猫はどれくらい遠くの音を聞き取れる?猫の聴覚について解説します

猫と生活をしていると、耳を傾けて遠くの音を聞いているような仕草をすることがあります。
猫は、どれくらい遠くの音を聞き取ることができるのでしょうか?
この記事では、猫の聴覚について解説します。 2023年08月28日作成

  • 猫のカテゴリ - 猫と暮らす猫のカテゴリ - 猫と暮らす
  • VIEW:10,689

猫の聴覚について

出典:https://www.shutterstock.com

まずは本題である、猫の聴覚について解説します。
どれくらい遠くの音を聞き取れるのか、また、小さな音の聞き取りもできるのかを見ていきましょう。

猫の聞き取れる周波数は25~75,000Hz

聴覚で聞き取れる周波数を可聴域といいますが、猫の可聴域はなんと25~75,000Hzだといわれています。
聴覚に優れているといわれる犬でさえ50,000Hzまでしか聞き取れないため、猫は動物の中でも特に聴覚が優れていることがわかります。
特に高音を聞き取ることが得意なため、遠くで救急車のサイレンが鳴っている時などは、耳を傾けて集中して聞いていることもあるでしょう。
また、部屋でくつろいでいた猫が突然キョロキョロとしだしたら、遠くで何かの音が聞こえているサインかもしれません。

低音の聞き取りは苦手?

猫は高音を聞き取ることは得意ですが、低音を聞き取るのは苦手だといわれています。
そのため、男性が猫に話しかける時は、なるべく高い声を出してあげたほうが良いでしょう。
逆に、猫を叱る時には低い声を出すことでしつけの効果が期待できます。

音の発生源を捉えることができる

猫は遠くの音を聞き取るだけでなく、正確な音の発生源も捉えることが可能です。
左右の耳をレーダーのように動かして、音の発生源をたどって自分と音の距離感を探ることができます。
これは、野生の頃に外敵から身を守るための手段として発達したのでしょう。

猫はアリの歩く音も聞き取れる?

なんと、猫はアリの歩く音も聞き取れるといわれています。
それほどまでに小さな音も聞き取ることができるため、猫は飼い主が帰宅した時にはすでに玄関で待ち構えるという光景を目にすることがあるのでしょう。
また、数km離れた車のエンジン音まで聞き取れるともいわれており、猫の聴覚のすごさがわかります。

猫の苦手な音

聴覚に優れている猫は、いくつかの苦手な音があります。
それは、高音と低音が混ざった音です。
高音と低音が混ざった音の代表的なものは、掃除機やドライヤーでしょう。
おそらく、自宅で掃除機やドライヤーを使用している時は、猫が遠くに逃げているはずです。
猫がストレスにならないように掃除機やドライヤーから猫を遠ざけたいところですが、生活必需品でもあるため掃除機やドライヤーを使用しない生活は難しいでしょう。
そのため、掃除機やドライヤーを使用する時は事前に猫を別の部屋に移すなどの工夫が必要です。

猫と人間の聴覚の違い

出典:https://www.shutterstock.com

人間もそれなりに遠くの音を聞き取ることはできますが、猫とどれくらいの差があるのでしょうか?
次に、猫と人間の聴覚の違いについてご説明します。

猫は人間よりも3~4倍聴覚に優れている

先述したように、猫は75,000Hzまでの可聴域があります。
それに対して、人間の可聴域は20,000Hzほどです。
単純にいえば、猫は人間よりも3~4倍聴覚に優れていることになります。
とはいえ、私たち人間の聴覚が優れていても外敵から身を守る機会は少ないため、あまり意味はないのかもしれません。

猫は人間の女性が好き?

先述したように、猫は低音よりも高音の聞き取りが得意です。
また、低くて大きい音をネガティブに、高くて小さい音をポジティブなものに捉える傾向があるため、猫は人間の男性よりも女性を好むといわれています。
動物の世界では、低音で大きな音を発するのは熊などの肉食動物が多いです。
猫も肉食動物ではありますが、熊と戦っても勝てるわけはありません。
猫が甘える時に高い声で「ニャーン」と鳴くことがあるように、人間も猫に話しかける時はなるべく高くて小さい声にしましょう。

猫の聴覚が発達した理由とは?

出典:https://www.shutterstock.com

なぜ、そこまで猫の聴覚は発達したのでしょうか?
最後に、猫の聴覚が発達した理由をご紹介します。

獲物を見つけるため

猫は、人間に比べて視力が悪い動物です。
猫の視力は0.1~0.3ほどしかありません。
そのため、猫は全体的にぼんやりとしか見えておらず、視力に頼って生活をすることは難しいのです。
それでは、視力が悪いのにどうやって獲物を捕まえているのでしょうか。
答えは、やはり優れた聴覚にあります。
優れた聴覚で、獲物となる小動物の足音を聞き分けて、瞬時に狩りを行います。
ちなみに、猫は視力が悪いですが動体視力は良いため、獲物が動いていれば難なく狩りを成功させるでしょう。
大切なのは、聴覚を利用して獲物の居場所をある程度特定することなのです。

外敵から身を守るため

猫の聴覚が発達したのは、外敵から身を守るためでもあります。
先述したように、猫の優れた聴覚は音源の位置を特定することが可能です。
そのため、遠くに外敵の音を聞き取った時に、いち早く身を隠したり逃げたりすることができます。
特に猫は警戒心が強い動物のため、外敵に気が付かれずに身を隠すことが得意です。

猫の聴覚はとても優れている

出典:https://www.shutterstock.com

人間はもちろん、犬よりも優れているといわれている猫の聴覚は、75,000Hzまで聞き取ることができます。
そのため、遠くで鳴っている救急車のサイレンの音や車のエンジンの音、さらにはアリの歩く音まで聞き取ることができるのです。
高音を聞き取ることが得意な猫ですが、低音は苦手です。
もしも猫に話しかける機会があれば、なるべく高く小さい声にすると良いでしょう。

なぜ、猫の聴覚がここまで発達したかというと、猫は視力が悪いため、それを補うためだと考えられます。
視力に頼ることができないことから、聴覚で獲物や外敵の場所を知るのです。
視力は悪いですが動体視力に優れている猫は、獲物の位置さえわかれば容易に狩りを成功させるでしょう。
毎日玄関まで愛猫がお出迎えにきてくれるのには、猫の優れた聴覚が関係していたことがわかります。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

オススメ

新着記事