猫の皮膚病の症状
一口に皮膚病と言っても、その症状は様々です。
・痒がる
ほとんどの皮膚病で見られる症状です。しきりに痒がる様子があれば、皮膚の異常があるかもしれません。
・体を舐める
例えば前肢など、うまく掻けない部位に皮膚病が発生すると、猫はその部分を舐めるようになります。
猫はグルーミングを欠かさない動物ですが、ある一か所を集中的に舐めている場合は要注意です。
・毛が抜ける
体の一部分だけ脱毛が見られる場合です。
皮膚のトラブル以外の内分泌系の疾患でも脱毛が見られることがあります。
・皮膚が赤い
被毛が多くてわかりづらいですが、痒がっている部位の毛をかき分けてみると赤みが広がっていることがあります。
耳、腹部などの毛がない部分では簡単に見つけることが出来ます。
・鱗屑
いわゆる「フケ」です。
乾燥によっても見られますが、あまりにも多い場合や痒みを伴っている場合は皮膚病の可能性があります。
猫の皮膚病の原因
原因も種々ありますが、猫で多いとされている疾患を紹介します。
下記以外の皮膚病にもかからないわけではないので、日々のチェックは欠かせません。
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皮膚糸状菌症
被毛に感染する真菌(カビ)です。
強い痒みと脱毛を引き起こします。
感染力は非常に強く、人獣共通感染症でもあるので人間にも感染します。
そのため、速やかに抗真菌薬による治療を行う必要があります。
外部寄生虫
ノミやダニの事を外部寄生虫と呼びます。
これらの寄生虫の唾液中には、アレルギー物質が含まれており、吸血の際にこの唾液が血液中に入ることで痒みを引き起こします。
ノミやダニの寄生は、月に1回の塗布薬または内服薬で予防が可能です。
屋外に出ないからと言って安心は出来ません。
家の中の温度はある程度一定に保たれていますので、家具の裏やカーペットにはノミの卵があると言って間違いありません。
また、人間が外部寄生虫を屋外から持ち込んでしまう可能性もあります。
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舐性皮膚炎
猫の舌はザラザラしているので、皮膚を舐め続ける事で皮膚炎が生じます。
皮膚を舐めてしまう原因はいくつかありますが、ストレス(心因性)によるものが多いようです。環境の変化や運動不足など、猫のストレスを取り除くことが皮膚病の予防に繋がります。
好酸球性肉芽腫症候群
皮膚に肉芽腫という炎症性のしこりが出来る疾患です。
しこりの周りには、痒みや脱毛が見られる事もあります。
病変部からは、白血球の一種である好酸球が採取されます。
発生する原因はわかっていませんが、ストレスやノミアレルギー、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などが関わっていると考えられています。
痤瘡(ざそう)
猫のアクネとも呼ばれます。
主に下顎や口唇部に黒いツブツブが見られます。
軽度の場合は無症状ですが、毛包に炎症が起きている場合などでは痒みや皮膚の赤み、化膿が見られます。
皮膚病を疑ったら
皮膚病には、様々な原因があります。
特に感染性のあるものもあるので、むやみに触らず、動物病院で検査を受けましょう。
やむを得ず触ってしまった場合は、よく手を洗いましょう。
皮膚病の治療は主にシャンプーと内服薬で行います。
猫の場合、シャンプーを嫌う子も多いため、治療の方針は獣医師としっかり相談してください。
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UCHINOCO編集部
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