子犬を迎え入れるとき、エサやハウス、トイレの世話、しつけ方法などは真っ先にチェックするかと思います。そのなかでもつい見落としがちなのが、いつからシャンプーでの手入れをしたらいいのかということです。今回は、シャンプーを始めていいタイミングと、なぜそのタイミングなのかについて解説していきます。
生まれたばかりの子犬はどんな状態?
どの動物にも言えますが、生まれてまもないころの子犬は免疫力が低く、とても無防備な状態です。それだけではなく、骨も未熟なため、足腰が上手く立たず、体全体が不安定でもあります。
このような状態でシャンプーをすると、予期せぬケガや病気につながる可能性が高いため、避けたほうが安全です。そうなると、臭いが気になったときでも子犬のうちはシャンプーをしないほうがいいという話になりますが、実際のところ、どうなのでしょうか。
子犬へのお手入れにシャンプーはいる?いらない?
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結論から言うと、シャンプーは子犬の体調によってチャレンジしてみてもかまいません。
もともと子犬は体が弱く体臭も少ないことから、シャンプーはしないほうがよいという話も見受けられます。
ただし、体調や体臭の要素は個体差が大きく影響しているため、一概には言えないようです。たとえば、シャンプーを使うことで体がかゆくなったり肌が荒れたりする子犬もいれば、そうでない子犬もいます。
また、シャンプーを使う意味合いとして、小さいころから慣れさせることで成犬時の抵抗を減らす役割があります。大きくなって急にシャンプーをすると嫌がって抵抗し、大変な状況になることが想定されるためです。
以上から、シャンプーをしないほうがいいというよりは、体調さえよければシャンプーに挑戦したほうがよさそうだと言えるでしょう。
子犬のシャンプーはいつから始めるべき?
体が弱い子犬のうちは、3回目のワクチン接種を終えてからシャンプーを始めるのが理想です。一方で、1回目の接種後でも問題ないという話がありますが、いずれにしても2週間ほど空けてからシャンプーを行いましょう。
ワクチン接種は、生後2~3ヶ月のあいだにすることが一般的ですが、なかには生後1ヶ月半で済ませる飼い主さんもいます。ただし、後者の場合だとトリミングショップへシャンプーの依頼をしても受け入れられないことがあるため、事前に確認しておきましょう。この時点では他の犬と接触することで感染症にかかるリスクがあることがその理由です。
一方、自宅でのシャンプーは可能ですので、子犬用の低刺激なものを薄めてから使ってみてください。小さいうちに急に水をかけたり嫌な思いをさせたりすると成犬になっても嫌がるので、初めてのときは特に注意しましょう。
シャンプーの手順
1.必要なものを用意する
・ペット用バスタブ(浴槽可)
・シャンプー
・タオル
・ブラシ
・ドライヤー
2.ブラッシングする
シャンプーをする前にブラッシングすることで、おおまかなゴミを浮かせたり、毛をほぐせたりするので、洗いやすくなります。
3.体を濡らす
37~38度くらいのお湯を使い、足元、お尻、背中、お腹、足の付け根、首、頭、顔の順番で濡らしていきます。足から少しずつ慣らしていくことと、シャワーのヘッドを体に当てて音を減らすことで、子犬の恐怖心を抑えられます。このとき、肛門のところにある臭腺も絞ってあげることで分泌液の臭いが取れ、シャンプーがしやすくなります。
4.シャンプーで洗う
子犬は皮膚が弱いので、軽度の汚れでしたらお湯で薄めたシャンプーで洗ってあげましょう。手で軽く泡立ててから胴体、尻尾、足、首、顔の順に洗っていきます。
5.シャンプーを流す
シャンプーを流すときは洗ったときと逆の順番で流していき、最後に足の部分を流してください。足の付け根や指の間・裏などはシャンプーが残りやすいので丹念に流しましょう。
6.体を乾かす
乾かし方については後の項目で詳しくご説明します。
部位によるシャンプーのコツ
部位ごとのシャンプーのコツについて解説していきます。
臭腺
臭腺とは、強い臭いがする液を作るところで、かつてはテリトリーの意思表示や外敵から身を守るために使われていました。しかし、家で使うことはまずないので、液を絞り出して清潔にしてあげる必要があります。
絞り方については、肛門から指1本分のスペースを空けた4時と8時の位置に親指と人差し指を置きます。軽くもみほぐしてから、肛門に向かってやさしくゆっくりと押し上げると液体が出てきます。もし出ないときは、無理に出そうとせずに、獣医師に相談してみてください。終わったらお湯でしっかり洗い流しましょう。
胴体や尻尾
犬の場合、下から上に洗っていくのが基本の流れになりますので、お腹から背中、先端から付け根に向かって洗っていきます。
足、耳などの付け根
汚れがたまりやすい部分ですので、スポンジや指の腹を使ってやさしく丁寧に洗ってください。足の指の間や裏は雑菌が多いので、忘れずに洗ってあげてくださいね。
