フェレットに必要な「ジステンパーワクチン」
親離れをしたばかりの赤ちゃんフェレットは免疫力がとても低く、病気にかかりやすい状態にあります。
命にかかわる病気もありますので、赤ちゃんの時期は定期的なワクチン接種が必要になります。
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ジステンパーワクチン
フェレットのワクチンで代表されるのが「ジステンパーワクチン」です。
主に、犬、猫、アライグマ、イタチなど肉食の動物に発症する伝染病の一つです。
強い伝染力があり、接触のほか飛沫感染も起こります。
感染すると数日間の高熱ののち、脱力、脱水などの状態に陥る。
その後、呼吸器の異常や神経症状が現れ、最悪の場合死に至る恐ろしい病です。
ジステンパーワクチンは、少量のジステンパーウイルスを注入することで抗体を作る作用があります。
フェレットは生後1か月半ごろまでに最初のワクチンを接種します。
その後、生後半年ごろまでに計3回のワクチンでジステンパーを予防します。
1歳を超えたフェレットは一般的に年に1回のワクチンを打つようになります。
ワクチンのメリット・デメリット
大切なフェレットの命を守るためにワクチンの接種は必要なことですが、注意すべき点もあります。
ワクチンのメリットとデメリットを確認しましょう。
メリット
・ジステンパー予防
先ほど述べた通り、ジステンパーは命に関わる危険な病気です。
現時点では感染した動物に近づけないことと、ワクチン接種でしかこの病気を予防することはできません。
・定期検診の役割
年に1回のワクチン接種にともない、獣医さんでの定期検診の機会を設けることができます。
ワクチンのついでに健康診断をする飼い主も多いです。
デメリット
・副作用の可能性
ワクチンを打つことで、発熱、下痢、嘔吐などの副作用(アナフィラキシーショック)が起こる可能性があります。
ワクチン接種後はしっかりと様子観察をする必要があります。
・発症は防ぎきれない
ワクチンは少量のジステンパーウイルスを投与することで、抗体を作る目的があります。
容量やその時の体調などによっては、ジステンパーを発症するというリスクがあります。
・フェレット用ワクチンがない
上記の内容に通じますが、現在フェレットに使用されるワクチンは犬用の混合ワクチンが主流です。
犬用のものを流用しているため、容量を間違えるとジステンパーにかかる可能性があります。
これらのデメリットから、高齢のフェレットや持病を持つフェレットにはワクチンの接種を勧めない獣医さんもいます。
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ワクチンの適切なタイミング
年に1回のワクチン接種ですが、フェレットにとって適したタイミングがあります。
最後のワクチンから1年サイクル
赤ちゃんのときに打った3回目のワクチンから1年後を目安に毎年接種することになります。
多くの動物病院では時期が近くなるとお知らせをくれるので、時期を見逃さないよう気を付けて下さい。
「午前中・早い時間」に接種
デメリットの点でお伝えした通り、ワクチンには副作用の可能性があります。
副作用が起こると接種後30分ほどで嘔吐や下痢、ふらつきや痙攣などの症状が現れると言われています。
ワクチン接種後はフェレットの様子に変化はないかよく観察し、急変した場合はすぐに病院へ行けるようにしておきましょう。
午前中の接種を推奨するのは、容体が変わったときすぐに診てもらえるためです。
また、休診時間なども事前に調べておくと良いでしょう。
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フェレットにワクチンは本当に必要?
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フェレットがジステンパーにかかると「致死率100%」とも言われています。
予防できるのであればしておくに越したことはありません。
しかし、病気を防ぎきれないことや副作用のリスクを考えるとワクチンの必要性には疑問の声もあり、まだまだ研究が続いています。
若いフェレットはジステンパーにかかると進行が早いと言われ、高齢のフェレットは副作用が出やすいと言われています。
獣医さんとしっかりコミュニケーションを取り、最善の方法でフェレットの命を守りましょう。
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UCHINOCO編集部
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