犬のヘルニアの代表的な症状は?種類や予防法をご紹介

ヘルニアになると大変です。いざという時に困らないよう、知識はしっかり身につけておきたいものです。また、日常生活の中でも予防できるように努めましょう。 2018年03月24日作成

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犬のヘルニアには、いくつか種類があります。その種類によって治療方法も変わってくるのです。間違ったケアをしないように、種類別の治療方法を覚えておきましょう。

犬のヘルニアは5種類

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犬のヘルニアには5つ種類があります。各種類の症状は以下のとおりです。

・鼠径ヘルニア
太腿、もしくは足の付け根部分を指します。鼠径部の隙間から臓器が飛び出すことで発症するものです。飛び出した臓器によって症状が異なります。腸閉塞や排尿障害を併発する可能性があり、危険性が高いヘルニアです。

・臍ヘルニア
臍の穴に臓器が飛び出して発症します。いわゆる「でべそ状態」になるのが特徴的です。大きさは状態によって変わってきますが、クルミ大のものや、大きくなればリンゴ大ほどになります。こちらも腸閉塞を併発する可能性があるので、兆候が見られたらすぐに獣医に診てもらいましょう。

・会陰ヘルニア
オスの老犬に多い病気と言われています。肛門に臓器が押し出されてしまい、周囲が膨らむものです。発症すると便秘や排便困難になり、膀胱が飛び出した場合には膀胱が反転するため、排尿障害になる可能性があります。

・食道裂孔ヘルニア
血管や食道が通過できるよう、横隔膜部分に開かれた穴を「食道裂孔」と言います。先天的にこの穴が大きいと胃が穴から飛び出してしまい、食道裂孔ヘルニアになります。症状は胃液の逆流や、食べ物の吐き戻しによる食道炎です。

・椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、脊椎で発症します。椎間板と脊椎で、運動により与えられる衝撃を緩和させるクッションの役割を果たす部位です。椎間板が損傷すると、髄核と呼ばれる物質が飛び出して神経を圧迫して、痛みを引き起こしてしまいます。

ヘルニアの原因

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ヘルニアの原因は、主に以下の4つが考えられます。

・老化
老化によって筋肉が衰えて薄くなることで、会陰ヘルニアの原因になることがあります。

・外からの衝撃
何らかの強い衝撃が加わることで、横隔膜ヘルニアの原因となることがあります。

・ホルモンの影響
雌性ホルモンによる影響で、会陰ヘルニアを発症させることがあります。

・肥満
太り過ぎが原因で、椎間板ヘルニアになることがあるといわれています。

ヘルニアの対処法としては「犬の身体や様子を観察する」「動物病院を受診する」のふたつがあります。動物病院に行くのは、ヘルニアの兆候が出た時で構いませんが、その兆候を見極めるためには愛犬の観察が必要です。普段から、食欲、元気があるか、痛がっている部分がないかなどを気にかけてあげましょう。

5種類のヘルニアの治療法

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ヘルニアの治療法は、患っている種類で変わってきます。それぞれの治療法は以下のとおりです。

・鼠径ヘルニア
軽度の場合は経過観察となりますが、症状が重くなると判断された場合は、外科手術による治療が施されます。妊娠や肥満はヘルニアの症状を悪化させてしまう可能性があるため、外科手術を行うケースが多いのです。他にも腸や子宮、膀胱などの臓器がヘルニアの中にはまってしまっている場合にも外科手術が必要です。

・臍ヘルニア
臍ヘルニアは先天性の場合が多く、生後1年以内に発症するケースがほとんどです。経過観察のみで治る場合もありますが、腸閉塞の締め付けが生じた場合は緊急手術になります。

・会陰ヘルニア
筋肉の隙間を防ぐ外科手術が必要です。オスの場合、去勢していないと再発しやすいため、会陰ヘルニアの治療と共に去勢手術を行うこともあるようです。

・食道裂孔ヘルニア
基本は外科手術の治療になります。胃を腹腔内に引き戻して、開大する食道裂孔を縮小させて、逆流防止手術が行われます。最近は胸部や腹部の患部に近い場所に穴を開けて、内視鏡手術を行う「ニッセン法」が主流になっているようです。

・椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは症状の重さ別に5つのグレードに分類されます。自力での歩行が可能であるグレード2までは、基本的に内科療法です。グレード3になると、後ろ足が動かなくなって前足だけで動くような状態になり、外科療法になります。グレード4では後ろ足が麻痺、グレード5では後ろ足の感覚がなくなる、というように症状が重くなり、外科治療による処置を行います。

日常生活でできるヘルニアの予防方法

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愛犬のヘルニアを予防するためにも、いくつかのポイントがあります。それは「去勢手術」「観察」「肥満防止」の3つです。

去勢手術を行うのは会陰ヘルニアの予防にもなります。観察はヘルニア自体が予防の難しい病気のため、普段から愛犬を観察、触れ合うことで異変を早期発見することが一番です。最後の肥満は、椎間板ヘルニアを予防するためです。適度な運動、適度な量の食事を心がけてください。

まとめ

愛犬がヘルニアで苦しむ姿は、飼い主としてもつらいものです。発見が遅れれば遅れるほど、重篤な状態になりかねません。そのため、飼い主は愛犬をしっかり観察して、万が一の時には早期発見できるようにしましょう。

著者情報

UCHINOCO編集部

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