警察犬訓練士になるための方法
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警察犬訓練士になるためには、特定の資格や経験が必要です。
まずは、警察犬訓練士になるための方法をご紹介します。
嘱託警察犬訓練士の資格取得
警察犬訓練士として働くには、嘱託警察犬訓練士になるのが一番の近道です。
嘱託警察犬訓練士は、犬のトレーニングについて学んだ後に、公認訓練士として必須の三等訓練士の資格を取得します。
三等訓練士の資格の取得には犬の訓練の経験が必要なので、後述する警察犬訓練所などで見習い訓練士として数年間犬の訓練について学ばなければなりません。
専門学校に入学する
警察犬訓練士を目指す場合は、動物系の専門学校入学することで、実践的なスキルを学べるでしょう。
専門学校では犬のトレーニング方法だけではなく、犬の行動学や健康管理など、さまざまなことについても学ぶことができます。
また、専門学校への入学は、同じ夢を持つ仲間といっしょに犬について学べるほか、犬の業界のコネクションができるのもメリットといえるでしょう。
警察犬訓練士に必要な資格
警察犬訓練士になるためには、必要な資格があります。
はじめに挙げられるのが、警察犬指導手の資格です。
警察犬指導手は、各都道府県が年1回開催する嘱託警察犬審査会における実技試験を合格する必要があります。
この実技試験に合格することで、警察からの出動要請に応じて現場に警察犬と活動することができるようになるのです。
ちなみに、この実技試験に合格した人間とともに、犬も嘱託警察犬として認められます。
もちろん、先述した嘱託警察犬訓練士の資格を取得するのも良いです。
公務員試験
警察犬訓練士として警察機関に所属する場合は、公務員試験を受験する必要があります。
体力試験や筆記試験をクリアした後、採用されることで正式に警察犬訓練士として活動できます。
ただし、公務員として警察犬訓練士になれるかどうかは、運とタイミングが関係してくるでしょう。
公務員としての警察犬訓練士はあくまで警察官のひとりなので、希望していないまったく別の部署に配属される可能性もあります。
そのため、ずっと警察犬訓練士として活躍したいのであれば、先述した嘱託警察犬訓練士になることをおすすめします。
警察犬訓練士に向いている人
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警察犬訓練士は、特殊な環境の中で犬とともに活動するため、向いている人とそうでない人がいます。
このような性格や特性を持つ人が、警察犬訓練士に向いているといえるでしょう。
犬への愛情と理解がある人
犬を深く理解する気持ちがあり、愛情を持って接することができる人は、警察犬訓練士に向いているといえるでしょう。
犬の訓練は長期間に渡るため、時にはうまくいかないこともあります。
また、警察犬は失敗が許されないことから、ストレスが溜まることもあるでしょう。
そんな時に犬に忍耐強く向き合うことができる人こそ、警察犬訓練士になれるのです。
体力がある人
警察犬の訓練は屋外で行われることが多く、長時間のトレーニングが求められます。
そのため、体力に自信があり、辛抱強く取り組める人でなければなりません。
詳しくは後述しますが、警察犬訓練所は犬の訓練だけしていれば良いというわけではないです。
場合によっては、連日早朝から夜遅くまで働かなければならないこともあるため、警察官訓練士は体力勝負なのです。
観察力が高い人
犬の細かな行動を観察して、適切なタイミングで指示を出せる能力が必要です。
そのため、現在の犬の状態を把握して、瞬時に正しい対応ができる人が警察犬訓練士に向いているといえるでしょう。
責任感とコミュニケーション能力がある人
警察犬は捜査に重要な役割を果たすため、警察犬訓練士には高い責任感が求められます。
また、警察官や関係者とのコミュニケーションが必要となることから、協調性も大切です。
ほかにも、民間の警察犬訓練所であれば、犬のことをあまり知らない飼い主に対して、しつけの指導をすることもあります。
そのため、警察犬訓練士になりたいのであれば、犬のことが好きなだけではなく、ある程度は人間のことも好きではなければなりません。
警察犬訓練所では何が行われている?
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警察犬訓練所では、警察犬を育成する以外にも様々なことが行われています。
見習い訓練士として働くには、毎日これらの業務をこなさなければなりません。
警察犬の訓練
当然ながら、警察犬訓練所では警察犬の訓練をメインとして行います。
警察犬の訓練では、足跡追跡や捜索、警備、救助などのスキルを犬に身につけさせます。
警察犬は状況に応じた行動ができるよう、徹底した訓練を受けなければなりません。
もちろんこれは警察犬訓練士も同様で、失敗が許されない仕事だからこそ、はじめのうちは訓練所の所長から厳しい指導を受けることもあるでしょう。
正直にいうと、見習い訓練士は住み込みで働きつつ、毎月数万円の報酬しかない苦しい仕事です。
しかし、苦しい期間を乗り越えられたら、とてもやりがいのある仕事でもあります。
犬舎の清掃
犬舎の清掃は、警察犬の健康管理に欠かせない作業です。
犬が快適に過ごせる環境を維持するために、毎日清掃を行って衛生環境を良好なものにしなければなりません。
当然ながら清潔な環境を維持することで、警察犬の病気予防にも繋がります。
しつけ教室が行われていることもある
警察犬訓練所では、一般の飼い主向けにしつけ教室を開催することもあります。
基本的なしつけや、問題行動の改善を目的としたトレーニングが行われ、警察犬訓練士が専門的なアドバイスをしてくれるため、人気の高いサービスでもあるのです。
ペットホテル
一部の警察犬訓練所では、ペットホテルのサービスを提供していることがあります。
警察犬と同じレベルのケアを受けることができるため、飼い主が安心して犬を預けることができます。
ただし、ほかの人の犬を預かるということは、それだけ責任が伴うということでもあるでしょう。
警察犬訓練士になるのは大変
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警察犬訓練士になるためには、資格取得や現場経験が不可欠です。
犬への深い愛情と責任感を持つ人が向いており、忍耐力もなければなりません。
また、警察犬訓練所で見習い訓練士として働く時は、住み込みで大変なことも多いでしょう。
しかし、警察犬の活躍は社会の安全に大きく貢献しており、やりがいのある仕事だといえます。
公益社団法人 日本警察犬協会(参照日:2025-01-20)
https://www.policedog.or.jp/info/jigyou/
著者情報

けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。