高額になりやすい犬種
出典:https://www.shutterstock.com/
まずは、高額になりやすい犬種をご紹介します。
併せて、それぞれの犬種の特徴や性格も見ていきましょう。
チベタンマスティフ
中国のチベットを原産とするチベタンマスティフは、世界でもっとも高額な犬種といわれています。
もともとは牧羊や護衛のために飼われていた犬種で、体高は約60cm前後、体重は100kgを超えることも珍しくありません。
見た目通り忠誠心や勇敢な性格の持ち主である超大型犬で、日本で見かけることはほとんどないでしょう。
チベタンマスティフの値段は安くても80万円程度になり、過去にはなんと2億円で取引されたこともある犬種です。
なぜそこまで価格が高騰したのかというと、中国の富裕層の間でステータスシンボルとして人気が出たからだといいます。
サモエド
「サモエドスマイル」の愛称の通り、常に笑っているような表情とふわふわの純白の被毛が特徴のサモエドも、高額になりやすい犬種として知られています。
サモエドはロシア北部やシベリアを原産とした犬種で、犬ぞりで活躍をしていた歴史があります。
また、日本スピッツやポメラニアン、柴犬の祖先といわれており、日本でも馴染みの深い犬種といえるでしょう。
サモエドはチベタンマスティフよりは日本で見かける機会はありますが、日本国内でサモエドを専門として扱うブリーダーが少ないため、高額になりやすい傾向にあります。
サモエドの価格は約35~130万円であり、70~80万円以上で取引されることも珍しくありません。
性格はとてもフレンドリーで知らない人や犬とも喧嘩に発展することなく遊ぶことができるため、大型犬の中でもサモエドは飼いやすい犬種だといえるでしょう。
ロットワイラー
筋肉質で骨太なロットワイラーは、その体格を生かして警察犬や国境警備犬、山岳救助犬や軍用犬などさまざまな舞台で活躍している犬種です。
体高は約60~65cm、体重は約42~50kgと大型犬の中では比較的小型ではありますが、その力強い見た目や高い忠誠心などで、ドイツやアメリカで特に人気の高い犬種となっています。
ちなみに、ロットワイラーの値段は25~80万円程度で、ドッグショーのチャンピオン犬の子犬などは高額になりやすい傾向にあるでしょう。
ローシェン
日本では聞き馴染みのないローシェンという犬種は、長くきれいな被毛を持った、フランスが原産といわれている犬種です。
そのふさふさの被毛はライオンのようなカットにすることが多く、被毛のカラーはさまざまなバリエーションがあります。
ちなみに、ローシェンは体高約25~32cm、体重約4~8kgの中型犬で、高額になりやすい犬種の中では珍しく大型犬ではありません。
性格はフレンドリーで愛情深く、子どもがいる家庭でも問題なく飼うことができるでしょう。
やはり聞き覚えの少ない犬種は希少性が高いため高額になりやすく、ローシェンの平均販売価格は約90万円程度だといわれています。
高額になりやすい犬の特徴
出典:https://www.shutterstock.com/
高額になりやすい犬は、通常の犬と比べて何が優れているのでしょうか?
次に、高額になりやすい犬の特徴をご説明します。
スタンダードに近い犬は高額になる
JKC(ジャパン ケネルクラブ)などでは、犬種ごとにスタンダードが定められています。
スタンダードとは、簡単に言うと「その犬種の理想の見た目」ということです。
ドッグショーでの審査も、このスタンダードを基準に採点されます。
本来は可愛らしいはずの犬種が格好良くてもいけませんし、当然その逆もスタンダードとしては外れてしまいます。
スタンダードに近ければ近いほど、その犬は高額になりやすいでしょう。
血統の良さ
ドッグショーでチャンピオン犬となった犬の子犬は、血統の良さから高額になりやすいです。
これは先述したように、ドッグショーのチャンピオン犬の子犬は、よりスタンダードに近い見た目になる可能性が高いためです。
当然ながらドッグショーでチャンピオンとなるのは難しく、日頃から血統を管理し続けなければなりません。
その管理費用も、子犬の値段に上乗せされることとなるのです。
大型犬は高額になりやすい?
今回ご紹介したチベタンマスティフやサモエド、ロットワイラーは大型犬に分類されます。
一般的には、高額になりやすい犬種は大型犬が多い傾向にあります。
もちろん小型犬や中型犬でも希少価値の高い犬種は高額になりますが、どちらかというと大型犬のほうが多いでしょう。
ちなみに、高額になりやすい犬種に大型犬が多いのは、飼育スペースやランニングコストがかかることから飼育する人も少なく、同時に希少価値が高まりやすいことが原因だと考えられます。
繁殖が難しい
サモエドやフレンチブルドッグなど、繁殖が難しい犬種も希少価値が高くなるため、高額になりやすいです。
繫殖が難しいということは、当然ながら管理する時間や費用もほかの犬種よりも多くなります。
犬の価値は値段じゃない!
出典:https://www.shutterstock.com/
今回は高額になりやすい犬種をご紹介しましたが、チベタンマスティフの2億円の取引額などは、あくまでひとつの目安です。
当然ながら今回ご紹介した犬種でも安値で取引されていることもありますし、相場よりも高額で取引されていることもあるでしょう。
高額な犬種を購入したいという人がいるからこその「需要と供給」であり、需要がなければ犬が高額になることもありません。
いずれにせよ、犬の価値は値段で決まるものではないでしょう。
犬を飼っている人にとっては愛犬こそがナンバーワンであり、オンリーワンなのです。
もちろん自身のステータスのために高額な犬種を飼ってみたいという人もいるでしょうが、自分の好みに合う犬を探してみるのも良いでしょう。
著者情報
けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。