母犬が子犬を噛むのは当たり前の行動?
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母犬と子犬を同時に育てていると、ある時母犬が子犬を噛むという光景を、目にします。飼い主さんとしては、何が起こっているのかわからないので慌てて引き離そうとするわけです。この行動の意味をよく知っておくことで、少しおおらかな気持ちで、見守れるようになるのです。基本的に母犬は子犬を噛むことで教育をしているのです。
親は子を育てるときに、時には強く語気を強める場合があります。それを犬に置き換えて考えてみると、母犬は子犬に何かを覚えさせようとするときには噛んでそれを伝えようとしているわけです。
ただ移動させたいとき
今子犬が居る場所から少し移動させたいときにも口を大きく開けて、子犬を噛むように挟み込んで移動させる場合があります。よく見ると、状況はわかるのですが一瞬、母犬が子犬を攻撃しているのでは?と思えるときもあるのです。
子犬は自分で上手に移動することができません。そのために、母犬が首部分を咥える方法しかないのです。決して噛んでいるわけではありません。母親なりに、一生懸命に子犬に接しているわけです。
噛む強さや加減を母犬が教育
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子犬も母犬を甘噛みする場合があります。本能的に母犬は子犬に噛む強さの加減を教え込むのです。状況に応じて強く噛みすぎると相手にダメージを与えてしまうということを含めて、実際に子犬を噛んでその強さなどを教えているのです。
遊びの延長で相手を強く噛んでしまうことで、痛みを与えてしまいます。そのことを身を持ってわからせようとするのが母犬です。母犬は子犬を叱るときにも、噛むことで伝えようとします。強く噛むことはいけないこと、を何とか子犬に教えようとする母犬の努力だと受け入れてください。
子犬を叱るために噛むこと
とにかく、いけないこと=噛んで教える、という習性を母犬は持ち続けます。母犬は常に加減をしながら子犬に接していると信じてください。無理に引き離すと、母犬から威嚇される場合があります。その方がかえって危険です。
一番危険なのは母犬が、噛む加減を誤っている場合です。万が一、子犬が悲鳴を上げて痛みを訴えているような場合には、母犬が加減をわからずに子犬を噛んでいると考えられます。速やかに、子犬と母犬を引き離し様子を見るなど、臨機応変に飼い主さんが対処すればよいのです。
帝王切開で生まれた子犬を噛む母犬の場合
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帝王切開という経験は、母犬にとっては緊急事態です。当然、自分が生んだ子犬という認識は薄く、母乳を飲ませるのも一苦労というのはブリーダーさんの世界ではよくあることです。帝王切開のために、子犬に対して母性を示すことが出来ない場合に、子犬を攻撃してしまうということはよくあることです。
この場合には、母犬の環境を最善に考えてあげましょう。飼い主さんが育ての親になる気持ちで、母犬と子犬の間に入り、絶対に噛むことでの事故が起きないように配慮するべきでしょう。未熟な母犬は簡単に子犬を傷つけてしまいます。帝王切開という出来事が特に、母犬を攻撃的にしてしまう場合もあるからです。
母子を離すほかない場合も
子犬の身の安全と、母犬の心の安定のためには母子分離で育てるしかありません。そして、一般的な母犬のように、子犬を教育するという場面には至らないということを、飼い主さんが見切っておきましょう。母犬を労わり、子犬を育てるという二本柱の状況を整えて、母犬の気持ちが少しずつ子犬に向き始めるまでは、飼い主さんが必ず子犬を抱いた状態で、母犬に近づけるということが基本です。
何よりも母犬の気持ちを優先して考えてください。理由もなく子犬を噛むことは絶対にありえないからです。そこを重要視して、母犬と子犬を慈しんで育てることが大切です。
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UCHINOCO編集部
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