犬に豆を食べさせても大丈夫?栄養素や与える際の注意点について

豆類は、畑の肉ともいわれるほどたんぱく質や栄養が豊富に含まれています。
そんな豆は、犬に食べさせることができるのでしょうか?
この記事では、豆の栄養素や犬に豆を与える際の注意点についてご説明します。 2020年11月13日作成

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犬に豆を食べさせても大丈夫?

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まずは本題である、犬に豆を食べさせても問題ないかどうかについて見てみましょう。
また、豆にはたくさんの種類があるため、食べられない豆があるかどうかもご説明します。

基本的には食べても大丈夫

結論からいうと、犬に豆を食べさせても問題はありません。
たんぱく質が豊富な豆は、むしろ積極的に犬に与えたほうが良い食材ともいえます。

生のまま与えるのはNG

犬に豆を食べさせるのであれば、かならず茹でてから与えるようにしましょう。
生の豆には、犬にとってデメリットが多くあります。
まずは、豆の形状です。
豆は小粒であることが多いため、食べ物を丸呑みする犬は豆を喉に詰まらせてしまう可能性が考えられます。
また、生の豆にはトリプシンインヒビターという成分が含まれており、犬はこの成分を消化するのに人間の数倍もの時間を要するといわれています。
このトリプシンインヒビターは、犬によってはアレルギーを発症してしまう可能性もあるでしょう。
そのため、犬に豆を与えるのであれば、加熱してから与えるようにしたほうが良さそうです。

与えないほうが良い豆類

後述するように栄養素が豊富に含まれている豆ですが、与えないほうが良い種類もあることを覚えておきましょう。
まずは、大豆です。
大豆は先述したトリプシンインヒビターが多く含まれているため、犬に与えないほうが良いでしょう。
また、大豆にはグルシニンという成分も含まれており、グルシニンは鉄の吸収をするのに適さない成分といわれています。
そのため、特にシニア犬や貧血気味の犬に対しては大豆を与えるのは避けたほうが良いでしょう。
ちなみに、私たち人間も好んでいる人が多い枝豆は、犬に与えないほうが良い豆類のひとつです。
枝豆は大豆の未熟果であるため、食べると大豆同様の症状が見られることが考えられます。
栄養素が豊富な枝豆ですが、食物繊維が多く含まれているため、食べ過ぎると下痢をしてしまうでしょう。
もちろん少量であれば問題ありません。

大豆加工品は与えても問題ない

大豆ミートや豆腐などの大豆加工品は、犬に与えても問題ありません。
特に豆腐は柔らかいため、後述するようにシニア犬におすすめです。
しかし大豆の水煮は、中が硬いことも考えられるため、注意しましょう。
また、煎り大豆は硬くて喉に詰まらせる可能性があるため、大豆加工品であっても与えないほうが良さそうです。

豆に含まれる栄養素

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畑の肉といわれる豆には、どのような栄養素が含まれているのでしょうか?
豆に含まれる栄養素と、犬への期待できる効果について見てみましょう。

たんぱく質

豆は、畑の肉といわれることもあってたんぱく質が豊富です。
たんぱく質は筋肉や血液を作るのに必要であり、犬の豊富な運動量を補うための栄養素でもあります。
そのため、ドッグスポーツに取り組む犬にとっては、特に必要な栄養素といえるでしょう。

食物繊維

豆には、食物繊維も含まれています。
食物繊維は腸内環境を整える効果があるため、便秘の予防も期待できるでしょう。

サポニン

豆には、サポニンという栄養素が含まれています。
サポニンは、抗炎症作用や活性酸素の除去などの効果が期待できる栄養素です。
そのため、シニア犬にとっても豆は必要な栄養素を補うことができるといえます。
ただし、先述したように豆は小さく喉に詰まりやすいため、シニア犬に与える際は特に注意する必要があるでしょう。

亜鉛

豆には、味覚を正常にする効果が期待できる亜鉛も含まれています。
亜鉛は、ほかにも皮膚の健康を保つ効果があるといわれています。

カルシウム・鉄分・ビタミン

骨の健康に欠かせないカルシウムですが、豆にも豊富に含まれています。
ほかにも血液の下となる鉄分は、なんと鉄分の代表的な食材とされるほうれん草と同程度含まれているのです。
また、ビタミンB群やビタミンEも多く含まれています。
このように、畑の肉といわれる豆には、その名に恥じないさまざまな栄養素が含まれていることがわかるでしょう。

犬に豆を与える際の注意点

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最後に、犬に豆を与える際の注意点についてご紹介します。
手作りフードで豆を食べさせてみようと考えている人は、参考にしてみてください。

かならず十分に加熱してから与える

先述しましたが、犬に豆を与える際は十分に加熱してから与えましょう。
生の豆のまま与えてはいけないのはもちろん、中まで十分に火が通っていなければ消化不良の原因にもなります。
そのため、中までしっかりと柔らかく加熱してから与えると良いでしょう。
もちろん、味を付けずに加熱をしてください。
ちなみに、煎り大豆は火が通っていますが、与えてはいけません。
煎り大豆は固くて喉に詰まらせる可能性があるほか、消化不良も考えられます。
そのため、犬に豆を与えるときにはしっかりと中まで火が通って柔らかくしてから与えましょう。

与えすぎに注意!

豆は栄養素が豊富な食材ですが、与えすぎには注意が必要です。
どんな食べ物もそうですが、豆は食物繊維などが豊富に含まれているため、食べ過ぎは下痢などの原因にもなります。
ひとつの目安として、全体の20%程度の量を上限にして与えましょう。
おすすめなのは、すべてを手作りフードにすると飼い主の負担が大きくなるため、普段与えているドッグフードにトッピングをするように豆を与えることです。
ドッグフードも総合栄養食であれば十分な栄養は確保できていますが、豆をトッピングすることでさらにたんぱく質を補給することができます。

シニア犬には大豆ミートや豆腐などの加工品もおすすめ!

大豆を肉に見立てた大豆ミートや、柔らかくて食べやすい豆腐などの加工品も、犬に与えて問題ありません。
特にシニア犬であれば、豆腐は食べやすくて喉に詰まらせる心配も少ないでしょう。
ですが、豆腐を冷たいまま与えるとお腹を冷やす原因となるため、常温程度に温めてから与えることをおすすめします。

かならず十分に加熱して与えましょう

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犬に豆を与えることは、犬にとってメリットが大きいです。
しかし、どんな食材にもいえることですが、豆も与えすぎると消化不良や下痢などの原因になります。
また、中が柔らかくなるまで加熱をしなければ、犬に与えてはいけません。
かならず十分に加熱してから、適正量を与えるようにしましょう。
正しく与えることで、栄養素が豊富に含まれている豆は、犬の健康を保ち続けてくれることが期待できます。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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