家電メーカーとして名高いSHARPから販売されているのが、猫ちゃん用のシステムトイレ型「ペットケアモニター」です。システムトイレとしての使いやすさはもちろん、猫ちゃんが排尿するだけで、「体重」「尿量」「使用回数」「滞在時間」「設置場所周辺の温度」と5つの項目を自動で計測。ペットケアモニターを無線LANに接続していれば、自宅にいなくても専用アプリで猫ちゃんの様子がわかります。
今回は猫ちゃんの健康管理に役立つ「ペットケアモニター」について、企画&営業担当者の大石さんと開発担当者の後田さんに、製品のアピールポイントや猫ちゃんと飼い主さんへの想いをお聞きしました。
「ペットケアモニター」のここがオススメ
「ペットケアモニター」の仕様決定に大きく関わっている後田さん。開発担当者として具体的にどんな所にこだわりましたか?
後田:「できるだけ猫ちゃんのことを考えて設計した」というのが、こだわりポイントです。データを正確に測れること以外にも、以下のような部分にこだわりました。
・猫ちゃんのストレスになるノイズ音の除去
・ケーブル噛みによる感電対策
・防水対策
・お手入れの簡単さ
・個体識別バッジ電池交換のお知らせ
・電気代の安さ
例えばスケールユニットには接続ランプがついているのですが、夜になると目立つので、猫ちゃんの刺激にならないよう、正常運転中はランプを完全消灯するように工夫しました。消灯していても接続が切れたりすると点滅して、飼い主さんが気づきやすいようにしています。
また、猫ちゃんって人間に比べて耳が良いので、人間が聞こえなくても猫ちゃんにとってノイズになる音があるんです。人間が聞こえない領域の音も測って、猫ちゃんのストレスにならないように開発に取り入れています。
---猫ちゃんの負担にならないよう、見ただけではわからない部分まで、徹底して工夫されているんですね。
後田:安心・安全であることにもこだわりました。猫ちゃんが本体ケーブルを噛まないかと心配する飼い主さんもおられると思いますが、万一噛んでも感電して怪我することはありません。ケーブルに流れる電流は、一般的な家庭用コンセントの交流100Vではなく直流5Vで、流れる電流も1Aと非常に小さいんです。
そして、スケールユニットは防水対策をしているので、オシッコがかかっても中に入りにくい仕組みになっていますし、万一入ったとしても安全な設計になっています。SHARPには長年蓄積したノウハウに基づいて、厳しい安全・信頼性基準があります。それをクリアした製品しか発売できません。24時間稼働の電気製品だと安全面は特に気になりますので、ペットケアモニターも同じ基準で設計・評価しています。
---猫ちゃんが安心して使えるかというのは、飼い主さんが一番心配な部分。SHARPの長年の知識と技術が詰め込まれているとわかると使ってみようかなと思えますね。
後田:ほかにも、飼い主さんが使いやすいように設計した部分もあります。掃除しやすいように、汚れが落ちやすい形状にしています。ペットケアモニターを近くで見てもらうとわかりますが、表面にポツポツという凹凸をつけることで、汚れをくっつきにくくしているのです。
尿量が測れるという特性を使って、シートの交換時期をアプリでお知らせしたり、個体識別バッジも電池交換のタイミングを2段階でお知らせするようにしています。
---2段階というのが良いです。ズボラな私は「まだ行けるでしょ」と思ってしまうので、いよいよダメだという時にアプリがお知らせしてくれれば、「電池無くなってたー!!」という最悪の事態も防げそうです。
後田さん:それと、電気代が安いです。1年使って頂いても、100円いきません。
---それは、大きなポイントですね! 猫ちゃんの健康を管理するためとは言っても、飼い主の金銭的負担が大きすぎると続かないので、電気代が安いのは大いに助かります。
多頭飼いさんに朗報! 1つのアプリで猫ちゃん10匹までOK
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個人的に良いなと思ったのが、多頭飼いにも対応している点だと思うんでが、いかがでしょうか?
大石:日本では約10世帯に1世帯の割合で、猫ちゃんを飼っています。そのうち、2匹以上が40%、さらにそのうちの90%が3匹まで飼っていると言われています。
そのため当初は3匹まで個体識別ができると謳っていたのですが、調べてみると10匹まで識別できると分かりました。現在は「ペットケアモニター」1つで10匹までペアリングできます。
後田:また、「ペットケアモニター」本体を後から追加しても、アプリを操作して追加する本体の設定を行うだけで、すぐに使えるようになります。
個体識別のための専用バッジを猫ちゃんが嫌がることはありませんか?
