キャリアチェンジ犬飼育ボランティアとは?条件も解説

盲導犬や聴導犬は、すべての犬がなれるわけではありません。
犬によっては、キャリアチェンジを余儀なくされることもあるでしょう。
この記事では、キャリアチェンジ犬飼育ボランティアについて解説します。 2024年08月18日作成

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キャリアチェンジ犬とは?

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まずは、キャリアチェンジ犬について解説します。
新たに犬を家族として迎え入れたいと考えている人は、キャリアチェンジ犬飼育ボランティアを検討しても良いかもしれません。

介助犬に向かない犬

犬によっては、盲導犬や聴導犬などの介助犬の訓練をしていても、さまざまな理由から不向きだと判断されることがあります。
つまり、盲導犬や聴導犬として身体の不自由な人の役に立つ仕事ではなく、一般の家庭に飼われるペットとしてキャリアチェンジをするということです。
また、一般家庭だけではなく、それぞれの性質にあった環境のもとで生活をするようになるため、盲導犬のPR犬として普及推進活動の場でデモンストレーションを行ったり、ほかの介助犬として活躍したりすることもあります。

キャリアチェンジ犬を家族の一員として迎え入れるボランティア

キャリアチェンジ犬が天寿を全うするまで家族の一員として迎え入れるのを、キャリアチェンジ犬飼育ボランティアといいます。
キャリアチェンジ犬飼育ボランティアには一定の条件があって、誰でもなれるわけではありません。
キャリアチェンジ犬を迎え入れるメリットとしては、プロのトレーナーによる訓練を受けているため、トイレトレーニングやもちろん社会化などの問題を抱えていることは少ないでしょう。
また、プロのトレーナーがそれぞれの犬の特徴や個性を把握しており、ボランティア家庭の生活スタイルに合った犬を紹介してもらえます。

申請から譲渡までの流れ

キャリアチェンジ犬を家族として迎え入れるのは、申請してすぐに譲渡されるわけではありません。
それぞれの協会によって多少の違いはありますが、見学会や譲渡説明会の申込書や登録書を郵送して、その後は協会により犬の紹介や家族側の面談などを行います。
それで問題がなければ、実際にキャリアチェンジ犬と一時的に生活をする、トライアルが始まります。
トライアル期間が終了後、正式に譲渡する流れになるでしょう。

キャリアチェンジ犬になる理由

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盲導犬や聴導犬候補の犬たちは、なぜキャリアチェンジ犬になってしまうのでしょうか?
次に、キャリアチェンジ犬になる理由をご説明します。

活発すぎる

盲導犬や聴導犬などの介助犬は、ハンドラーの目や耳の代わりとなって働かなければなりません。
いわばハンドラーの身体の一部ともいえる存在なので、どんな時でも冷静に行動することが求められます。
活発すぎたり好奇心が旺盛すぎたりする犬だと、介助犬には不向きだといえるでしょう。
もちろんトレーナーにより改善する訓練も行われますが、それでも改善されない場合はキャリアチェンジ犬になります。

臆病すぎる

活発すぎるのも問題ですが、臆病すぎるのも介助犬には不向きです。
当然ながら子犬の頃からさまざまな人や動物と触れ合わせるような社会化の訓練はしていますが、生まれつき臆病な性格の犬もいます。
そういった犬は、ハンドラーを危険に晒してしまう可能性もあることから、キャリアチェンジ犬になることが多いです。

吠えすぎる

道を歩いている盲導犬が、吠えている姿を見たことがある人は少ないでしょう。
当然ながら盲導犬などはどんな時でも冷静でいなければならないため、吠えることはほとんどありません。
しかし、盲導犬であっても尻尾を踏まれた時などに吠えてしまうことがあります。
道でほかの犬や猫と会った時に警戒吠えをしてしまうような犬は、キャリアチェンジ犬の候補になってしまいます。

