去勢手術は何歳にしてもらうべき?その方法と負担について

去勢手術は全身麻酔が必要ですので、少なくとも愛犬には負担がかかります。適期やどんな手術なのか、去勢手術についてご紹介します。 2018年03月02日作成

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家族に愛犬を迎えていると去勢手術を考える必要があります。去勢手術の適期、メリットやデメリットをご紹介します。

1.適しているのは生後6か月~1歳

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去勢手術に適した年齢は性成熟する前、すなはち生後6か月~12か月頃と言われています。

去勢手術は全身麻酔が必要ですので、早すぎてもよくありません。麻酔に耐えうる体に成長しているか、動物病院の獣医師に相談しましょう。

手術を行う年齢に制限はありませんが、心臓病や腎臓病など他の臓器に疾患があると麻酔のリスクは高まります。特に先天性疾患がなければ、若くて健康上問題ない時期に去勢を行うほうがリスクは低くなります。

2.去勢手術を行うメリット

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去勢手術の直接的な目的の一つは望まない仔犬の妊娠防止です。他にも攻撃性の低下、マーキング行為の減少、発情によるストレスをなくす、などを期待して去勢を行います。また、精巣自体の病気や雄性ホルモンに関連した病気の予防も重要な目的にあげられます。去勢により精巣の腫瘍化や精巣炎など精巣自体の病気のリスクはなくなり、その他にも前立腺肥大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫などの病気のリスクを減らすことも期待できます。

3.去勢手術を行うデメリット

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精巣を摘出するため、生殖機能はなくなります。全身麻酔のリスクも考慮しなければいけません。頻度としては少ないですが、まれに命に関わる場合もあり、それは術前にしっかり検査をしていても予期できないこともあります。

また、縫合糸に対して「アレルギー反応」を起こす場合もあります。切開部位に炎症がある、しこりがある、滲出液がでる、傷の治りが悪い、などの症状があれば疑わしいです。手術後も気にかけてあげることが必要です。

4.去勢手術の時間・費用は?

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去勢手術の費用は、犬のサイズや動物病院によって多少の差が出てきます。通常の去勢手術の場合は1万5千円~3万円程度を目安として考えておくといいでしょう。合併症がある場合、追加の治療費がかかることがあります。また陰嚢内に精巣が降りていない犬の場合(潜在精巣の場合)は開腹手術が必要となることがありますので、料金も変わります。詳細は動物病院にご確認ください。

手術時間についてですが、通常の去勢手術の場合はおおよそ20〜30分程度だと考えておきましょう。しかし、潜在精巣の場合や精巣腫瘍の場合はこの限りではなく、ケースバイケースです。通常の去勢手術の場合は、午前中に動物病院に連れて行き、夕方頃には自宅に連れ帰ってあげることが出来ます。ただ、体調異変、術後の経過観察のために1日入院になる場合もあります。これも犬の状態や動物病院によって差がありますので確認しておきましょう。

5.去勢手術をすると性格は変わる?

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去勢手術をした後、愛犬の性格が変わるということも多いです。しかし、これは極端に性格が変わるわけではなく「性ホルモンに関する行動」がなくなっている状態。「メスにアピールするための、マーキング行動」や「発情期のメスに誘われて騒ぐ」といったことがなくなるという変化です。愛犬の性格そのものが変わってしまうわけではありません。

性ホルモンによる攻撃性も軽減されるので、噛みつきや吠えかかりなどの行動改善にも繋がります。ただし、これらには個体差があります。

メリットだけでなくデメリットも把握しておこう

去勢手術はメリットばかりではなく、少なからず愛犬に負担がかかることも理解しておく必要があります。年齢を重ねた犬の場合、全身麻酔によるリスクは高くなりますので、獣医師の判断で去勢手術を止める場合もあります。十分にメリットとデメリットを把握し、検討する必要があります。

この記事は獣医師が監修しています

本間 克巳

・本間獣医科医院長
・北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
・小動物臨床専門
・その他、海外協力事業とNPO法人の活動、アジア諸国への病院設立、人医師との腎臓移植・腹膜透析・細胞再生医療などの共同開発事業など幅広く活動中

著者情報

UCHINOCO編集部

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