【猫と寝言】愛猫が寝言を言う理由は?この状態なら注意が必要かも…

日頃から愛猫が寝ている姿をみていると、「むにゃむにゃ」と寝言を話しているときがあります。かわいいなと思う反面、「何で寝言を言うのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?そこで今回は、猫が寝言を言う理由について解説します。 2021年04月18日作成

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猫が寝言を言う理由にはさまざまな説があります。愛猫の様子やその日の出来事を思い浮かべながら、なぜ寝言を言っているのか想像してみてください。

猫が寝言を言うメカニズム

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睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があり、寝言を発するメカニズムに深く関係しています。

レム睡眠とノンレム睡眠

【レム睡眠】
レム睡眠とは、体は休んでいて脳は起きている状態です。
脳が活動しているため、ちょっとした音や振動でパッと目が覚めるほどの浅い眠りなのが特徴です。

【ノンレム睡眠】
ノンレム睡眠とは、脳が休息をとっており、完全に熟睡している状態です。
脳の活動が休息に入っているため、小さな物音や振動程度で目を覚ますことはありません。

睡眠時にはレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返すことで体全体を休息させており、この仕組みは人間も猫も同じです。

猫が寝言を言うメカニズム

猫が寝言を発するのは、人間と同じように浅い眠りである「レム睡眠」に入っているときだと言われています。

レム睡眠状態で脳が起きていると、その日の出来事や過去の記憶など、さまざまな情報が脳内で伝達されます。

その過程で、夢としてみた情景や過去の記憶にリンクし、無意識のうちに発してしまうのが、「寝言」の正体です。

猫は1日に12時間~16時間ほど寝る動物ですから、睡眠時間の長さも相まって、寝言を言う機会も人間より多くなると考えられます。

猫が寝言を言う理由とは?

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猫が寝言を言う具体的な理由は何でしょうか?
まだはっきりとした理由は解明されていませんが、寝言を発する理由としてよく言われているものをいくつかご紹介します。

① 「夢」をみている

夢をみているときに寝言を発する場合があります。

飼い主さんと遊んでいる夢、母猫と一緒にいた幼少期の夢、狩りに出ている夢など、過去の記憶や想像上の出来事を体験しているのだと考えられます。

人間もそうですが、夢の中で話していた内容を起床後に家族から質問されることもありますよね?

猫も同じように夢の中で誰かと一緒にいて、その中で発した言葉が寝言として表れているのかもしれません。

② 記憶や情報を整理している

睡眠には1日の出来事を整理する役割があります。

その日にあった出来事を記録として整理し、これまでの記憶とつなぎ合わせることで情報の整理をおこないます。

その際、さまざま情報が脳内を行ききする過程で脳が活発になり、新たな夢を構成する要因となるようです。

③ 外部の音や振動に反応している

脳が起きているレム睡眠時は、小さな音や振動に反応して目を覚ますことがあります。

例えば、飼い主さんの声に反応する、近寄ったらすぐに気づくなどです。

レム睡眠時でも聴覚は正常に働いていると言われています。
愛猫が飼い主さんの声や物音、振動に反応して寝言を発しているようなら、起きているときと同じような感覚で反応しているのかもしれません。

④ 体調が悪い

猫の体調が悪いときにも寝言のような音を発する場合があります。

呼吸器官の通りが悪くなっているときにみられる兆候であり、鼻水やくしゃみなどの症状が出ているかもしれません。

愛猫の健康状態に異変を感じたら、すぐにかかりつけの獣医師に診てもらいましょう。

猫の寝言にはどんな種類があるの?

猫の寝言にもいくつか種類があると言われています。
いくつか代表的なものをご紹介します。

① 「ニャオ」(要求やじゃれているときの声)

「ニャオ」または「ニャオニャオ」と寝言を発しているときは、夢の中で楽しい体験をしている場合だとされています。

飼い主さんに撫でてもらっているのか、好きなおやつを食べているのかわかりませんが、このような寝言は嬉しい気持ちを表しているようです。

② 「シャー」(威嚇時の声)

夢の中で喧嘩などをしている際に発する声です。

起きているときに見せる威嚇時の声色と近いのが特徴的。

あまりにも激しく寝言を発しているようであれば、夢の中で危ない体験をしているかもしれませんので、一度様子をみたうえで起こしてあげてもいいかもしれません。

③ 「クックッ」(獲物を見つけたときの声)

猫は獲物を見つけた際に「クックッ」と声を発する習性があります。

ネズミや鳥、その他小動物の狩りをしている夢をみているのかもしれません。

④ 「フーン」(リラックスしているときの声)

「フーン」や「ンー」などの寝言を発している場合は、猫が安心して寝ている状態を表しているようです。

飼い主さんの膝の上など、お気に入りの場所でくつろいでいる夢をみているのかもしれません。

普通の寝言じゃない?注意すべき寝言とは?

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猫が寝言を発している際に気を付けて観察しなければならない場面があります。
どのような場面なのか、いくつか例をあげて紹介します。

① 痙攣をともなう寝言

寝言の声量が大きい、体全体が痙攣しているなどの症状がみられる場合は、何らかの病気の疑いがあります。

「てんかん」などの発作が原因となっている可能性があるため、一刻も早く動物病院を受診しましょう。

※「てんかん」は発病までに目立った兆候がみられない病気です。そのため、急にてんかんによる発作を引き起こしてもおかしくありません。普段の様子との違いを感じたら、すぐにかかりつけ医に診てもらいましょう。

② 吐き気を催している

猫は毛づくろい(グルーミング)を頻繁におこないます。

飲み込んでしまった毛玉は、通常なら便による排泄か定期的に毛玉を吐き出すことで自然に取り除かれる仕組みです。
しかし、うまく排出できなかった毛玉が体内に蓄積すると、「毛玉症」などの病気を発症するリスクが高まります。

毛玉を吐き出そうと嘔吐行動を取る猫もいるため、そのときに発する音が寝言のように聞こえる場合もあります。

注意深く愛猫を観察し、日頃の毛玉対策として定期的なブラッシングとトリミングをおこなうようにしましょう。

③ いびきをかいて寝ている

ちゃんと観察していないと寝言と間違ってしまいがちなのが「いびき」です。

通常、いびきをかくこと自体には何の問題もありません。

いびきの中にも病気が原因となって音を発するものもあり、急に大きないびきをかくようになった、いびきの頻度が多くなったなどの症状がサインとして表れます。

愛猫が寝言を発するときはいつも以上に観察を!

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猫が寝言を発する理由はさまざまですが、病気が原因の場合も考慮して、日頃から注意深く観察するようにしておきましょう。

「なんか様子がおかしい」そう感じ取れるのは飼い主さんだけ。

愛猫がどのような寝言を発しているのか、どれくらいの声量なのかなどをしっかりと確認し、いち早く異変に気が付けるよう見守ってあげてくださいね。

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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