犬の体は病原菌に弱いため、必要に応じて予防接種を受けさせてください。今回は、犬の予防接種にはどのような種類があるのか、加えてワクチンの注意点をご紹介します。
1.予防接種をする目的
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予防接種は、感染症にかかった時にその症状を軽くするためのものです。つまりワクチンを接種したからと言って、絶対にその感染症にかからないというわけではありません。それでも万が一かかった時のことを考えると、重症化しない道を選んでおいた方が良いでしょう。
ワクチンは、体の中で抗体を作り出すきっかけになってくれます。そもそも抗体とは、ウイルスに打ち勝つ免疫のことです。本来ならば、一度その感染症にかかってウイルスと戦わなければ、抗体は生まれません。しかし、実際に症状を発症させるわけにはいかないので、ワクチンを使って免疫力を高めるのです。
2.予防接種の種類は2種類
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日本で行われている予防接種には、主に2つの種類があります。1つは狂犬病予防接種で、もう1つは混合ワクチン接種です。狂犬病予防接種はすべての犬に義務付けられたワクチンで、年に1回の接種が基本となっています。狂犬病は人間にも感染するため、それを予防するため愛犬の予防接種も定期的に行わなければなりません。
混合ワクチンは1回の予防接種で、いくつもの感染症を予防できるワクチンのことです。少ないものは2種、多いもので9~11種類ほど含まれていますが、必ずしもすべての種類を病院で扱っているとは限りません。製薬会社によって何種類の感染症予防ができるか異なるので、気になる方は事前に確認しておきましょう。混合ワクチンは狂犬病予防接種と違い、任意のワクチンとなっています。
3.予防接種を受ける前の注意点
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予防接種は、愛犬の体調が悪い時にわざわざ受ける必要はありません。むしろ、いつもより元気がない場合や疲れが出ている場合は、後日体調の良い日に受けに行きましょう。ワクチンはウイルスの濃度をうすく調整したもの。言い換えれば、ワクチン接種は体の中に異物を入れるのと同じことです。通常よりも免疫力が低下している時に異物が入ったら、副作用が強く出る可能性があります。ワクチン接種は、元気な犬に行なうのが前提条件ですので、しっかり体調を整えてから行きましょう。
4.副作用にも注意
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「以前受けた時は何も問題なかったから、今回も大丈夫だろう」という過度な安心はいけません。前回の予防接種で愛犬の様子に変化がなくても、今回は体調が優れず、予防接種後に具合が悪くなる可能性も十分考えられます。その日の体調をよく見てから、病院へ連れていってあげてください。また、ワクチンの種類によってはアレルギー反応を起こすこともあります。本当にそのワクチンを打って大丈夫な体なのか、前もって医師と相談しておくと安心です。
副作用の事例ではアレルギー反応の他、赤い腫れやかゆみ、下痢、嘔吐などがあります。このような症状が出ることも考えて、予防接種はなるべく午前中に済ませておきましょう。もし様子がおかしい時は、すぐに病院で診てもらってください。副作用が出なくても、体に負担をかけないために、2、3日は安静に過ごさせることが大事です。
5.予防接種は毎年受ける?
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狂犬病の予防接種は毎年必ず受けなければなりませんが、その他の予防接種は、そこまで頻繁に受ける必要はないでしょう。ワクチンを打つことは、少なからず犬の体に負担をかけます。本来ならば、予防接種をせずに健康を保ってほしいところです。
予防接種は、免疫力の低い子犬の時期に受けておくことがとても大切。そのため幼犬期以降は、大体1~3年ごとを目安にした予防接種が望ましいとされています。ワクチンの種類によって効果の持続力は異なるので、効果が短いものはなるべく毎年受けておくと良いかもしれません。愛犬の年齢も気にしながら、あまり負担をかけない方法を選びましょう。
6.愛犬に合わせてワクチンを選択しよう
ワクチンにはそれぞれ目的がありますが、すべてを愛犬に受けさせなくても大丈夫です。愛犬の生活環境によって接種すべきワクチンは異なり、副作用の心配もあるため、むやみに予防接種を受けさせることだけは気をつけましょう。愛犬が感染症で苦しむことのないように、本当に必要なものだけを選んで接種させてください。
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UCHINOCO編集部
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