健康面の問題

性格面だけではなく、身体的な問題でもキャリアチェンジ犬になることがあります。
主な疾患としては、アレルギー性皮膚炎などの皮膚疾患や頻尿、股関節形成不全などが挙げられます。
これらの疾患がある犬は、盲導犬や聴導犬として活躍するのは難しいでしょう。

キャリアチェンジ犬ボランティアになるための条件

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人によっては、「自分もキャリアチェンジ犬ボランティアになりたい!」と考える人もいるはずですが、すべての人がなれるわけではありません。
最後に、キャリアチェンジ犬ボランティアになるための条件をご紹介します。

室内飼育ができる

いまでは犬の外飼いはほとんど見なくなりましたが、キャリアチェンジ犬飼育ボランティアの基本条件としても、室内飼育ができる点が挙げられています。
これは、盲導犬などの育成プログラム上、子犬の頃から室内で生活をしているためです。

留守は4時間以内

キャリアチェンジ犬は、子犬の頃から人間が近くにいる生活を続けています。
そのため、長時間ひとりでいることに慣れていません。
留守は4時間以内にできるというのも、キャリアチェンジ犬飼育ボランティアの条件のひとつです。

節度のある愛情を持って飼育できる

犬を飼うということは、犬の一生に責任を持つということです。
そのため、毎日の散歩やブラッシングなどは当然のことであり、定期的な健康診断や体型の維持など、愛情を持って飼育できる人でなければキャリアチェンジ犬飼育ボランティアをすることはできません。

主な飼育者の年齢が65歳以下

キャリアチェンジ犬は、主に1~2歳であることが多いです。
そのため、何事もなく健康的に生きることができれば15年程度飼育する必要があります。
65歳以下の人でなければキャリアチェンジ犬飼育ボランティアになれないというのは、当たり前のことだといえるでしょう。

単身でない

もしも主な飼育者が病気や怪我などの体調不良があったとしてもキャリアチェンジ犬を飼育できるように、単身者の人はキャリアチェンジ犬飼育ボランティアになることはできません。
これもキャリアチェンジ犬の生活のことを考えれば、当然のことです。

協会が必要とする、犬についての情報提供ができる

キャリアチェンジ犬飼育ボランティアは、キャリアチェンジ犬を迎え入れたら協会との関係が切れるわけではありません。
1年に1度を目安に、犬の健康や飼育状況等を協会に提供する必要があります。

キャリアチェンジ犬飼育ボランティアで盲導犬や聴導犬の安定育成を手助けしよう

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キャリアチェンジ犬とは、簡単にいうと性格面や健康面の問題で盲導犬や聴導犬になれなかった犬のことをいいます。
だいたい1~2歳であることが多く、プロのトレーナーによる訓練を受けているため、基本的なトイレトレーニングなどはすべて済ませてあるケースが多いです。
キャリアチェンジ犬だからといって性格に難があるわけではなく、あくまで盲導犬や聴導犬に不向きだったというだけで、ペットとして飼うにはまったく問題はないでしょう。
また、キャリアチェンジ犬飼育ボランティアになることは、盲導犬や聴導犬を安定して育成する手助けにもなります。
キャリアチェンジ犬飼育ボランティアになるにはさまざまな条件がありますが、盲導犬や聴導犬の未来のためにキャリアチェンジ犬飼育ボランティアの検討をしてみてはいかがでしょうか?

参考サイト

公益財団法人 日本盲導犬協会(参照日:2024-05-31)
https://www.moudouken.net/volunteer/keeper-change/

公益財団法人 東日本盲導犬協会(参照日:2024-05-31)
https://www.guide-dog.jp/volunteer/careerchange-dogs/

社会福祉法人 日本介助犬協会(参照日:2024-05-31)
https://s-dog.jp/works/career-change

社会福祉法人 日本聴導犬協会(参照日:2024-05-31)
https://www.hearingdog.or.jp/index.php?ci=10150&i=10197

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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