野良猫についている寄生虫。種類ごとの効果的な対処法とは?

野良猫にはほぼ寄生虫がついていると言われています。ノミやダニといった、外部寄生虫と回虫などの内部寄生虫では駆虫の方法が異なります。
2019年01月15日作成

  • 猫のカテゴリ - 猫と暮らす猫のカテゴリ - 猫と暮らす

外部(皮膚)の寄生虫にはスポットタイプやスプレーを

出典元:https://www.shutterstock.com

野良猫にはほぼ寄生虫がついていると言われています。寄生虫は、ノミやダニといった体の表面につく「外部寄生虫」と、回虫など体内に寄生する「内部寄生虫」の2種類に大きくわけることができます。

ノミやダニは体表の皮膚や耳の中などに寄生し、かゆみ、皮膚炎、脱毛などの症状を引き起こします。

猫が寝ていた場所に白い砂粒のようなものが落ちていたら、それはノミの卵の可能性があります。ノミやダニの予防には飼育環境の念入りな掃除が大切となります。

ノミは人にも症状を引き起こすことがありますので、放置せずに、積極的に予防するようにしましょう。

ノミやダニを見つけたからと言って、つぶしてはいけません。虫体をつぶすと卵が散らばるので、取ったら洗剤を薄めた水の中へ放ちます。

ノミやダニの予防を行う場合、ペットショップで販売されているものは動物用医薬部外品で効き目がやや弱いので、病院で処方される薬剤のほうがおすすめです。

スポットタイプの駆虫薬

一か所に滴下するだけで全身のノミなどを駆虫してくれるタイプで、猫や人には害は少なく、安全で効果の高い医薬品です。

使い方はかんたんです。猫の首の後ろにある肩甲骨の間の毛をかき分け、チューブの先を皮膚に直接つけて液剤を塗布するだけです。この部分なら猫は舐めることもできません。

薬は24時間かけて猫の体のに広がり、皮脂腺の中にたくわえられます。広がり切るまでは2日間ほどかかりますので、その間はほかの同居猫とは隔離させる、また、舐め取らないように気をつけます。

猫が舐められる場所につけてしまうと、嘔吐をするなどの症状が起きてしまう可能性があるので、つける場所には注意が必要です。シャンプーも控えるようにします。

2日以上経てば、薬成分は皮膚の下に入り込んでいるので影響を受けません。効果は約5週間続きます。
ただし、生まれて12週に満たない子猫には使えません。

スプレータイプの駆虫薬

子猫にはスプレータイプがおすすめです。

使う場合は手荒れを防ぐためにゴム手袋をし、毛をかき分けてていねいに根元にスプレーしていきます。全身にくまなくつけていきます。ただし、目や口などの粘膜にはスプレーしないよう気をつけましょう。その後は自然乾燥させます。

アルコール成分が含まれているので、スプレー後は密閉した場所に入れるとアルコール中毒を起こす恐れがあります。また、引火の恐れがあるため、火の近くに行かせないよう注意をします。

内部の寄生虫には飲み薬が有効

出典元:https://www.shutterstock.com

回虫は、体長10センチほどの白いミミズのような寄生虫です。回虫や条虫(じょうちゅう)の卵を飲み込んだり、寄生されたノミやネズミを食べることで消化器官内に寄生し、栄養分を吸い取ります。

母猫が感染している場合、子猫は母乳から回虫に感染します。
感染すると子猫の場合は症状が重くなりやすく、体重の減少や発育不良が見られます。地面や水たまりなどの環境からうつったり、ノミや蚊などを媒介してうつります。
成猫が発病するとおしりをかゆがったり、下痢や嘔吐、食べているのに痩せるといった症状が出ます。

排泄されたばかりの卵は感染力を持ちませんが、卵の殻の中で幼虫になり、5~10日ほどで感染力を持つようになります。その卵が別の猫の口に入ってしまうと感染します。

動物病院で検査し、もしいたらすぐに駆虫してもらいましょう。

回虫や条虫といった内部寄生虫は一度ではなかなか取り去ることはできません。なぜなら、薬が有効なのは成虫や幼虫だけで卵には効かないからです。そのため、卵が酵化して成長する2~4週間後に再度、駆虫をする必要があります。猫の症状や体重によっても薬の量が変わってきます。

病院に行った日付や処方された薬、飲んだ回数などはメモって置くことも大事です。

予防は掃除です。
感染している猫の便には回虫や条虫の卵なとが混じっています。トイレ掃除をまめに行うようにして感染拡大を防ぐようにします。

多頭飼の場合は他の猫に移さないように気をつけて!

出典元:https://www.shutterstock.com

多頭飼いの場合は、注意が必要です。なぜなら、排泄物を介して寄生虫が他の猫にもうつる可能性が高いからです。寄生虫の卵がウンチと一緒に出され、それをほかの猫が口にするとうつってしまいます。

ですから、先住猫がいる場合は、しっかり駆虫できるまでは一緒にしないことが大切です。

外で生活していた猫は、たとえ短期間でもノミや回虫などの寄生虫がいる恐れがあります。

ノミやダニといった外部寄生虫ならすぐに駆虫できますが、内部寄生虫の場合は一度の薬を与えただけでは完全に駆虫することができません。

しっかりと駆虫することが大切ですから、駆虫が完了するまでは他の猫と一緒にしたり、トイレを共有させるのはやめましょう。

基本的に医薬品は動物病院でしか扱われませんが、ペットショップなどで買えるものもあります。出費を抑えたいときは、手軽に買えるノミ退治グッズなどが便利です。

ノミ取り首輪

医薬品用と、医薬部外品のものがあります。効力も、さまざまです。
しかし、誤った使い方をするとノミだけでなく、猫が皮膚炎を起こしてしまうというものまでがありますので注意が必要です。

ノミ取り粉

猫の体に散布する医薬部外品タイプは、ペットショップでも購入が可能です。速効性はありますが、効果は数日のみ。副作用の可能性があるので、舐めないようにエリザベスカラーをつけるなどの工夫が必要です。


新しく猫を迎えるときは、他の猫や家族のためにも、まずは動物病院で寄生虫がいないか診てもらうことが大事です。寄生虫がいたら、処方された薬の用法を守り、しっかり駆虫しましょう。

著者情報

UCHINOCO編集部

UCHINOCO編集部では、ペットに関するお役立ち情報をお届けしています。

オススメ

新着記事