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シニア犬の食事と老化現象
長い間一緒に過ごしてきたあなたの愛犬にも、個体差はあるものの、7歳を過ぎたあたりから衰え(老化)は訪れます。例えば、寝ている時間が多くなった、歩くスピードが遅くなった、食べる量が減ったなどがあげられます。特にシニア犬にとって気を付けなければならないのは食事です。食事の量が減ったので、体力が落ちてしまうのではないかとご心配なのは分かります。しかし、あまり神経質になる必要はありません。私ども人間でも、加齢とともに食事の量は減りますが、元気なご老人はたくさんいらっしゃいます。シニア犬も同様です。食事の量よりも質に重点を置き、消化機能や運動量などの健康面からシニア犬の食事を考えてみましょう。
シニア犬になったら食事を見直しましょう
シニア犬の食事は低脂肪・低たんぱくのドッグフードに切り替える必要があります。それはシニアになると体の代謝が落ちるためです。また運動量も減るため、これまでと同じ食事の量や質では栄養過多となり、肥満の原因となります。肥満は人間と同様に心臓に負担がかかるほか、肥満により体重が増えると関節に負担がかかり、関節痛や腰痛の原因にもなります。特に気管が細いチワワのような小型犬の場合、首周りの脂肪が増えることによって気道が圧迫されて呼吸困難になるリスクが高くなります。このようにならないためにも、シニア犬の食事は低脂肪・低たんぱくなものに切り替える必要があるのです。市販のドッグフードを与えている方が多いと思いますが、シニア用のドッグフードを与えるようにしてください。
これまでのドッグフード(成犬用)からシニア犬用のドッグフードへ切り替える際には、徐々に慣らしていく必要があります。あなたの愛犬の口に合わないことも理由の一つですが、急にドッグフードを切り替えると、お腹を壊すワンちゃんもいるからです。例えば1回のドッグフードの量が20グラムでしたら、最初の1週間目はシニア用ドッグフードを5グラムにし、残る15グラムはこれまでのドッグフードを与えてください。2週目にはシニア用ドッグフードを5グラム増やし、成犬用ドッグフード10グラム、シニア用ドッグフード10グラムと言うように、段階的に切り替えていきます。シニア犬用に切り替えながら、食事をきちんととっているか、便の様子からお腹を壊していないかなどに注意して移行してください。
シニア犬に食事を与える際にもう一つアドバイスがあります。食器の高さです。シニア犬になると頭部の重さも首に負担がかかりますし、飲み込む力も弱くなってきます。食器を台などの上に載せて頭の位置に高さを上げることによって、食事がしやすくなります。さらに食べ物が食道を通りやすくなるという利点もあります。
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シニア犬が食事をしない時にはどうしたらいいの?
先ほども述べましたが、シニア犬は加齢によって代謝が落ちることや運動量が減ることから、食事の量が減ってきます。時には食事をしない時もあります。そのようなときには、ドッグフードを40度程度のぬるま湯で15分程度ふやかしてから与えてください。水分には栄養分が滲みだしていますから、食器に水分が残っていても捨てずに食べさせてください。温めることによって匂いが増し、食いつきがよくなります。またドッグフードがやわらかくなるため、食べやすくなります。なお、食べることができるくらいに冷めてから与えてくださいね。
ところで、シニア犬が食べないからと言って、代わりに犬用のおやつを食べさせることは絶対に避けてください。犬用のおやつはカロリーが高いこと、ドッグフードを食べないとおやつを食べさせてくれると、あなたの愛犬が勝手に学習してしまう恐れもあります。
私の家にもシニア犬のチワワが4頭います。そのうち10歳超が2頭いるのですが、毎回お湯でふやかしてから与えています。時々食べないこともあるのですが、そのまま放っておき食器を下げてしまいます。病気でない限りお腹がすいて、翌日にはいつもどおり食事を平らげてしまいます。
食事を吐いてしまう場合
シニア犬に限らず犬はよく吐きます。犬の胃が横向きであることや胃液が強力なため、噛まずに飲み込むことが多いのです。また異物などが胃に入った場合も吐きます。しかし、シニア犬の場合には注意が必要です。吐瀉物が消化しきれていない場合と、ある程度消化されている場合では意味が違ってきます。消化しきれていない場合はあまり心配する必要はありません。戻してしまった後も何もなかったかのようにして、時には戻してしまったドッグフードを食べることもあります。一方で、ある程度消化されている場合には注意が必要です。内臓疾患の恐れも考えられます。元気がないなど、あなたの愛犬の状態にもよりますが、念のためかかりつけの動物病院で診て頂いた方がよいでしょう。
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シニア犬には適切な食事と愛情が大切です
犬の平均寿命は15年と言われています。しかし、あなたの可愛い愛犬とは一日でも長く暮らしたいものです。そのためには愛犬にも人間と同じように年齢に応じた生活環境を整えてあげる必要があります。特に大切なのは食事です。7歳を過ぎてシニア犬に達したら、低脂肪・低たんぱくのドッグフードに切り替えるなど、食生活の見直しが必要です。そして一番大切なことは、飼い主であるあなたがシニア犬に寄り添い、愛情をもって共に暮らしていくことに他なりません。
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UCHINOCO編集部
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