犬は正面から触られるのが苦手?正しい犬との触れ合い方

犬と良好な関係を築くには、犬の心理や本能を理解して適切なアプローチを心がけることが大切です。
人間と犬ではコミュニケーション方法が異なるため、無意識のうちに犬にストレスを与える行動をしてしまうことがあるでしょう。
この記事では、犬を正面から接したり見つめたりしてはいけない理由などについて解説します。 2025年01月22日作成

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犬を正面から接したり見つめたりしてはいけない理由

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まずは、犬を正面から接したり見つめたりしてはいけない理由をご説明します。
理由がわかれば、正しい触れ合い方ができるようになるはずです。

正面からの接触は敵とみなされるから

犬にとって、正面からの接触は威圧や敵意のサインとみなされることがあります。
犬の社会では、目をじっと見つめる行為は攻撃的な意思表示であり、相手に対して優位性を示すための行動とされます。
そのため、人間が犬の目を正面からじっと見つめたり触ったりすると、犬は緊張をして不安な気持ちになることが多いです。
また、犬は正面から接されると視野が狭まり、自分の周囲を十分に把握できなくなるため、防衛本能が働いてしまい、自分を守るために攻撃的になってしまうかもしれません。

正面からの手の動きが怖いから

犬に触れる際に正面から手を伸ばして触れようとすると、犬はその手を「予測不能なもの」と感じることがあります。
これは、動物が捕食者から身を守るために備えた本能的な反応です。
特に、子犬や怖がりな性格の犬に対して正面からの接触をすると、吠えたり逃げたりする行動につながる可能性があるでしょう。

犬と触れ合う時にNGな行為

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犬には、触れ合う時にしてはいけない行動というものがあります。
次に、犬を正面から接したり見つめたりする以外のNG行動を見ていきましょう。

頭を直接撫でる

多くの人は犬を撫でる際に、犬の頭の上に手を置くことが自然だと考えますが、実は犬にとってこれはあまり心地よい行動ではありません。
なぜなら頭の上は犬にとって急所であり敏感な部位なので、見えない方向からの接触は警戒心を高めてしまうからです。
特に、犬を力強く撫でると、「押さえつけられている」と感じてストレスを感じることがあるでしょう。

大きな声や突然の大きな動き

犬と触れ合う際は、急に大きな声を出したり手を振り回したりするような動きをするのもNGです。
犬は、予測できない行動に対して警戒心を抱く傾向があります。
例えば急に高い声で「可愛い!」と叫ぶと、犬は驚いて落ち着かなくなってしまうでしょう。

強引に抱き上げる

犬が喜んでいるように見えると、思わず抱き上げたくなるかもしれません。
しかし、犬にとって地面から持ち上げられる行為は、身体のコントロールを失う不快な経験です。
特に小型犬やシニア犬は骨や筋肉への負担も考えられるため、強引に抱き上げることは避けましょう。

しつこく触れ続ける

犬が一度身体を避けた場合は、それ以上触れようとしないことが大切です。
しつこく触れる行為は、犬に「逃げ場がない」と感じさせて、さらに不安や警戒心を高めてしまいます。
そのため、犬を触る際には犬の反応をよく観察して、無理強いをしないことが基本です。

初対面の犬との上手な触れ合い方

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それでは、初対面の犬とはどのように触れ合えば良いのでしょうか?
正しい触れ合い方をすることで、犬に好かれるようになるはずです。

落ち着いた態度で接する

初めて会う犬と触れ合う際は、まず自分が落ち着いていることが大切です。
犬は、人間の感情を敏感に察知する動物です。
そのため、人間の緊張や興奮を感じると、犬も同じように警戒心を抱く可能性があります。
深呼吸をして穏やかな態度で接することで、犬も落ち着いて対応してくれるはずです。

側面から触るように心がける

犬に近づく際は、正面ではなく側面から接近するのがポイントです。
側面から触るというのは、犬が威圧感を感じにくいアプローチ方法になります。
しゃがんで犬の目線に合わせながら身体を少し斜めに向けると、よりリラックスした雰囲気を作りやすくなるでしょう。

犬に自分のにおいを嗅がせる

犬に手を差し出して自分のにおいを嗅いでもらうことで、犬に安心感を与えられます。
においを嗅ぐという行為は、犬にとって相手を知るための大切なものです。
このとき、手は犬の鼻の高さに合わせて、無理に触れるような動きは避けましょう。
ただし、見るからに犬が威嚇をしているなど攻撃的な場合には、手を差し出した時に噛まれてしまう可能性があるため注意が必要です。

犬の反応をよく観察する

犬に触れる前に、犬の表情や身体の動きを注意深く観察することが大切です。
犬が耳を伏せたり尻尾を下げたりしている場合は、不安や警戒を感じているサインです。
このような場合は無理に触れるのを避けて、犬がリラックスするまで待ちましょう。

胸や側面を優しく撫でる

犬に触れ始める時は、犬の胸や側面などの比較的リラックスしやすい部位を優しく撫でることをおすすめします。
犬がリラックスしやすい部位を触ることにより、犬は「この人は安全だ」と感じて徐々に触れられることに慣れていくはずです。
犬の頭や背中は、信頼関係が築けた後に触れる方がお互いに安心でしょう。

犬は正面から触らないように心がけよう

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犬は、正面から触られると恐怖や不安を感じてしまうことがあります。
また、突然頭を触ったり大きな声を出されたりするのも、犬にとっては怖い経験です。
そのため、もしも初対面の犬に触れ合おうとする際は、なるべく側面から胸などの犬が怖がらない部位を触って、優しく声をかけてあげると良いでしょう。
はじめて会う犬は人間側も緊張してしまうものですが、人間の緊張や不安は犬も察してしまうことから、落ち着いた態度で触ってあげることをおすすめします。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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