顔回り
シャンプーを使って洗う際は、泡を乗せるように洗い、鼻にシャンプーが付かないように注意してください。もし嫌がるようでしたら、子犬のうちはホットタオルで拭くだけでも効果があります。
子犬の乾かし方
フェイスタオルを2~3枚使い、水気をよく取ることで、ドライヤーの熱でのやけどを防ぎます。ドライタオルでしっかりと水気を取ったあとは、子犬が風邪を引かないように、ドライヤーで毛の芯まで乾かしていくことが重要です。
ドライヤーを怖がるときは抱っこをしながらでも大丈夫なので、耳も撫でながら風をかけてください。末端まで忘れずに乾かすことで、子犬が風邪を引いたり、新たに汚れを付けてきたりすることが少なくなります。
子犬のシャンプーで気を付けるべきこと
子犬のシャンプーで注意すべきことの1つ目は、「驚かせないこと・怖がらせないこと」。シャンプーで暴れたときに怒ることもNGです。水量は少なめで声をかけながら、なるべくリラックスさせた状態でシャンプーをしてください。
2つ目は「長い時間シャンプーをしないこと」で、丁寧かつ手早くが理想です。子犬のうちは薄めたシャンプーを使うことで時間短縮につながります。
子犬にとってのシャンプーは、慣れない音や環境であるため、落ち着かないこともあるかと思います。お風呂を子犬にとって安心できる場所にするため、コミュニケーションを大切にしながらシャンプーをしましょう。
シャンプーができるようになるまでのお手入れ
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ワクチン接種が終わってない子犬や幼犬でも、衛生を保つためにお手入れは必須です。ブラッシングで汚れを浮かせ、濡れたホットタオルで体を拭いてあげればおおよその汚れを取り除けます。そんなに汚れていない、または一部だけ汚れているといった場合は、その部分だけにお湯をかけて簡単に洗うだけでも違います。
また、シャンプーを使わず、37~38度くらいのお湯で足元からゆっくり慣らしながら洗う方法もあります。シャワーを使うより、桶や浴槽にお湯を溜めて洗うほうが大きな音も出ないので、子犬が驚くことも少なくなります。終わったら湯冷め防止に体をよく拭いて水気をしっかりとり、ドライヤーで毛の芯から乾燥させてください。タオルドライがちゃんとできていない、または同じところばかり乾かしていると火傷の原因になります。これらのお手入れだけでも子犬はスッキリし、ノミやダニも防げます。
子犬におすすめシャンプー・ブラシ
子犬をシャンプーする場合におすすめのシャンプーやブラシをご紹介します。
ゾイック パピドール シャンプー 子犬用・子猫用
皮膚や被毛にやさしい弱酸性のシャンプーです。
シャンプーベースにはアミノ酸系の活性剤を採用しています。
クリーミーな泡でデリケートな皮膚、被毛をいたわりながらやさしく洗えます。
子犬はもちろん、皮膚の弱い成犬やシニア犬にもおすすめのシャンプーです。
LION ペットキレイ 顔まわりも洗える泡リンスインシャンプー子犬・子猫用
植物生まれの洗浄成分100%の低刺激シャンプーです。
泡で出るタイプなので、液だれしにくく目に入りにくいのが特徴です。
また、泡立てる手間がないので、すすぎも手早くすみ、シャンプーなれしていない犬にぴったりです。
ペット用ブラシ キューティクルプロテクト ブラシ
「キューティクルプロテクトブラシ」はピンが柔らかいのが特徴です。
皮膚にあたっても痛くなりにくく、やさしくとかすことができるので、子犬がブラッシングに慣れるのに最適なブラシです。
iDog&iCat UTTORIN 夢心地なマッサージブラシ
やわらかく優しいさわり心地のシリコン製のブラシです。
マッサージを効果もあるので、筋肉の硬直を緩和してくれます。
突起の間隔が広く、水洗いもできるので集まった毛のお掃除も簡単です。
衛生管理をしっかりしてあげよう
子犬のうちにシャンプーは必須ではありませんが、衛生管理は必要不可欠です。シャンプーを始める時期をしっかりチェックし、始める場合は手順をしっかり確認をし、愛犬の健やかな成長を後押ししていきましょう。
ペットショップQoonQoon(参照日:2020年11月16日)
https://item.rakuten.co.jp/qoonqoon/4989793350898/
姫路流通センター(参照日:2020年11月16日)
https://item.rakuten.co.jp/at-life/4903351001770
とぎ職人の部屋(参照日:2020年11月16日)
https://item.rakuten.co.jp/togishokunin/10001196
みんな笑顔(参照日:2020年11月16日)
https://item.rakuten.co.jp/petstown/rmc-cr003/
著者情報
UCHINOCO編集部
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