音を使ったしつけをする意味
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まずは、犬に対して音を使ったしつけをする意味を知っておきましょう。
必ずしもしつけをする際に音を利用しなくても良いですが、音を使ったほうが効果的であると理解しておくことをおすすめします。
音に対して抵抗がなくなる
音を使ったしつけで第一に考えられるのが、犬が音に対して抵抗がなくなるということです。
犬が苦手な音のひとつである、家のチャイムの音を例えとして挙げてみましょう。
本来であれば、チャイムが鳴ると犬は興奮して吠えだしてしまうかもしれません。
しかしこのチャイムの音を犬の褒める合図にしてしまえば、犬はどういった反応をするようになるでしょうか?
犬は吠えることなく、逆によだれを垂らしてご褒美を心待ちにすることでしょう。
このように、犬の苦手な音でもしつけに利用することで、犬の好きな音にすることができるのです。
犬がしつけにビクビクしなくなる
飼い主が褒めたり叱ったりしていると、犬は飼い主の一挙一動に敏感に反応するようになってしまう可能性があります。
しつけをしていても、犬がビクビクしていたら飼い主としても楽しくないでしょう。
そこで音を使ったしつけを行うことで、犬が飼い主の挙動に敏感に反応しなくなることが期待できます。
特に音を使ったしつけの代表的なものであるクリッカーは、大きな音や声を出さないで良いため、スムーズにしつけをすることができるでしょう。
音を使ったしつけに効果的なクリッカーとは?
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音を使ったしつけに効果的であるのが、クリッカーといわれるトレーニンググッズです。
ボタンを押すことで、「カチッ」と小さな音が鳴ります。
このボタンを、褒めるときには1回押して「カチッ」と鳴らすことで、犬は正しいしつけができているのかどうか理解することが可能です。
このクリッカーを使ったしつけは、クリッカーの音が鳴ったときには褒められていると理解できるため、犬にとっても大変わかりやすいでしょう。
犬の好きな音・嫌いな音
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次に、犬の好きな音と嫌いな音をご紹介します。
ここで知っておきたいのは、それぞれの音はすべてその音の後に良いこと・悪いことが起こるということです。
犬は過去の経験から、好きな音と嫌いな音を聞き分けているのでしょう。
カラカラという音
犬はカラカラと物がなにかの上を転がる音が大好きです。
その音は、ドッグフードが食器に盛られるときの音だから好きなのでしょう。
特に犬にドライフードを与えているのであれば、このドライフードが転がるようなカラカラという音にとても敏感になっているはずです。
おもちゃの音
おもちゃによっては、噛むと音が鳴るものがあります。
犬は、このおもちゃの音が好きなことが多いです。
これは、野生の頃の名残であると考えられています。
犬が獲物を噛んだときの音に感じるため、おもちゃの音が好きなことが多いのでしょう。
予測ができない音
犬は、突然近くで大きな音が鳴ることを嫌がります。
代表的な犬の嫌いな音としては、雷の音が挙げられるでしょう。
雷はなんの前触れもなく突然鳴るため、犬は驚いてしまいます。
このように、突然大きな音が鳴る場所があるのであれば、犬を連れて行かないようにしましょう。
私たちの身近なところでいえば、花火や運動会のスターターピストルの音です。
これらの音は、私たち人間から見れば予測できる音ですが、犬にとってはなぜ大きな音が鳴っているのかわからなく、困惑してしまいます。
人工的な音
犬は人工的な音を嫌がります。例えば、ドライヤーや掃除機などです。
これらのものは、犬にとっては不自然な音と感じます。
掃除機の音を聞くと遠くに逃げてしまう犬も多いでしょう。
トラウマがある音
犬は、特定の音の後に嫌な経験をしたことがあれば、それを嫌いな音として認識します。
家のチャイムの音が代表的です。
チャイムが鳴った後に、見たことのない人が自分の縄張りである家に入り込んできたら、犬はパニックになってしまいます。
このように、一度トラウマを経験した音は、犬が嫌がるようになるでしょう。
音を使ったしつけ方法
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それでは最後に、音を使ったしつけ方法を見てみましょう。
音をうまく利用することで、飼い主の声で褒めたり叱ったりするよりも効果的であることもあります。
クリッカーを使ったしつけ方法
先述したように、クリッカーを使ったしつけは大変効果的です。
犬を褒めるときにはクリッカーを一度鳴らした後にご褒美を与えることで、犬はクリッカーの音が聞こえただけでも尻尾を嬉しそうに振るようになるでしょう。
また、苦手な音が鳴ったときにもクリッカーの音を鳴らした後にご褒美を与えることで、徐々に苦手な音を克服することができるかもしれません。
大きな音でびっくりさせる
犬を叱りたいときは、犬の苦手な音でびっくりさせるのが効果的です。
まず、空き缶にビー玉などを入れたものを用意します。
そして、無駄吠えが収まらないときや、興奮してしまい走り回るときに犬の近くに向かって缶を投げつけましょう。
これは、犬の死角から投げるのが効果的です。
犬は突然近くで大きな音が鳴ったため、驚いて止まってしまうでしょう。
これを何度か繰り返し行うことで、犬は「吠えたり暴れたりすると嫌なことが起こる」と認識するようになり、徐々に問題行動をしなくなることが期待できます。
犬笛で呼びのしつけをする
ドッグランなどで犬が遠くに行ってしまい、飼い主の声が届かなくなってしまうことがあります。
そこで、犬笛を使ったしつけをしてみましょう。
日頃から、呼びのしつけの際に「おいで!」と言った後に犬笛を吹くようにしてみてください。
それを続けることで、犬笛を吹くだけでも犬は近くまで来るようになるでしょう。
音を使ったしつけは飼い主の負担も少ない
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犬には好きな音もあれば、嫌いな音もあります。
それらをうまく利用することで、スムーズにしつけができることもあるでしょう。
飼い主を褒めたり叱ったりすることは、かなりの体力を使います。
しかし音を使ったしつけは、人も犬も負担が少なく、信頼関係が崩れることも考えにくいでしょう。
これから本格的に犬のしつけをしようと考えている人は、一度音を使ったしつけを検討してみてはいかがでしょうか?
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著者情報
けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。