猫が威嚇する時どんな姿を見せるの?
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猫の威嚇として、定番なのは「シャー!」という声ではないでしょうか。その他にも、威嚇を示すポーズや鳴き声はいくつかあります。
鳴き声
まず、「シャー!」や「フー!」は怒りや恐怖を感じた時に発しやすいと言われています。例えば、いきなり大きな音が鳴る、飼い主さんが大きな声を出すなど、びっくりして恐怖を感じた時などがありますね。また、爪切りなどで暴れても身動きがとれない状態などの時なども、声で威嚇してくることがあるでしょう。
猫同士の争いなど、一触即発でバトルが始まりそうな緊張感であれば、「ウウウーッ」と低く唸るような声を出すこともあります。恐怖でパニック状態の時には、「アオー」と高めの声で鳴くことも。シャンプーの時や、病院など慣れない環境におかれた時に出やすいかもしれません。
姿勢
威嚇する時の猫の姿勢は独特です。いつでも相手に飛びかかったり、自分の身を守れるように頭を低くし背中を丸めるように立ちます。そして、尻尾の付け根は立ちますが先端は垂れ、弓のような形になるのも特徴です。全身の毛を逆立てて、こうしたポーズをとるのは自分を大きく見せるためだそう。尻尾を大きく膨らませたり、左右に激しく振ることもあります。
表情
威嚇時の気持ちによって表情が変化するとも言われており、耳が水平に伏せていて瞳孔が開いている状態であれば防御的、逆に耳が外側を向いて瞳孔が細くなっていれば攻撃的であることの表れともされています。
猫が威嚇する相手に対し、目を見開いて瞬時に黒目の部分が増えます。徐々に威嚇相手に照準を合わせるため黒目が細くなっていきます。
口を開けて牙を出すこともありますが、これは怒りの程度により変わってくるようです。
これって威嚇?ちょっとした文句のつもりかも
威嚇と同じような仕草を見せても、実はちょっとした不満や文句の表れというケースもあります。
例えば、「シャー!」は威嚇の代表的な仕草ではありますが、「シャー!シャー!」と激しく鳴く時と、「シャー」と弱々しく鳴く時とでは、意味が違うこともあるんです。どちらにしても、「シャー」は不快感の表れではありますが、軽く1回だけ「シャー」と鳴く時は文句程度のことも多いです。家の中で歩いていたら足元の猫にぶつかった時など、こうした文句を言われることもあるかもしれませんね。
他にも、子猫に多いケースでは、ご飯中の「アオアオ」「アウアウ」ですね。飼い主からしたら、「怒りながら食べてるの!?」と驚くかもしれませんが、猫にとってはただ夢中になっているだけのことです。しかし、だからといって食事中に撫でると怒りの鳴き声に変わってしまうことも。
猫が威嚇する主な原因とは?
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猫が何の理由もなしに威嚇してくることはありません。恐怖や不安、不快感、敵意を感じる何らかのきっかけがあるはずです。これは、完全室内飼いで他の猫との接点がない場合にも起こりますが、できるだけストレスを感じさせないようにすると威嚇の頻度を減らすことができます。
恐怖を感じた時
大きな音や声がいきなりすると、驚いて瞬時に威嚇モードになることがあります。飼い主さんがふと視界に現れて驚いた時などにも、びっくりした様子から瞬時に威嚇モードに発展することは、珍しくありません。
縄張りが荒らされた!と感じた時
猫は自分の縄張りを大事にします。来客や引っ越し、模様替えなど環境が変化した時には、縄張りが荒らされたと感じ威嚇行動をすることも。新たに猫を迎えた時に先輩猫が威嚇する場合もそのためです。
飼い主さんや嫌いな人への不満
飼い主さんがしつこく触ったり大声で話すと、猫が嫌って威嚇することもあります。抱っこが嫌いな猫を無理矢理抱っこするなども同じです。こうした場合は、これ以上やめて欲しい、近づいて欲しくないという警告の意味で威嚇することが多いです。
体調が良くない
どこかケガをしていたり、体調が悪い時には、猫はじっと身を潜めるようにして回復を待とうとすることがあります。この時ばかりは、いくら甘えん坊でも飼い主さんに触られることを嫌がることが多く、飼い主さんが心配して触ろうとすると威嚇することも。不調が続くようなら、動物病院への受診をおすすめします。また、発情期には一時的に攻撃的になり、威嚇が増えることもあるようです。
猫に威嚇された時のベストな対処法
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猫が威嚇してきた時は、その原因や状況ごとに対処しましょう。間違った方法で何とかしようとすると、飼い主が怪我をしたり、猫の不安を煽ったりする可能性もあり、良い関係性を保つ妨げになります。
飼い主さんと遊んでいる最中に威嚇されたら
ブラッシングやおもちゃで一緒に遊んでいる時に威嚇されたら、無視が一番。目を合わせず、その場をそっと離れてあげます。猫にとっては、飼い主の接し方が気に入らず怒ってしまったのかもしれません。怒りの原因となった行動をただちに中断しましょう。
猫同士が威嚇し始めたら
多頭飼育の家庭では時に、猫同士で威嚇し合うこともあるでしょう。縄張りを荒らされたなど、猫にしか分からない事情でケンカが始まることも多いです。
ここで飼い主さんが手を出すと引っ掻かれたり噛みつかれたりすることもあります。箒など棒状の道具を使って猫の動きを制御し、威嚇が止まらなければ別の部屋に移動させるなどして距離をとりましょう。
新しい猫を迎えた時、先住猫が威嚇した場合は、慣れるまで別々に過ごさせましょう。新入りの猫をケージに入れ、毎日数分ずつだけでもケージ越しに対面させ徐々に慣らしていきます。
子どもや赤ちゃんに威嚇したら
突然大きな声を出したり、力加減を知らず触ってくる子どもや赤ちゃんは、猫が苦手とする存在です。猫から近づくことは少なく、どちらかと言えば子どもや赤ちゃんから近づいていくことが多いでしょう。猫が怒っているかどうかを判断できない子どもや赤ちゃんは、むやみに猫に近づけないようにしましょう。
威嚇に対して適切に対処しよう
今回は猫の威嚇の理由や対処法、威嚇の時に見せる仕草をご紹介しました。
猫の威嚇には何らかの理由があります。普通に生活していても、猫が驚いて咄嗟に威嚇してしまうことはよくあることです。
猫が威嚇するのは不快感や恐怖などの表れなので、できるだけ威嚇しなくて済むような環境を整えてあげることが大切です。
威嚇してくることが多い場合は、環境や自分自身の行動など猫への接し方を振り返ってみましょう。
著者情報
こば
小さな頃から保護された犬や猫を迎えて生活。現在は黒猫の「ジジ」に翻弄されながら、発見と感動の毎日を送っています。
実体験を振り返りつつ、飼い主さんの役に立つような情報を分かりやすく記事にすることを目標にしています。