大石:バッジ自体は9グラムありますが、私たちが調べた限り、重さも大きさも猫ちゃんの抵抗感はありません。「うちの猫ちゃん、首輪しても大丈夫かな?」と飼い主さんが心配している場合も、実際にはダメだったというお話はほとんど聞いたことがありませんね。
後田:猫ちゃんが違和感を感じないように、バッジのサイズを先に決めて設計してあります。
大石:またバッジに使っているのはコイン電池なので、ボタン電池よりも交換頻度が少ないんです。ボタン電池だと3ヶ月に1回交換するところを、コイン電池だと約1年に1回の交換で済むため、飼い主さんの負担も減ります。
---アプリへの登録や電池の交換って、地味に手間がかかるんですよねぇ。こういう作業はなるべく少ないに限ります!
こんな人にも「ペットケアモニター」を使って欲しい!
猫ちゃんの健康を考える飼い主さんの中でも、特におすすめしたい人はいますか?
大石:「取扱説明書を読まなくても使えるように」というのを念頭に置いて開発したので、取扱説明書を普段読まない人にも使ってもらいたいです。
後田さん:取扱説明書を読まなくても設定ができるように、登録の流れをアプリ上で表示できるように設定しています。アプリ上の説明も発売後にアップデートして、わかりづらい部分を少なくしました。
---取扱説明書を読まない人、つまり私ですね。読んだ方が良いと思いつつ、面倒くさくてほとんど読まないので、アプリ上で使い方や登録方法がわかるという、この取り組みには大いに賛成です。
後田:いかに簡単に使えるかというのを重要視しています。アプリをダウンロードさえすれば使える製品になっているという点が、飼い主さんへの良いアプローチかなと感じています。
大石:また、中には猫ちゃんが使ってくれないんじゃないかと不安な飼い主さんもいると思います。ほとんどの猫ちゃんが割とすぐに慣れてくれますが、慣れには個体差がありますが、慣れてくれない猫ちゃんにも地道に使い続けて欲しい。今まで慣れるまでにかかった最長期間は2ヶ月です。
諦めずに取り組んでいただければ、健康管理という本来の使い方ができるようになると思います。
---猫ちゃんが使ってくれるかどうかに関しては、飼い主さんのやる気も必要かもしれないと。猫ちゃんの健康管理を継続して行うために、最初は大変だとしても、続けていきたいですね。
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製品担当者として、猫ちゃんと飼い主さんに伝えたいことを教えてください。
ペットとの悲しい想い出も、楽しい想い出も、製品開発の力に
大石:「しゃべれない、常に一緒にはいられない、それならこれがベストな商品です」と伝えたい。
家族である猫ちゃんといつまでも一緒にいたいと思えば思うほど、猫ちゃんの健康管理は避けては通れない。猫ちゃんが長く健康でいられるように、何かあったとしても体調変化に早く気づいてあげるために、「ペットケアモニター」が一番向いているという自信があります。
健康な猫ちゃんは食事や睡眠のリズムが比較的一定であるため、健康管理が簡単なんです。なので、体調の変化によって生活リズムが崩れた時に、いち早く気づけることが大切です。
猫ちゃんもワンちゃんもですが、痛みに強く、調子が悪いと隠れるという特徴がある。以前私が飼っていたワンちゃんがケガをした時にそのことに気づけなかったので、他の飼い主さんにはそんな経験をして欲しくないんです。
---私も飼っていたワンちゃんが体調を崩した時に、血尿が出るまで病気に気づいてあげられず、ひどく後悔した経験があります…。記録したデータがアプリで通知されるので、もし変化があれば、目に見える症状がなくても、動物病院に連れて行こうと思うきっかけになりますね。
大石:それと、部屋に長時間いなくても猫ちゃんのことがわかるので、安心するという飼い主さんの声も多いですね。
後田:私は自宅で猫ちゃんを飼っている訳ではないんですが、実家の猫ちゃんをアプリで家族共有してもらったんです。実際アプリではじめて通知が来た時には、感動しました。開発していた時には予測していなかった、何とも言えない喜びがありました。
実家の猫ちゃんでさえとても嬉しいので、毎日猫ちゃんに接している飼い主さんは、それ以上の喜びがあると思います。何とも言えない感覚を飼い主さんにもぜひ味わって欲しいです。
製品担当:(左)後田さん(右)大石さん
猫ちゃんの体重やオシッコに関するデータが記録できる、SHARPの「ペットケアモニター」。正確に測れる、猫ちゃんが使いやすいという本来の目的とは別に、安心・安全であることや、飼い主さんへの配慮など、細かな部分への気遣いが感じられました。
それもこれも、猫ちゃんと飼い主さんが長く健康に一緒にいられるようにという想いがあってこそ。「ペットケアモニター」は猫ちゃんの健康管理がメインですが、誕生日やはじめてお家に来た日など、サプライズ的なお知らせをしてくれるとのこと。画像やちょっとしたメモなども記録できるので、猫ちゃんとのライフログとして、長く利用できそうですね。
著者情報
UCHINOCO編集部
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