犬猫のフィラリア症は予防で防げる! 予防の仕方は?事前検査とは?

犬猫のフィラリア症は、獣医師に処方してもらった薬を与えることで予防できる病気です。ここでは、フィラリア症の予防法について、臨床歴30年以上の獣医師・Y先生にお話をお伺いしました。 2018年03月14日作成

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1. フィラリア症って?

フィラリア症とは、フィラリアと呼ばれる糸状の寄生虫による病気のことを指します。犬猫ともにかかる病気で、蚊を介して感染し、最悪の場合、死に至る危険な病気です。

犬の場合、寄生虫が心臓や肺動脈に寄生することで、血液の流れが悪くなり、様々な障害を引き起こします。フィラリア症の流行地では、予防対策をとらないと90%近い犬が一夏で感染するとも言われています。

犬の病気と思われがちなフィラリア症ですが、猫にも感染します。猫の場合、肺動脈に寄生することが多く、咳や吐き気、食欲不振が見られます。猫は犬と比べると寄生数が少ないため、発見することが難しい病気でもあります。そのため、症状が現れた時にはすでに重症化していることも多いのが特徴でもあります。

2. フィラリア症の治療法は?

フィラリア症は、非常に治療が難しい病気です。主な治療法には、以下の3つがあります。

■投薬

薬剤を投薬し、成虫を駆除する方法です。ただし、成虫駆除後、5〜10日に肺動脈血栓塞栓症の発生率が高くなり、死亡率が30%という推計も出ており、推奨されていません。

■外科手術

けい動脈から鉗子を挿入して、直接寄生虫を取り出す外科手術を行う方法です。これは、非常に難易度の高い手術である上、基本的には大静脈症候群での緊急処置や、大量寄生されている体力のある犬の場合のみに行われる処置でもあります。当然ながら、命を落とすリスクも高く、どの犬でも受けられるものではありません。

■幼虫の予防措置を続ける

フィラリア症の症状が出ていない場合、予防薬を長期服薬することで、新しく入ってきた幼虫のみを駆虫していく方法です。成虫には効果を発揮しませんが、この投薬により寄生している成虫の減少を期待します。とはいえ、駆虫するまでには時間がかかることが多く、心臓や血管、腎臓などに後遺症が残るケースもあります。

3. 最適な予防法は?

フィラリア症を予防するためには、定期的な投薬がもっとも効果的です。予防薬には、内服薬、塗布薬(スポットタイプ)、注射薬があります。いずれも、体の中に入ってしまった幼虫を殺すための薬ですので、獣医師の指導に従い、定期的に投与しましょう。

また、昨今は、フィラリアだけでなくノミ・ダニも一緒に駆除できるオールインワンタイプの薬や犬猫が食べやすい味のついた薬など、様々なタイプも登場していますので、飼い主はペットの好みに合わせたものを選ぶと良いでしょう。

投与は、一般的には「蚊が飛ぶようになってから1カ月後」から「蚊がいなくなってから1カ月後」までの期間に、月に1回決められた日に行います。蚊がいる時期は、お住いの地域によっても変わります。飼い主が勝手な判断でやめてはいけません。獣医師の指導に従って投薬しましょう。

「犬、猫から移る恐ろしい伝染病はいくつもありますが、その一つがフィラリア症です。発症件数は少なくなってきてはいますが、どこで繁栄してくるかわかりません。ですから、これまで予防が確実にできていたとしても安心はできないのです。予防に過剰はありません。ぜひとも、適切な方法で予防を行ってください」(Y先生)

4. 投薬前には検査をしましょう

フィラリア症の予防薬を投与する前には、必ず、動物病院で感染していないかどうかを検査する必要があります。予防薬は、あくまでも幼虫を駆虫する薬ですが、すでに感染していた場合、寄生している成虫にも影響を与える場合があります。予防薬で寄生していたフィラリアが大量に死に、犬猫がショック状態に陥ってしまう可能性も否定できないため、事前検査が必須なのです。

フィラリア症感染の有無は、血液検査でわかります。また、これまで予防薬を飲んでいたからといって、検査をしなくていいということはありません。

投薬を忘れてしまった月があったり、犬や猫が薬を吐き出してしまっていたり、胃腸の調子が悪くて薬剤を吸収できていなかったりと、きちんと飲ませていたつもりでも予防ができていないこともあります。毎年、飲み始める前の検査を徹底しましょう。

5. 獣医師の指導をあおぎましょう

フィラリア症は犬猫にとって大変怖い病気ですが、予防によって防げる病気でもあります。飼い主としては、確実な予防をしなければなりません。

最近では、ネット通販などで予防薬が販売されていますが、このページでご紹介した通り、予防薬を投与する前には血液検査をして感染の有無を調べる必要があります。飼い主の自己判断で投薬せずに、必ず動物病院に行きましょう。獣医師の指示の元、適切な予防を行うことが、愛犬・愛猫を病気の危険から守るのです。

著者情報

UCHINOCO編集部

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