猫と犬の動物的な相性はどうなのでしょうか?また、一緒に飼育する際の注意点は何なのでしょうか?それぞれ詳しく解説します。
猫と犬は仲良くできる動物なのか
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「猫と犬は仲良くできる動物なの?」という質問を目にすることがありますが、結論としては、「猫と犬は互いの性格次第で仲良くできる動物」だといえます。
もちろん、猫と犬では動物としての習性が異なっているため、一筋縄にはいかないケースもあります。
例えば、猫は犬のように集団で生活する環境をあまり好まず、自由気ままな単独行動が主体です。この習性から、自身のナワバリを守ろうとする意識も強く、他者(ほかの動物など)が侵入しようものなら苛烈に攻撃してきます。
このことから、群れを作って集団で行動することを好む犬とはそりが合わない部分があるといえます。
ただし、動物としての習性はあくまで基本的な生活スタイルの違いであり、それ以上に大切なのは、やはり互いの相性が良いかという点です。
また、次章以降で詳しく解説しますが、猫と犬を同居させるタイミングや飼い主の事前準備などの各要素も、同時に飼育できるか(仲良く生活できるか)を左右する大きなポイントになります。
「愛猫と愛犬に仲良くしてほしい」「猫と犬を同居させようと考えている」という方は、ぜひ次章以降の内容を参考にしてください。
猫と犬を同居させる前に飼い主がすべきこと
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猫と犬を同居させる前に飼い主がすべきこととして以下の4つがあります。
どれも重要な項目なので漏れがないようチェックしておきましょう。
猫と犬の習性や動物としての違いを勉強する
先述したように、猫と犬では動物としての習性や特徴に違いがあります。猫は単独行動を好み、犬が集団行動を好むのもその一例です。
これらの違いから、「一緒に生活させればきっと仲良くしてくれるだろう」という甘い考えを持たないことが何より大切です。
人間でもそうですが、生活スタイルが合わない相手とひとつ屋根の下で過ごすのはストレスが溜まるものです。これは猫や犬も同じで、場合によってはストレスによる体調不良を引き起こす可能性すらあります。
一種類の動物を多頭飼いするのであればここまで気を遣う必要もありませんが、別種の動物を同時に飼育する以上、それぞれの習性や特徴を勉強しておくことが飼い主には求められます。
お試し期間を設ける
猫と犬を同時飼育する場合、可能であればお試し期間を設けるのがおすすめです。
先住猫または先住犬と相性が合うかどうかは実際に生活させてみなければわかりません。そのため、お試し期間を設けて確認するほうがよいといわれています。
お試し期間は2週間ほどがおすすめで、これぐらいの期間があれば相性の良し悪しがある程度わかってきます。
2週間以上たっても互いに威嚇し合うような状況であれば、あまり相性がいいとはいえないため、同時に飼育するにしても部屋を別々にするなどの対策が必要です。
《補足》
時間経過とともに仲良くなるケースももちろんありますが、その反対に時間経過とともに険悪度が増すパターンもあります。こればかりは愛猫・愛犬の性格によるところが大きいため、一概にどちらが正しいとはいえない点は留意しておきましょう。
受け入れるタイミングを考えておく
一般的には子猫または子犬などの幼年期から一緒に過ごさせるのが最適だといわれています。しかし、すでに先住猫または先住犬がいるときは、どのタイミングで新しいペットを迎え入れるかがとても大切な要素となってきます。
犬は新しいペットが増えたとしても受け入れてくれることが多いようですが、猫は先述したようにナワバリ意識がとても強いため、なかなか慣れるまで時間がかかるようです。
もちろん、これも猫または犬の性格によるところが大きいため一概にはいえないという点は理解しておきましょう。
絶対に仲良くなれるわけではないと理解しておく
飼い主がどんなに入念な準備をしても先住猫または先住犬と新しいペットの相性が合わない可能性はあります。
そのため、「一緒にいれば仲良くなるだろう」と楽観的に考えるのではなく、「絶対に仲良くなれる保証はない」と理解しておくことが大切です。
飼育していくなかでどうしても相性が合わないようであれば、ケンカによってケガを負うリスクを避けるため、飼育部屋を別々にする、ケージを活用してどちらかを隔離する、などの対策を取りましょう。
猫と犬を一緒に飼育する際の注意点
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猫と犬を一緒に飼育する際の注意点として以下があげられます。
《猫と犬を同時に飼育する際の注意点》
・食事のスペースを分ける(部屋を別々にするなど工夫する)
・トイレを分ける
・それぞれが快適に過ごせる寝床を作る など
このなかで最も大切なのが「食事のスペースを分ける」という点です。
猫と犬では体内で作れる栄養素の種類が異なっているため、フード類にはそれぞれにあった成分が含まれています。
そのことから、猫がドッグフード、犬がキャットフードを食べてしまうと、必要な栄養素を補えない、または不要な成分を取り過ぎてしまう恐れがあり、体調不良につながる原因となります。
エサをあたえる際は部屋を別々にする、飼い主がみているところであげるなど、誤食が発生しないように工夫しましょう。
猫と犬は仲良く生活できるかは相性と飼い主の事前準備によって決まる
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今回は「猫と犬は仲良くできるのか」について解説しました。
基本的には双方の性格によるところが大きく、相性さえ問題なければ同時飼育も可能だといえます。
ただし、動物同士の相性に委ねるのではなく、飼い主による事前準備も大切であることを忘れてはいけません。
また、猫と犬を同時に飼育する場合は、注意すべきポイントをしっかりと守り、愛猫と愛犬が健やかに生活できる環境を整える必要があります。
相性に左右される部分は大きいものの、猫と犬は仲良く共同生活ができる動物です。愛猫と愛犬が健やかに過ごせるよう、飼い主は日々のサポートをしてあげましょう。
著者情報
U.SHOHEI
父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。
現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。
得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。