猫に生肉は食中毒等の危険も!与える前に知っておきたい注意点とは

猫に生肉を与えることは健康上問題ないのでしょうか?実は、スーパーで販売されている肉をそのまま与えるのは危険です。そのリスクや注意点をご紹介します。 2020年12月10日作成

  • 猫のカテゴリ - 猫の食べ物猫のカテゴリ - 猫の食べ物
  • VIEW:1,058

猫に生肉を与えても大丈夫?

出典:https://www.shutterstock.com

結論から言うと、猫は生肉を食べることができます。
猫はもともと肉食なので、本来の食性から考えるとそれは何ら不思議ありません。
しかし、生肉を与えることには様々なリスクがあります。

猫の健康を考えるのであればそれらのリスクや注意点をしっかりと理解しておく必要があります。

なぜ生肉が良いという意見があるのか

猫の飼い主さんの多くは市販のキャットフードを与えているかと思いますが、近年は、手作りのフードにこだわったり、キャットフードの質から選んでみたりと、より猫にとって健康に良いものを求める飼い主さんも増えました。

そんな中、猫に生肉を与えることが良いとする意見もみられます。
実際に普段の食事として生肉を与えている飼い主さんもいます。猫にはキャットフードを与えるのが当たり前、と考えている飼い主さんは驚かれるかもしれませんが、そう珍しいことでもないようです。

これは、もともと猫が野生で暮らしていた時の自然な食性に近づけた方が良いとする考え方に基づいているようです。もともと猫は小型の哺乳類や昆虫を捕まえて食べる肉食動物です。飼い猫であればキャットフードのみを食べるケースが多いですが、それでも肉食動物ということに変わりはありません。

生肉を食べるメリットとは

猫が生肉を食べることで得られるメリットは、熱によって失われる酵素を補える点だと言われています。
酵素は、消化吸収を助ける働きがあるとされ、生の肉の方が加熱した肉よりも消化しやすく胃腸への負担をかけにくいようです。
また、ドライフードに比べ水分含有量が多く、水分の摂取にもつながるとされています。

しかし、当然生の肉にはデメリットもあるため、きちんと確認してから与えるかどうかの最終判断をしましょう。

猫に生肉を与える時にはここに注意!

出典:https://www.shutterstock.com

猫の本来の食性を考えると、生肉を食べることはむしろ自然なことなのかもしれません。しかし、人間が用意する生肉と、自然界で獲物として捕まえて食べる生肉とでは違いもあり、様々な面で注意が必要です。

食中毒や寄生虫感染のリスクがある

生食用として販売されるものは別として、どんなに衛生管理に厳しい日本においても、生肉は加熱して食べることが前提として販売されています。

牛肉や鶏肉などはカンピロバクターや病原性大腸菌など、食中毒の原因となる細菌が生肉に付着している可能性があります。また、豚肉には特に多いとされる寄生虫の心配もあります。さらに、妊婦さんが感染すると胎児に影響すると言われるトキソプラズマが付着している可能性も否定できません。

ジビエ肉は人間の中でもちょっとしたブームになりましたが、これは当然ながら生で食べるのは厳禁です。

生産段階から衛生管理の行われていない野生動物の肉は、加熱が必須です。野生の猫は、捕まえた獲物を新鮮のうちに食べます。

スーパーに並ぶんでいる肉は、購入するまでに既に時間が経過しており、それだけ菌の繁殖リスクが高まっているのです。

冷凍すれば有害な菌も死んでしまうのでは?と考える方もいるようですが、一般的な家庭用冷蔵庫の冷凍温度では、十分な殺菌効果はなく、安全性は保障されていません。

もちろん、捕まえたばかりの獲物でも菌や寄生虫がいる可能性はあります。猫が野生で生きてきた時代はそのようなリスクを常に負いながら生活していたのです。
実際、現在も野生で生きる猫を保護して病院に連れていったら、寄生虫などが見つかったというケースは非常に多いです。

栄養バランスの乱れ

猫は肉食動物だからと、生肉を食事として与え続けていると、栄養バランスが乱れる原因にもなります。

人間が猫のために生肉を用意する場合、スーパー等でできるだけ新鮮な切り身を購入することになるでしょう。

しかし、野生の猫は肉だけでなく内臓なども食べて必要な栄養を補っています。つまり、切り身だけを与えても、猫にとって必要な栄養がバランスよく食べられるというわけではないのです。

猫に生肉を与えたい時は

生肉を与えることのメリットとデメリットを見比べて、それでも生肉を与えたいと考える場合は、鮮度に十分に注意し、なるべく脂肪の多い部分を避けて与えましょう。調理器具はきちんと洗って衛生的に問題のないものを使用し、豚肉や内臓部分は避けることをおすすめします。

栄養バランスが崩れないよう、量はティースプーン1杯程度にとどめ、あくまでも栄養は総合栄養食で補われることをおすすめします。

市販のキャットフードの中には、猫用の生肉として販売されているものもあります。スーパーで並んでいる生肉を購入するよりは、猫のために加工されたものの方が安心でしょう。

これまで生肉を食べたことのない猫の場合、食べないケースも考えられます。食べ慣れないものを口にすることで、下痢や嘔吐などを起こしてしまう可能性もありますので、猫の様子をしばらく注意深く観察し、いつもと違った様子があれば動物病院へ相談しましょう。

猫に生肉は無理して与える必要はない

ここでは、猫に生肉を与える場合の安全性や注意点、あげる際のポイントをご紹介しました。
人間と暮らす猫にとって、総合栄養食をきちんと食べていれば生肉を与える必要はありません。
もし、非常に生肉に興味を示すようなら、今回ご紹介したメリットやデメリットを考慮した上で検討しても良いでしょう。

著者情報

こば

小さな頃から保護された犬や猫を迎えて生活。現在は黒猫の「ジジ」に翻弄されながら、発見と感動の毎日を送っています。
実体験を振り返りつつ、飼い主さんの役に立つような情報を分かりやすく記事にすることを目標にしています。

オススメ

新着記事