ドッグトレーナーに聞く! 犬のしつけがうまくいかないときは!?

犬を飼い始めて、多くの飼い主が悩むのが「しつけ」。今回は、ドッグインストラクターでホリスティックケアカウンセラーの田島さんにお話をお伺いました。 2019年02月24日作成

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ドッグインストラクター&ホリスティックケアカウンセラー
訓練 登録番号 223313037
【田島きよこさん】

1. どうしてしつけが必要?

犬のしつけは大切だとよく言われます。しかし、そもそも、どうしてしつけが必要なのでしょうか。

「ワンちゃんは、あまりにも私たちの側にいすぎていて、パートナーや自分の子ども、友達と思っている方もいらっしゃいます。しかし、どれほど近い距離にいても、やっぱり、動物であることに変わりません。

動物であるワンちゃんが、人間の社会で、人間のルールで生活していかなければならないので、人間という群れのルールを教えてあげる必要があります。していいこと、してはいけないことを教えてあげる。それがしつけだと思います」(田島さん)

2. しつけはいつから?

しつけはいつから始めればいいのでしょうか?

「お家に来たその日からスタートするのが良いと思います。とはいっても、まずはお名前を呼ぶことから始めます。お家に来たら、お名前で呼びかけるようにしてください。

お名前に反応するというのは、とても大切なしつけです。お名前を呼んだら飼い主の元に来ることで、事故を防止することにもなります。

その後、生活のリズムを整えていく上で、サークルに入れたり、ハウスで寝られるようにしていきましょう。

子犬のしつけをするに当たって、首輪にならして、首輪をつけている子はとても扱いやすいので、首輪ならしも早いうちに行うことをおおすすめします」(田島さん)

また、人に触られること、新しいものや初めて見るものなどにも、少しずつ慣れていけると、その後のしつけがしやすくなります。

3. しつけがうまくいかなかったらどうする?

犬と暮らす中で、しつけに関する悩みを抱える飼い主は多いのではないでしょうか? しつけがうまくいかなくなった場合に、飼い主はどうしたら良いのでしょうか?

「若いワンちゃん、子犬は、お勉強中のことは、成功と失敗を繰り返します。ですから、昨日できたことが今日できなかったり、この間まではできていたのに急にできなくなってしまったりということは、実は当然のことなのです。成功と失敗を繰り返し、反復学習を重ねて定着し、しつけが完成していきます。しつけがうまくいかなかった、ではなく、もしかしたら、成長の途中なのかもしれませんよ。

私は、しつけは一生かけて行っていくものだと思っています。飼い主が諦めなければ、おそらく、いつかはできるようになります」(田島さん)

とはいえ、どうしても行き詰まってしまうことはあります。そんな時には、伝え方やコミュニケーションの取り方を見直してほしいと田島さんは言います。

「私たちドッグトレーナーがトレーニングをする時に、4つの大きなポイントをあげています。1つはタイミング。2つ目は声のトーン、3つ目は一貫した態度をとること、そして4つ目が忍耐です。

まず、タイミングは、悪いことも良いこともその場で伝えなければいけないということ。よく現行犯逮捕と言いますが、悪いことはその場で叱る。そして、叱った瞬間にびっくりしてワンちゃんが止めたら、『そうだよ』と一言声をかけてあげるんです。そうすると、ワンちゃんに良いこと、悪いことが伝わりやすくなります。

次に、飼い主の声のトーンが一緒だと良し悪しがワンちゃんには伝わりにくいので、号令をする時は号令の声、叱る時は叱る声、褒める時は褒める声とトーンを変えてあげましょう。そうすることで、ワンちゃんはより早く理解することができ、誤解が減ります。

一貫した態度というのは、家族全員が同じ態度をとるということです。例えば、子どもたちはスリッパを使って遊んでくれるけれども、お母さんお父さんはダメと叱る。そうすると、ワンちゃんは良いのか悪いのかルールが理解できず、混乱してしまいます。家族全員が一貫性を持って接してあげることも大切です。

そして最後に、飼い主は忍耐力を持ってワンちゃんに接することです。1年後くらいにしつけが成功するというイメージで、ゆっくりと焦らずに進んでいきましょう」(田島さん)

それでも、どうしてもしつけが進まないという場合には、ドッグトレーナーやしつけ教室を頼ってみるのもおすすめです。その場合、愛犬の行動がエスカレートする前に相談に行ったほうが、短期間でいい方向に持っていくことができます。

「私は、思い込みってあると思うんです。もしかしたら、飼い主の方たちは『この子はこうだから』と思い込んでいるだけかもしれません。専門家と話すことで、違う角度からその子を見ることができたり、実は飼い主が逆の行動をしていたり…新たな視点で見ることで解決することもあると思います」(田島さん)

4. 絶対にやってはいけないことは?

では、しつけを進めていく上で、飼い主がしてはいけないことはなんでしょうか。

「いけないことをしてしまった時に、声を荒げて、手をあげてしまうことですね。
直す時は冷静に、平静に、いけないということだけを伝えることが大切です。あなたが憎いのではなくて、あなたの行動が今、間違えているからそれを直します、という態度で、それを伝えること。叱るのはいいのですが、怒ってはいけない」(田島さん)

飼い主が感情のまま、犬に接するのは嬉しい時と楽しい時だけ。怒りの感情のままに接しても、ただ脅えさせるだけです。正しい叱り方をしてこそのしつけです。犬がやってはいけないことをしても、冷静に叱るようにしましょう。

「しつけは楽しんで行うのが一番です。純粋で何も知らない状態の子犬は無条件にかわいいものですが、しかし、人間とあうんの呼吸で通じ合っている成犬の可愛さは何者にも変えがたいものがあります。そんな関係になれたら、一生のパートナーとして、絆もより深まります。皆さんがそんな関係を築けると嬉しいと思っています」(田島さん)

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UCHINOCO編集部

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