猫にトマトをあげても大丈夫?知っておきたい注意点

トマトに含まれる栄養や成分は、猫にとって良いものなのでしょうか?今回は、猫にトマトをあげても良いのか、注意点を含めてご紹介します。 2020年06月11日作成

  • 猫のカテゴリ - 猫の食べ物猫のカテゴリ - 猫の食べ物
  • VIEW:1,037

トマトが好きな猫がいる!?

出典:https://www.shutterstock.com

猫はもともと肉食の動物です。人間に飼われるようになってから、少しずつ食べるもののバリエーションは増えてはいますが、基本的には酸っぱいものが苦手だと言われています。そのため、猫がトマトに興味を示すのはどちらかと言えば珍しいのかもしれません。

しかし、猫を飼っている飼い主さんのブログなどを見ていると、「うちの子はトマトが好きなんです」と紹介されているものもあります。猫の好みも千差万別ということでしょうかね?

もしかすると、食卓に並ぶトマトに興味を示す猫もいるかもしれません。また、トマトは人間によってはダイエットや健康に役立つ食材としても知られていますから、猫にもあげたいと考える飼い主さんもいるでしょう。

しかし、猫にトマトをあげる時には、いくつかの注意点があります。これらの注意点を知らずにあげてしまうと、猫の健康を損ねてしまうことにもつながるため、しっかり把握しておきましょう。

トマトは猫が食べても大丈夫?

基本的には、注意点を守れば猫がトマトを食べても大丈夫です。たくさんの人が知っているとおり、トマトにはリコピンという抗酸化作用のある成分が豊富です。その他にも、ビタミンCやビタミンE、ベータカロテンなどの栄養も含まれています。

これらの栄養が人間と同じように吸収されるとは限りませんが、栄養バランスを考慮し手作りのフードを作る方には役立ちそうですね。

ただ、これはしっかり熟したトマトの果肉部分に関してのみ言えることです。実は、トマトの葉っぱや茎、花は毒性のある成分が含まれており、猫が口にすると健康を損なう可能性があるため注意が必要です。

食べても良いのは熟した果実のみ!

ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)が発表する「猫に毒性のある植物リスト」には、なんとトマトが載っています。ただし、トマトに関しては「熟した果実に毒性はない」と補足されています。

ですから、トマトの場合、食べてはならないのは葉、茎、花、熟していない果実ということになりますね。なぜ熟した果実以外は毒になるのか、もう少し詳しく見てみましょう。

トマチンという成分が毒性を持っている

トマトには、トマチンという成分が含まれています。このトマチンは、トマト自身が昆虫から身を守るために出す成分です。トマトが赤く熟した状態になるまでの間、こうして身を守っているんですね。

トマチンは、ジャガイモの芽にあるソラニンと非常によく似た成分だと言われています。ジャガイモの芽の毒性については、周知の事実ですね。もし、トマチンを摂取した場合、その毒性によって中毒症状を起こす可能性があります。

例えば、下痢や嘔吐、腹痛、呼吸困難、血便などがトマチンの主な中毒症状です。いかにトマチンが猫にとって危険なのか、わかりますね。

ではなぜ、熟した状態であれば猫が食べても大丈夫なのでしょうか。実は、トマチンは果実が熟して赤くなる頃には減少していくからです。食べ過ぎは他の問題にもつながりますが、熟したトマトなら猫が食べても問題ないほどトマチンは少なくなっているようです。

猫にトマトをあげる際の注意点

出典:https://www.shutterstock.com

猫がトマトを好む場合、どのくらいが適量なのか、何に気を付けたら良いのか知っておく必要がありますね。詳しく見ていきましょう。

猫にとっての適量は?

私たち人間は、トマトの摂取量についてあまり意識していないかもしれませんが、猫にあげる時は別。しっかり量を管理してあげましょう。

目安としては、ミニトマトなら1個、大きなトマトは1/16程度が適量と言われています。トマトには水分が多く含まれていますが、食べ過ぎによって下痢などお腹をゆるくさせてしまう恐れがあるため注意が必要です。

無理にあげる必要はない

総合栄養食を毎日食べている猫にとっては、トマトは毎日食べなくても何ら問題ありません。たくさん食べることで健康につながるわけではないため、好む場合はコミュニケーションの一部としておやつ代わりにあげる程度で良いでしょう。

総合栄養食は、猫に必要な栄養をバランスよく配合して作られています。体重や体質、年齢に応じた量をきちんと食べていれば、他のものを食べる必要はありません。ですから、トマトを好まない猫に無理をして食べさせるのはやめましょう。

アレルギーに注意する

トマトが体質的に合わない場合、アレルギー症状が出る可能性もあります。特に初めて口にする時には、普段の様子と変わりがないかしっかり観察しましょう。食べ慣れていない食材をあげる時には、少量ずつ様子を見ながら行うのが鉄則です。

アレルギー症状の主なものとしては、下痢や嘔吐、かゆみ、震え、元気のなさなどがあげられます。もし、こうした症状やいつもと違う様子が見られたら、迷わず動物病院でみてもらうことをおすすめします。

熟した果実以外は与えない

先ほどもご紹介したように、未熟なトマトや葉っぱ、花、茎には毒性のある成分が多く含まれています。特に家庭菜園等でトマトを栽培している家庭では、猫が誤って口にしないように注意しましょう。

トマトはひと手間加えた方が食べやすい

猫がトマトを食べる場合、好みにもよりますが、生の状態よりもひと手間加えた方が食べやすいようです。もともと肉食の猫にとって、トマトの消化は苦手です。体の負担を考えると、ミキサーにかけたりすり潰した方が食べやすい可能性があります。特に皮は消化しにくいため、湯剥きして取り除くと良いでしょう。

小さく刻んだトマトをキャットフードにかけてあげたり、スープにしたりすると食べやすさが増すのではないでしょうか。種も、できるだけ取り除いてあげた方が良いですね。

猫にトマトをあげる時には適量を守って安全に

今回は、猫がトマトを食べても大丈夫なのか、またトマトをあげる際の注意点を含めてご紹介しました。いくらトマトを好むといっても、あげすぎには注意が必要です。猫の健康を損なわないように、適量を守り体調の変化に注意しながらあげましょう。

家庭菜園でトマトを栽培している家庭では、トマチンという毒性のある成分から猫を守ることも大事です。普段、猫にトマトをあげていない場合でも、興味をもって葉っぱや茎、花をかじらないように対策しておきましょう。

参考サイト

トマトマト(参照日2020-5-14)
https://tomato-food.com/196/

著者情報

こば

小さな頃から保護された犬や猫を迎えて生活。現在は黒猫の「ジジ」に翻弄されながら、発見と感動の毎日を送っています。
実体験を振り返りつつ、飼い主さんの役に立つような情報を分かりやすく記事にすることを目標にしています。

オススメ

新着記事