小型犬の餌の量はどれくらいが良いの?目安量を知る方法も

あなたの愛犬は、健康な体型を維持することができていますか?
身体の小さな小型犬は、少しの肥満でも股関節を傷めたりする可能性があるため、注意が必要です。
そこでこの記事では、小型犬の餌の適正量についてご説明します。 2024年05月29日作成

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小型犬の餌の目安量の確認方法

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まずは、本題である小型犬の餌の目安量の確認方法を見てみましょう。
もちろん個体差はあるため量が若干前後するでしょうが、これらを守っていれば犬がすぐに痩せたり肥満になることはないはずです。

餌のパッケージを確認する

どんな食べ物でもそうですが、犬の餌も種類によってカロリーや脂質などが変わります。
そのため餌のパッケージを確認することが、もっとも餌の目安量を知る方法といえるでしょう。
総合栄養食として販売されている餌であれば、ほとんどがパッケージの側面などに目安量が記載されています。
小型犬の年齢や体重別で詳しく記載されているため、その量を守ることが大切です。
ただし、一点注意しなければならないことがあります。
このパッケージに記載されている体重は、現在の体重ではなくその犬の理想の体重です。
そのため現在の犬の体重が5kgだったとしても、パッケージに記載されている5kgの犬の目安量を与え続けると、肥満になってしまう可能性があります。

RER、DERとは?

餌のパッケージに記載されている量は、あくまで目安にしか過ぎません。
そのため、詳しく現在の体重から餌の目安量を調べるのであれば、計算方法を基に確認することがおすすめです。
まずはRERを求めましょう。
RERとはResting Energy Requirementの略で、エネルギー必要量のことです。
そしてその後犬が1日に必要とするカロリーであるDER(Daily Energy Requirement)を計算します。

RERとDERの計算方法

RERの計算方法

それでは、上記でご説明したRERとDERの計算方法をご説明します。
RERは、【70×(体重(kg))の0.75乗】という公式に基づいて計算しましょう。
この際の体重は現在の体重ではなく、その小型犬の理想の体重であるため、間違わないように注意が必要です。
公式を見るとわかりにくいため、わかりやすくしてご説明します。

※理想体重が5kgの場合
①その犬の理想体重(5kg)を3回かけましょう(5×5×5=125)
② ①で出た数字(125)を、計算機の『√』を2回押します。(3.34370…)※1
③ ②で出た数字に70をかけます(3.34370…×70=234.059…)
→体重5kgのRERは、約234kcal/日

※1:iPhoneの計算機を横にすると、『√』が出てきます。
『2√x』と表示されているものがそうです。

DERの計算方法

次にDERを計算しなければなりませんが、DERは先ほど算出したRERを元に計算します。【RER×活動係数】で出すことができます。
活動係数は細かいためわかりにくいですが、避妊や去勢をしていない成犬は1.8、避妊や去勢をしている犬は1.6、そして肥満傾向の犬やシニア犬は1.4です。
妊娠中の犬の場合1~4週は2.0、5~6週は2.5、7~8週は3.0、授乳中の犬は4.0~8.0と細かく分けられています。子犬の場合4ヵ月未満は3.0、4~9ヵ月未満は2.5、そして10~12ヵ月未満の犬は2.0です。

※避妊や去勢をしている犬の場合
234(RER)×1.6(活動係数)=374.4
→犬が1日に必要とするカロリーは374.4kcal/日(DER)

小型犬の餌の目安量の計算方法

長くなってしまいましたが、上記のRERとDERを用いて小型犬の餌の目安量の計算をしましょう。
計算方法は、DER÷(与えている餌の100g当たりのカロリー)×100です。
これにより算出された数字が、その小型犬の1日の餌の量のグラム数となります。
計算が細かくとてもややこしいかもしれませんが、愛犬の健康を守るためにも、一度計算をしてみると良いでしょう。

獣医師に確認する

RERやDERの計算が面倒であったりよくわからない場合は、一度獣医師に相談してみてはいかがでしょうか?
獣医師であれば犬の身体を触ることで、だいたい現在の犬の体重が肥満かどうかを判断することができるはずです。
それを基に獣医師からアドバイスをもらい餌の量を調整してみるのも、ひとつの方法です。

小型犬の餌の回数

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小型犬は、ほかのサイズの犬種に比べて餌の回数にも気を配る必要があります。
ここでは、小型犬の餌の回数について見てみましょう。

急成長期は4~5回に分けて与える

成長期の小型犬は、多くのエネルギーを必要とします。
そのため、特に成長スピードが速い急成長期である生後5~6ヵ月頃までは、餌の回数を細かく与えるようにすると良いでしょう。

生後6ヵ月以降は2~3回に分けて与える

小型犬の急成長期がある程度落ち着くのは、生後6ヵ月以降です。
しかし生後6ヵ月であっても成長期であることに変わりはありません。
成長期の頃は、2~3回に分けて餌を与えると良いでしょう。
生後1歳前後の成犬になった後は、餌のパッケージに記載されている回数で問題ないはずです。
目安としては、朝晩の1日2回に分けて与えることをおすすめします。

計算だけでは分からない部分も!

計算した量を適量として餌を与えることも大切ですが、肉や野菜をドッグフードにトッピングする場合には、カロリーが変わってきます。トッピングした量に合わせてドッグフードも減らすようにしましょう。その都度、計算するのは大変ですので、トッピングを3割入れる場合には、ドッグフードは7割程度にするなど、調整するようにしましょう。

また、犬によって運動量も異なります。散歩の多さや庭や家の中での運動量などを見て、カロリーも考える必要があるでしょう。季節も関係し、夏場は運動量と消費カロリーが低下する傾向にあります。体温維持のために冬は多くのエネルギーを消費しますので、多めに与えてもよいかもしれません。

小型犬の餌の目安量を簡単に知る方法

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それでは最後に、小型犬の餌の目安量を簡単に知る方法をお教えします。
これは2点チェックポイントがあるため、しっかりと見ておきましょう。

食欲を確認する

犬に餌を与えたときに、勢い良く餌に食いつく場合は、餌が少ない可能性があります。
また、餌を残すようであれば餌の量が多いのかもしれません。
ただし、体調不良などでも餌を残すことがあるため、判断材料のひとつとして考えると良さそうです。

便を確認する

小型犬の便をチェックすることで、餌の目安量かどうかをある程度判断することが可能です。
コロコロとした硬い便であれば、餌の量が少ないことが考えられます。
逆に柔らかい便であれば、餌は多すぎかもしれません。
適度な硬さの便が出ていれば、餌の量はちょうど良いでしょう。
しかしこれもあくまでひとつの目安として考えなければなりません。
水を飲む量が少ないだけでも、便の硬さは変わります。
そのため、やはり計算式に沿って餌の適正量を算出することが、一番安心することができるでしょう。

犬の餌の量は計算式でしっかり出しましょう

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犬の餌の目安量はパッケージにも記載していますし、便や食欲をチェックすればある程度は判断することができます。
しかし素人目で判断してしまうと、それが犬の肥満の原因となることもあるでしょう。
心配であれば獣医師に聞くのが手軽でしょうが、やはり一番は自分の手で計算式に基づいて餌の量の適正量を算出することです。
少し面倒かもしれませんが、慣れれば成長に合わせてすぐに計算できるようになります。
小型犬の健康を守るために、餌の量の目安を算出してみましょう。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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