【猫とチョコレート】与えてはダメな理由と気を付けたいポイント

猫にチョコレートを食べさせてはいけないとよく耳にしますが、具体的になぜダメなのか知っていますか?私たち人間には問題のない食品であっても、動物には害となるものが多く存在します。今回は、猫にチョコレートをあたえてはいけない理由について解説します。 2021年04月17日作成

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猫にチョコレートを与えてはいけないのは通説です。ですが、どのような理由から猫に害をおよぼすのかを知っているでしょうか?

猫にチョコレートをあたえてはダメ!体に悪影響をもたらす原因とは?

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猫にチョコレートを与えてはいけない原因は、チョコレートの原料となるカカオにあります。
カカオには「カフェイン」や「テオブロミン」といった成分が含まれています。

カフェインとは?

カフェインはコーヒーやお茶、コーラなどに多く含まれる成分のことです。
人間がカフェインを摂取すると、利尿作用や眠気覚ましとしての興奮作用を得られます。
医薬品に含まれていることもあり、頭痛や眠気、倦怠感に効果があると言われています。

テオブロミンとは?

テオブロミンは主にチョコレートの原料となるカカオに含まれる成分のことです。
血行促進や集中力アップ、ストレス軽減などの効果があるとされています。
大量に摂取すると、頭痛やめまい、吐き気などの症状が出る可能性があります。

私たち人間は、カフェインやテオブロミンを摂取しても体内で代謝によりスムーズに分解できますが、猫は人間のようにうまく体内でカフェインやテオブロミンを分解できません。

そのため、体内にカフェインやテオブロミンの成分が長時間残ってしまい、中毒症状として猫の体に悪影響をおよぼします。その結果、最悪の場合には命を落とす可能性もあります。

チョコレートを食べた猫にみられる症状と致死量の目安

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猫はカフェインやテオブロミンの代謝が遅いため、チョコレートを食べてしまったとしても、症状が出るまでに数時間ほどかかります。

おおよそ1時間~2時間で興奮状態となり、摂取後2時間以降で嘔吐や下痢などの症状がみられ、さらに状態が悪化すると呼吸困難や痙攣を引き起こし、命を落とすこともあります。

チョコレートを食べた猫にみられる症状例

チョコレートを食べた猫に現れる症状は以下のようなものです。

・嘔吐
・下痢
・興奮状態
・失禁
・ふらつき
・呼吸困難
・全身の痙攣 など

※チョコレートをどのくらい食べたか(カフェインやテオブロミンの摂取量)や個体によって症状の軽重は異なります。

致死量の目安

猫がチョコレートを食べてしまった際のカフェインやテオブロミンの致死量は、チョコレートの種類や猫の大きさによって異なります。

おおよその目安としては、体重1kgあたり3~4gで嘔吐や下痢、5~10g以上で死に至る可能性があるとされています。

近年では「カカオ70%」などの高カカオチョコレートが市販で売られていますが、このような製品は含まれるカフェインやテオブロミンの量が跳ね上がります。

目安となるグラム数を口にしていなくても中毒症状を引き起こす危険性があるため、自宅などで保管する際は注意が必要です。

猫がチョコレートを食べてしまったときの対応方法

猫がチョコレートを食べてしまったときの対応方法として、「飼い主が吐かせてあげたほうがいい」と言われることがあります。
しかし、慣れていない者が吐かせようとするのは危険をともなうため止めましょう。

猫がチョコレートを食べてしまったときは獣医師へ診てもらうのが一番です。

獣医師へ伝える内容の例は以下になります。

【獣医師へ伝える内容】
・何を食べたのか(商品などがあれば尚よし)
・どのくらい食べたのか
・いつ食べたのか(食べてどのくらい時間が経過しているか)
・どのような症状が出ているのか  など

動物病院では猫の状態にあわせて、薬を用いた嘔吐の誘発や胃洗浄、点滴などの処置をしてくれます。

適切な診察をしてもらうためにも、愛猫の状態を正確に説明できるようにしておきましょう。

猫にチョコレートを食べさせないために注意すべきポイント

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猫にチョコレートを誤ってあたえないようにするにはどうしたらいいでしょうか?
ポイントをいくつかご紹介します。

① 人間の食べ物を与えない

当たり前の話ですが、人間が口にする食べ物を与えないようにしてください。
チョコレートはもちろん、加工食品は猫の体に悪影響をおよぼす可能性があるため、基本的にNGです。

テオブロミンが含まれている食品として、コーヒー・ココア・チョコレートなどがあります。

日頃から趣向している飼い主さんは、愛猫が口にしないよう取扱いに注意してください。

② 猫の手が届かないところに保管する

チョコレートを猫の手が届かないところに保管してください。
猫が開けることのできない戸棚の中や冷蔵庫などがおすすめです。

油断しがちなのが、食器棚の上など高いところに置いてしまうケースです。
猫が登ったタイミングでチョコレートを発見し、興味本位で口にしてしまうかもしれません。
また、戸棚などの高いところに保管していると、猫が食べた形跡を発見するまでに時間がかかる可能性があり、大変危険です。

収納スペースを検討し、愛猫の手が届かないところに保管しましょう。

③ クリスマスや誕生日、バレンタインデーは特に注意が必要

クリスマスや誕生日、バレンタインデーのような記念日には自宅でチョコレートを使ったお菓子づくりをするかもしれません。

ちょっと目を離したすきに愛猫がチョコレートを舐めてしまわないよう、調理に使った器具はタイミングをみながら適宜片付けるようにしてください。

お菓子づくりに必要となる材料には甘味料が多く使われているものがあります。
それらもあわせて愛猫が口にしないよう工夫しましょう。

猫にチョコレートはダメ!疑わしい場合はすぐに適切な対応を!

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人間にとってチョコレートはさまざまな効果をもたらしてくれる食品ですが、猫には毒になりかねないものです。
普段の生活の中でチョコレートを食べる習慣がある飼い主さんは、収納場所や食べ終わったゴミの片付けにくれぐれも注意が必要です。

愛猫がチョコレートを食べてしまった、食べたかもしれないと感じたときは、かかりつけの獣医師へすぐに相談してください。

「もう少しだけ様子をみよう」が愛猫の命にかかわるかもしれません。

愛猫の健康を守るためにも、日頃から猫が食べてはいけない食品の取扱いには十分に注意しましょう。

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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