猫が交通事故に遭いやすい理由とは?
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残念ながら、犬や猫の交通事故は増え続けています。
平成28年度、道路局が回収した路上死概数は22000頭にも上ります。
道路に横たわる猫を見たときは、思わず、悲しい気持ちになってしまいますが、死亡するのは犬よりも猫のほうが多いのです。
素早く身をこなし、しかも視覚や聴覚は人よりも何倍も優れているはずの猫が、どうして車にひかれてしまうのでしょうか。
もちろん、猫には人間の交通ルールなどは理解できるわけがないので、交通事故に遭いやすいのでしょう。それに車の動きなどわからないのも理由だと思います。
しかし、猫が交通事故に遭いやすい本当の原因は、猫の持っている特徴にあったのです。
猫は飛び出してしまう習性がある
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猫は、一度、前に進み始めると、まっすぐにどこまでも進んでいきます。まさに猪突猛進の生きものなので、やってきた道をすごすごと引き返すことなどありません。
また、猫は、体の構造上、後ろ歩きや後ずさりがすばやくできないと言われています。
そのため、車が走ってきたところにパッと飛び出してしまうと、気がついたときには、もう後戻りができず、そのまま前に強引に進んでしまったり、驚いて立ちすくんでしまったりするため、車にぶつかってしまうのです。
また、猫は、大きな音や振動が苦手です。車の出す大きな音や振動に驚くと、本能的にその場にうずくまってしまったり、立ちすくんでしまうので、車に轢かれてしまうことになります。
追いかけることに夢中になる
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猫は、狩りの名人です。そのため、追いかけることに夢中になると、追いかけているものしか見えなくなる性質があります。そのため、やってくる車にも気づきません。
たとえば、道路の近くで獲物のネズミや虫を追いかけているうちに、夢中になり、道路に飛び出てしまうことはよくあることです。これは、子どもがボールを追い掛けて道路に飛び出してしまうのと同じです。何かに夢中になると車のことを忘れてしまうのです。
ですから、猫は車がやってきているのにもかかわらず、追いかけているものしか見えていないため、車がまったく視界に入っていないのです。
また、猫は物陰に身を潜めて獲物を狙い、チャンスが来ると一気に飛び出す習性があります。飛び出されてしまえば、ドライバーも避けようがありません。
また、春や秋の発情期も交通事故に遭いやすい時期です。
オス猫がメス猫を追いかけていたり、メス猫を取り合うオス猫同士のケンカのときも同じです。車は見えていないので道路に飛び出してしまって交通事故に遭ってしまうのです。
夜になると瞳孔が開く
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昼間は線のように細い猫の瞳孔ですが、夜になるとより多くの光を取り込めるように広くなります。このため、真っ暗な場所でも問題なく素早く動けるようになります。
しかし、夜に、ヘッドライトの光がとつぜん目に飛び込んでくると、目がくらんで猫は動けなくなってしまうのです。つまり、残念ながら猫は、車に轢かれやすいという要因を複数持ち合わせているということになります。
これらは持って生まれた習性なので、猫は交通事故に遭いやすい生きものなのです。安全のためにも外に出さないのがもっとも安全策と言えるでしょう。
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UCHINOCO編集部
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