猫なのに後姿がウサギのよう！？野性味たっぷりのクリリアンボブテイルについて

クリリアンボブテイルは、ロシアを原産とする猫です。ずんぐりと丸いシルエットで、通常約3.5㎏～5㎏前後まで成長します。オス猫の場合はやや大きく育ちやすい傾向があり、場合によっては7㎏を超えるケースもあります。ふんわりとした被毛におおわれた筋肉は固く、筋肉質な体つきです。

クリリアンボブテイルには多くの特徴がありますが、中でも注目したいのが足です。通常、猫の前足と後ろ足は長さが均一に近くなっていますが、この種類に関しては後ろ足の方が長いのです。クリリアンボブテイルの立ち姿を良く観察してみると、分かりやすいでしょう。これは、狩りをするために発達したからであるとされています。

後ろ足をバネのように使って瞬発力を上げ、ネズミや時にはウサギなど大きめの動物も狩ってしまうほど高い腕前を誇っています。猫のイメージに反して、泳ぎも得意。水辺で魚を狙うこともあります。実に野性味あふれる猫種と言えるでしょう。どこかワイルドな顔立ちも魅力的のひとつです。

さらに、しっぽの形もとても特徴的。ウサギのようにくるんと丸くねじれ、短い形をしているのです。クリリアンボブテイルの下半身を後ろから見ると、まるでウサギのように見えます。

性格はおだやかで知性を感じさせます。新しい環境にもすぐに溶け込める高い順応性も特筆すべきでしょう。仲間のクリリアンボブテイルと群れになって狩りをすることもあるので、コミュニケーション能力に優れ不必要な諍いはしません。調和を好む性質ですから、多頭飼いにも比較的向くでしょう。

日本の根室海峡からロシアのカムチャツカ半島最南端までを結ぶ、千島列島がクリリアンボブテイルの故郷です。千島列島は別名クリル諸島とも呼ばれ、これがクリリアンボブテイルの名前の由来となりました。具体的にいつからとは分かっていませんが、周辺地域では1800年代前半には存在が確認されていたと見られています。

日本にもかかる列島の出身ということで実は日本が原産国なのではないかと考えられる節もあります。ですが、これについてはまだ解明されておらず、単純に千島列島原産とされることがあります。

クリリアンボブテイルは、多くの厳しい環境を乗り越えながらはぐくまれた猫種です。環境に慣れやすい順応力の高さなど特有の性質は、自然によって与えられたものであると言うことができるでしょう。

クリリアンボブテイルは丈夫な猫です。ですが、もともと狩りをしながら生活していた種類であることから比較的肥満になりやすい傾向があります。走ったりできるよう、できるだけ広いスペースの確保をしておきましょう。
おもちゃやキャットウォークなどを使って、運動不足にならないようにしてあげてください。

また、寒い地域が出身ですから夏場は涼しい環境を作りましょう。暑い部屋でずっと過ごした場合、熱中症にかかるリスクも高めです。飲み水もたっぷり用意して、予防につとめます。被毛が密集しているので、ブラッシングも定期的に行うと良いでしょう。

肥満を予防するため、食餌には気をつける必要があります。おやつも含め、脂肪分が過剰にならないようフードを選びましょう。ヘアボールがおなかにたまりにくいよう、猫草を用意するのもおすすめです。

また、尿路結石や腎疾患を避けるために、マグネシウムやカリウムを過剰に摂取することがないよう気を配っておくことも大切です。尿のpH値が弱酸性を維持できるよう、良質なたんぱく質をメインにした食餌を与えましょう。ミネラルを過剰に摂取し続けると腎臓に負担をかけ、尿路結石が起こりやすくなりますので気をつけましょう。