野良猫を見つけた!保護したいときは…
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野良猫といっても、自ら近寄ってくるような猫もいれば、まだ目も空いていない赤ちゃん猫、なかなか触らせてくれないような慎重な猫とさまざまです。そのまま捕獲しても抵抗しない場合もありますが、できるだけキャリーケースのようなものや引っ掛かれても大丈夫なような服装を用意して保護しましょう。
人間に慣れていない猫は、触ろうとすると驚いて引っ掻いたり噛んだりすることが多々あります。特に人間に近寄ってこないような猫は、何日もかけてエサでおびき寄せたり、捕獲器を設置した方が安全です。
野良猫を見つけたとしても、猫によってはすぐに保護できない可能性もあることを十分に理解して、お互いの安全を守ることが大事です。
猫を保護した後の手順
それでは、猫を無事に保護できた後の手順について見ていきましょう。
病院に連れていく
野良猫の場合、感染症や栄養状態などさまざまな心配があります。まずは受診をしてノミやダニのチェック、健康状態のチェックなどを受け、必要な処置をしてもらいましょう。こうすることで、連れて帰ったあとの衛生面を守ったり、先住猫がいる場合は感染を防いだりすることができます。また、栄養失調などがある場合の対処についてアドバイスや処置を受けることもできます。
迷い猫かどうかの確認
もしかすると、野良猫だと思っていても誰かに飼われて脱走してしまった迷い猫かもしれません。飼い主さんが必死になって捜索している可能性があるため、保健所や警察署に問い合わせましょう。また、SNSで近隣のペット捜索情報なども確認しておくとより安心です。
飼育環境を整える
保護した猫は、感染予防のために健康状態によってはしばらく先住猫の接触ができないなどの制限があるかもしれません。また、環境の変化に伴うストレスも考えられるため、猫が安心して落ち着ける環境を準備する必要があります。
具体的には、ケージ、毛布やクッション、トイレ用品、食器、フード、お水やミルクは最低限必要です。必要なものやその大きさは、猫の年齢によっても変わってくるため、適切なものを選びましょう。その他のものは必要に応じて徐々に揃えていっても問題ありません。
保護した野良猫がまだ子猫の場合
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野良猫の中には、まだ目も空いていないような生後間もない子もいるでしょう。子猫と大人猫では、必要なお世話や食べられるものが異なります。まずは病院に行ってアドバイスを受けるのが最優先ですが、もし夜間などで受診がすぐにできない場合は応急処置的な対処も必要かもしれません。
子猫の栄養補給
まず、目が空いていないような子猫は確実に離乳前です。そのため、固形フードは食べることができません。一般的な目安としては体重400gまではミルクが必要だと考えられています。
ミルクは、牛乳ではなく、必ず猫用のミルクを選びましょう。猫用のミルクを扱うお店が閉まっている時間帯であれば、人間の赤ちゃん用のミルクを2倍に薄めたものでも代用可能ですが、これはあくまでも応急処置的な方法としてとらえてください。ミルクの温度は冷たすぎず、熱すぎず、人肌に近い温度で調節します。
子猫でも、体重が400g以上ありしっかりと食べられるようなら、子猫用の固形フードを与えることができます。心配な場合はウェットフードも用意して、どちらを好むか様子を見ても良いでしょう。
子猫の保温
子猫は、特に赤ちゃん猫は体温を保つことも大事です。まだ自分で体温を調節することができない、あるいは苦手な段階では人工的にあたたかくしてあげることが大事です。目安としては、カイロやお湯を入れたペットボトルにタオル等をかぶせて、30~35℃がよいでしょう。
室温は25℃くらいに設定し、エアコン等の風が直接当たらないように気を付けます。お湯を入れたペットボトルの場合はこまめに取り替えてあげましょう。
子猫の排泄
赤ちゃん猫は自分で排泄することができません。本来は、母猫がお尻を舐めて刺激し、排泄を促します。そのため、鳴き出したタイミングやミルク前など、定期的に湿ったティッシュなどで軽くトントンと刺激してあげましょう。生後1ヶ月くらいになると、トイレを覚えられるようになります。環境を整えたり、タイミングを見計らって誘導したりして、徐々に覚えさせてあげましょう。
野良猫を飼い猫に迎えるには忍耐強く関わる覚悟も必要
赤ちゃん猫は、大人猫以上に細やかな対応が必要となり、それは夜間にも及ぶことからお世話をするには相当の覚悟も必要です。また、大人猫であっても、環境の変化に慣れるのが苦手な猫だからこそ、思いどおりのコミュニケーションがとれるまでには時間がかかる場合も多々あります。
猫によっては、触られることに怯えたり嫌がったりして、飼い主さんが触れるようになるまでに長い時間を要する子もいます。猫の様子を見ながら、焦らずじっくりと関わるつもりでお迎えしましょう。
野良猫をお迎えする際に知っておきたいその他の注意点
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さいごに、これまでにご紹介できていない、野良猫を飼い猫に迎える際の注意点についても見ておきましょう。
先住猫への配慮も必要
猫は環境の変化に弱く、自分の縄張りを大事にする動物です。もし、既に他の猫を飼っている場合は、先住猫のストレスにも配慮する必要があります。感染症の心配がなくなった状態になっても、まずはケージ越しに対面させて徐々に慣らすなど、段階を踏んでいきましょう。
お風呂はストレスになる
野良猫は、過酷な環境で頑張って生きてきた分、体も汚れていることがほとんどです。しかし、猫の多くはお風呂を嫌い、大きなストレスにつながります。慣れるまではお風呂を控えた方が無難ですが、ひどい匂いや汚れがある場合は獣医師に確認してできるだけ短時間で済ませる等、工夫しましょう。ノミやダニがお風呂で落ちると考えられがちですが、すべてをお湯で流すことはできません。駆除薬を処方してもらいましょう。
不妊手術を積極的に検討する
子猫をお迎えするつもりがなければ、不妊手術を行った方が良いとする考え方が一般的です。これは、多頭飼育崩壊を防ぐだけでなく、発情のストレスから猫を遠ざけるというメリットもあります。
野良猫を飼い猫に迎えるときは最期まで責任を
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野良猫を飼い猫として迎える場合は、その猫の最期のときまでお世話をする覚悟が必要です。もしかすると、病気やケガなどで通院しなければならないこともあるかもしれません。日頃のフードなどにかかるお金とは別に、出費を要する場面もあるでしょう。そうしたことも踏まえて、保護する前によく考えてお迎えしましょう。
もし、保護しても飼うことが難しい場合は、保護団体などに連絡をして相談してみてはいかがでしょうか。
著者情報
こば
小さな頃から保護された犬や猫を迎えて生活。現在は黒猫の「ジジ」に翻弄されながら、発見と感動の毎日を送っています。
実体験を振り返りつつ、飼い主さんの役に立つような情報を分かりやすく記事にすることを目標にしています。