はコーヒーと愛犬のマルチーズ「こたろう」。
やんちゃな愛犬にちょっかいを出されつつ、今日も実体験・調査に基づいた執筆で、読んで楽しい記事づくりに勤しむ。






