野良猫を保護したとき、行うべき医療ケアとは?

野良猫を保護したら、まず動物病院へ行くことが大切です。そこで行える医療ケアとはどんなものなのでしょうか。
2019年04月23日作成

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保護したらまずは寄生虫駆除を

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野良猫を保護したら、まずは動物病院へ連れていきましょう。

元気そうに見えても病気かもしれません。野良猫の体の表面にはたいていノミやダニが、耳の中には耳ダニ、お腹の中には回虫などの寄生虫がいます。中にはいない猫もいますが、「いるもの」と思ったほうがいいでしょう。

寄生虫は「外部寄生虫」と「内部寄生虫」の2種類に分けることができます。ノミやダニなど体の表面につくのが「外部寄生虫」、回虫や条虫など体内に寄生するのが「内部寄生虫」です。

それらの寄生虫は健康被害を及ぼすのはもちろんのこと、万が一、そのまま連れ帰ってしまうと家の中がノミやダニだらけになってしまう恐れもあります。

ですから、まずは動物病院へ連れて行き、健康診断と寄生虫駆除の薬を処方してもらいましょう。

ノミとダニの予防は液体を体表に垂らすスポットタイプの薬剤を使用すれば、基本的に24時間で死滅します。ただし、内部寄生虫は一度では取り切れないので、再度駆虫をする必要があります。

ウイルス検査について

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猫エイズは「猫免疫不全ウイルス感染症」のこと。知っている人も多いと思いますが、人間のエイズウイルスと同じ仲間ですが、それほど重い症状にはならないのが特徴です。

感染すると、リンパの腫れや熱が出たりしますが、外見からはわかりにくいもの。徐々に抵抗力が衰え、口内炎や風邪がなかなか治らない、どんどん痩せていくといった症状が出てくるようになります。発症してしまうと対症療法しか行えない、不治の病です。

しかし、中には感染しても発症しない猫(無症状キャリア)もいます。見かけは元気ですが、ほかの猫にウイルスをうつす可能性があるのでやっかいです。

また、「猫白血病ウイルス感染症」についても注意が必要です。発症すれば免疫不全、貧血、リンパ腫など造血器系の腫瘍を引き起こします。

ですから、「猫エイズ」と「猫白血病ウイルス感染症」は同時に検査することができるので、動物病院で検査を行ってもらいましょう。

先住猫がいる場合には、保護した猫が感染症をもっているかどうかのチェックは不可欠です。猫白血病などの感染症は同じ部屋で飼うと先住猫にも病気をうつしてしまうので注意が必要です。

ワクチン摂取について

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ワクチンはウイルスによる感染症を予防するもの。打てば絶対に安全というわけではありませんが、猫の健康を守る大切な手段となります。外に出る猫なら感染症を防ぐためにもワクチンは有効です。

2カ月目、3カ月目、4カ月目と体力のない子猫のときは3回接種し、1歳以降は1年に1回を推奨しています。室内飼いなら感染症のリスクが低いので3年に1度でいいという意見もあります。しかし、ペットホテルを利用する場合はワクチン接種が義務付けられている施設がほとんどです。

感染症を予防できるワクチンですが、いくつかのリスクもあります。ワクチンは免疫力を高めるために、毒性を弱めたウイルスを体内に入れるものです。そのため、発熱などの副反応が出ることがあります。

副作用のリスクも考え、体調の悪い日は接種を避けるようにし、接種した日はできるだけ猫の様子を見るようにしましょう。

ワクチンには3種混合、4~5種混合、単独の「猫免疫不全ウイルス感染症」ワクチンなどがあります。かかりつけの獣医に相談して猫に合ったワクチンを選ぶようにしましょう。

猫が弱っていたら治療してもらう

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野良猫を保護したら、最初に動物病院で総合的な健康診断をしてもらいます。

元気そうに見えても、弱っていることもありますし、また、見た目に弱っている猫の場合は、体の負担になる駆虫薬は後回しにして治療に専念したほうがいいでしょう。

しかし、体中がノミだらけで寄生虫のせいで体が弱っている場合もあります。そういうときは駆虫を急いでやる必要があります。同じようにワクチンも元気になったときに行います。

すぐに行うべき医療ケアは、猫のそのときの状態によって違ってきます、何を優先するべきかを判断をするには経験や知識が必要なので、経験の少ない方は獣医師に判断をしてもらうようにしましょう。


野良猫を保護したら、まずは動物病院で検査をしてもらいましょう。話せない猫の健康状態をしっかりと把握し、猫の状態に合わせたケアをすることはとても重要なことです。

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UCHINOCO編集部

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